元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

昭和は一生懸命働けば必ず報われるという考えが基本にあったが・・・

2019-06-19 11:56:44 | 社会保険労務士
 朝ドラ「なつぞら」第4回の柴田泰樹が言う「労働の考え方」=懐かしい昭和の考え方と言うには、我々昭和の時代を生きた者にとってはまだまだ土台にある考え方と思うが・・・ 

 NHK朝ドラ「なつぞら」のおじいちゃん柴田泰樹にみる「労働の考え方」は、今でも基本的な考え方と思うが、これが現在次第に崩れているのかなあと考えるところ。その一番のものは、労働基準法に業務に従事した時間と成果との関連性が強くない高度な専門的な業種という限定があるが、労働基準法に導入された「高度プロフェッショナル制度」であろう。しかし、そのほかは、まだ労働時間と報酬との関連性は、まだまだ生きているのではないか。

 昭和は一生懸命働けば必ず報われるというのが基本にあったと思う。我々、昭和に生きた世代にとっては、いまだ生きている考えかただと思うし、これがなくなって成果を基本に据えることになれば、どうなんだろう。しかし、AI・ロボットが主体的に働けば、そうはいってられないのかもしれない。昭和の考え方は懐かしいという時代がくるのかもしれない。

 柴田剛男(藤木直人)は、戦争で亡くなった戦友の子供を東京で引き取り、ふるさと北海道十勝の柴田家に引き上げる。その子が主人公の奥原なつ(広瀬すず)である。戦後の柴田家も裕福といえるものではなく、妻・富士子(松嶋菜々子)の父・柴田泰樹(草刈正雄)は北陸から北海道へ移り住んだ開拓民で、経営する「しばた牧場」の実権はまだまだ剛男の義理の父・泰樹にあったようで、なかなか、なつを受け入れようとしなかった。なつの兄が迎えに来るまでということで、なつは働かせてもらうことになったが、朝から晩まで一生懸命働き、やがて泰樹も認め、一人前の乳搾りをさせるようになる。ある日、泰樹は町へ牛乳を納めに行き、菓子屋「雪月」に寄る。なにか菓子をくれと泰樹は頼むが戦後の品不足であり、持ってきた牛乳・卵でもって店主小畑雪之助(安田顕)は、アイスクリームを作ってくれた。そこで、その店先で泰樹となつは2人で食べることになる。

・そこでの泰樹の言葉である。 

〇 うまいか、うちの者には内緒だぞ。
〇 お前が搾った牛乳から生まれたもんだ。よく味わえ。
〇 ちゃんと働けば必ずいつか報われる。
  報われなければ、働き方が悪いか、働かせ方が悪いかだ。
  そんなところは、さっさと逃げ出せば良い。
〇 だが、一番悪いのは、人が何とかしてくれると思って生きることだ。
  人は人を当てにする者を助けはせね。逆に、自分の力を信じて働いていれば、きっと誰かが助けてくれる。
〇 お前は、この数日、本当によく働いた。そのアイスクリームは、(報酬)*1だ。お前なら大丈夫だ。
〇 だから、無理に笑うことは(必要)ない。無理に謝ることはない。
〇 お前は堂々していろ。堂々とここで生きろ。

 なつが柴田家の柴田泰樹(おじいちゃん)に受け入れられた瞬間でした。

 この言葉、私は感動しました。ちなみに、私は戦後生まれの昭和25年生まれです。
 この後、経済成長を成し遂げ、東京オリンピックがあるという良き時代だったのかもしれません。

 *1 (  )は、うまく聞き取れなったので、適当なことばをあてはめました。
  
  
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職員10人未満事業所の働き方改革による義務化は使用者が取得させる5日の年休!!

2019-06-01 13:03:36 | 社会保険労務士
 2019年から始まった働き方改革で中小企業者が直接影響を受けるのは、使用者が与えなければならない5日の年休取得!!

