桃井章の待ち待ち日記

店に訪れる珍客、賓客、酔客…の人物描写を
桃井章の身辺雑記と共にアップします。

2005・9・12

2005年09月13日 | Weblog
後輩数人を引き連れて突然現れたベテランタイムキーパーのIさんの顔をカウンター越しに見ていたら、彼女の妹のTさんと恋をして、それがきっかけで最初の離婚をしたものの、Tさんとは結局結ばれずに終った三十年近く昔のホロ苦い思い出が甦って来た。会社の同僚を連れて来てくれたI君は、俺の高校のクラスメイトの子息。彼と父親の話題で盛り上がっていると、俺が高校時代に彼の父親と出会った時から今日に至るまでの四十年の歳月が走馬灯のように頭の中を駆けめぐる。近所の常連Mちゃんに興味を持ったのか、三時過ぎまで残って話し続ける脚本家のNさんとは、彼がデビューした25年以上も前からつきあいだけど、こんな風に一人の女の子を真ん中に新宿の安い飲み屋で話した夜のことがデジャブの様に浮かび上がる。時は流れる。二十年、三十年、四十年が瞬く間に流れる。乃木坂の地下の穴倉で今夜俺は自分の人生をダイジェストで見た。