元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

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第34回ビジネス実務法務検定の「消費者保護法(特商法)」(第3問)問題・解答/解説コメント付について

2013-12-21 05:09:07 | 社会保険労務士
 今回は、労働法からの説明をはずれて、第34回ビジ法の中から「消費者保護法」を取り上げてみたいと思います。第34回(H25.12月実施)では、消費者保護法の問題が2題出題されていました。<広義には、インターネット関連(第1問 1-3)問題として、合わせて3題> 実は、これを取り上げるのは、私の昔かかわった所(職歴)として、消費生活センターがあります。

 
 労働法と同じく、消費者保護法という名の法律はありません。最近世間を騒がした表示に関しては、JAS法、食品衛生法、健康増進法、景品表示法、薬事法も表示を中心とした消費者保護の規定は、広い意味で、消費者保護法の中に含まれてきます。ビジ法の公式テキストの中では、景品表示法を除き、事業関連法として紹介されていますが、広義の消費者保護法の中に含まれるというか、むしろ、消費者センターでは、これらの法律も含めて、消費者問題に対応していかなければならない場面があります。消費者保護法は、「労働者対使用者」「消費者対企業者」という、特別の領域の問題を取り扱うという観点から、また、一般的な説明にある、情報・組織力の点からの「強者対弱者」の溝をうめる法律という意味では、非常に似通った法律関係にあると思っています。
<これに関連して「消費者契約法」と「労働契約法」の比較へ>

 さて、一般的な消費者保護法としては、主に出てくるのが、特定商取引法です。今は、意味が分からない「特定商取引法」ですが、出来立てほやほやのときの法律は、「訪問販売法」と申していました。訪問販売=(イコール)クーリングオフ(消費者による無条件の解約)という分かりやすい法律だったのです。ところが、いろんな手口が出てきて、最近の例でいうと、訪問販売ではなく、宝石・貴金属の「訪問購入」も出てきて、その都度、法律を改正して、「訪問販売の範疇」の中に入らない、電話勧誘販売、連鎖販売取引(マルチ商法)、業務提供誘因販売取引(内職・モニター商法)、特定継続的役務提供などを含めて、これらを総称して「特定商取引」と呼び、これを規制する法律として、特定商取引法と呼ぶことになったのです。分かりやすい「訪問販売」という枠の中に入ってこなくなったので、已む得ず、「特定取引」という枠でくくったにすぎません。その特定商取引法の問題です。

 第3問 3-2
 特定商取引法に関する次のア~オの記述のうち、その内容が適切なものの組み合わせを1~5の中から1つだけ選びなさい。

  販売業者は、インターネットのホームページ上で自社商品を販売する通信販売を行う場合、当該ホームページに販売業者名、商品の価格及び引渡時期等の一定の事項を表示しなければならない。
  販売業者が、消費者との間で、通信販売の方法により商品の売買契約を締結した。この場合において、販売業者が当該商品の広告に契約解除の可否や解除に伴う商品の返品の条件など所定の事項を表示していなかったときは、消費者は、商品の引き渡しを受けた後、一定期間内であれば、当該契約を解除することができる。
  販売業者は、新聞の折り込みチラシを見て営業所に来店した消費者との間で売買契約を締結した。この場合、本件取引は訪問販売に該当するため、当該消費者はクーリングオフを行使して当該売買契約を解除することができる。
  販売業者は、訪問販売をするに際し、その相手方に勧誘を受ける意思があることを確認すれば、その後、相手方が売買契約を締結しない意思を表示したとしても、引き続き当該売買契約の締結の勧誘をすることができる。
  販売業者は、消費者との間で訪問販売による売買契約を締結するに際し、消費者にクーリングオフが可能であることを示す書面を交付しなかった。この場合であっても、消費者は、特定商取引法所定の期間が経過すると、クーリングオフを行使して当該売買契約を解除することができなくなる。

 1 アイ 2 アオ 3 イエ 4 ウエ 5 ウオ 

<解説コメント>
 3-2-ア ○ その通り
 3-2-イ ○ その通り
 3-2-ウ × 原則として店での契約は、訪問販売ではない。ゆえに、クーリングオフはできない。
 3-2-エ × 相手方が売買契約を締結しない旨の意思表示したなら、勧誘は続けられない。
 3-2-オ × 書面交付しなかったならば、いつまでもクーリングオフ行使の期間は終了しません。いつまでもクーリングオフできる。
  なお、クーリングオフの期間は、一般的な訪問販売の場合は、この書面を受け取ってからその日を含めて8日間です。
  したがって、アイが適切な文章であり、1が正解である。


<⇒第34回ビジネス法務検定の「解答」の「解説コメント」(第1問~第5問)へ>
<⇒第34回ビジネス法務検定の「解答」の「解説コメント」(第6問~第10問)へ>

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