 小規模の就業規則を作らなくてもいい事業所(従業員10人未満の事業所であれば就業規則の作成は義務ではない。)であれば、今回の働き方改革で令和元年度にやらなければならないものは、3か月のフレックスタイム制や高度プロフッショナル制等の新たな制度の導入を考えなければ、ただ一つ(*1)、年休が10日以上付与される労働者に対して使用者は年5日の年次有給休暇(以下「年休」とも呼びます)を義務づけられたということに対する対応のみです。従来、労働者の方から、いついつ休むから年休をくださいと申し出るのが一般的でしたが、なかなか、労働者の方から申し出るのは取りづらいということで、こういう形の使用者に取得させることを義務づけられた年休が設定されたものです。(違反した場合30万以下の罰金になっていますが、初めは監督機関は是正に向けて指導・改善を図るとしているところ)

 具体的に云うと、新規採用職員(一般職員)であれば、4月1日入社の者は、6か月経過して全労働日の8割以上出勤していれば、10月1日から10日の年休の権利が与えられますので、その付与された10月1日から一年以内に5日は、必ず使用者は年休を与えなければならないということです。翌年10月1日にも年休は1日増えて11日の年休の権利が労働者に付与されますから、同様にその日から1年の間に5日の年休を使用者の責任で与えなければならないということになります。これは、パートの労働者についても言えることで、10日以上年休権利が付与される者についても、同様に使用者は5日の年休を与えなければなりません。週に4日勤務の場合は、勤続年数が3年6か月から、週に3日勤務の場合は勤続年数が5年6か月から計算上10日の年休権を付与しなければなりませんから、勤続年数が上記の場合は、パート労働者に使用者は5日の年休の確実な取得を行わなければなりません。注意しなければならないのは、所定労働時間が週30時間以上や週労働日数が5日以上の場合等は、先に述べた一般職員同様に扱わなければなりませんので、8割出勤を満たせば入社6か月後から取得が義務づけられることになります。

 ただし、最低5日は使用者は年次有給休暇を取らせなければならないということから、従来からの「労働者自らの申出・取得」(①)、さらには、事業所によっては労使協定を締結して計画的に年休を取得するという「計画年休」(②)を労働者が取得していれば、その取得分は、使用者に義務づけられた年休5日からは差し引かれるのです。(5日-①-②)

 さて、使用者からの年休の取らせ方ですが、労働者からの意見を聞いてその労働者の希望に沿った形で行うよう法律の明文で書かれています。これは努力義務ですが、使用者も労働者の取りやすい、取得しやすい時季に与えなさいということでしょう。そこで、ここで、従業員10人未満という小規模の事業所を前提に話をしています。こういう事業所であれば、だれがどれぐらいの年休を取っているか把握するのは容易でしょう。そこで、半年経過した頃に、だれがどのくらい年休を取っているか(上記「労働者自らの申出・取得」①、「計画年休」②)をチェックして、労働者と話し合いの上、必ず休む日を決めて使用者が休ませるようにするのではどうでしょうか。中には、傾向として全く年休を取らない人もいるかも知れません。そういう人には、社長は初めから年間計画で、事業の動きを勘案しながら、頭書において労働者の年休時季を決めていく必要もあると考えます。また、事業の動きが年間である程度見通せるようであれば、全員に、年間計画の中で休んでもらうことも当然あり得ます。

 厚生労働省からのパンフレット(*2)で、小規模の事業所でも、実務上、これは使えると思ったのは、年休が最初に取得する権利が生じるのは、例えば入社日が4月12日の場合は6か月後の10月12日、また入社日が5月25日の場合は6か月後の11月25日ですが、この後の1年間の間に5日の年休取得期間になるわけですが、これでは取得期間がバラバラになり面倒なので、その月の1日に入社したことにして、4月12日入社にしても5月25日入社にしても、それぞれ4月1日、5月1日に入社したことにして、それぞれ10月1日~翌年9月30日、11月1日~翌年の10月31日を年休取得義務期間とすれば、複雑にならなくて、うまく年休の整理ができそうです。

 前提が10人未満の従業員の事業所というで就業規則を作っていない事業所(*3)であれば、この使用者の義務である年休の記載事項はもともとないわけですが、年次有給休暇の管理簿は必要です。(必要記載事項あり、3年間の保存義務、) この管理簿の様式は任意ですが、厚生省パンフレット(*2)や各地の労働局等で様式例がありますので、そちらを参考にしてください。従来からの年休申請書等既存のものでも、必要な所定の記載事項を入れるか、すでに入っているのであれば、それを利用しても良いと思われます。

 最後に、小規模事業所において、年休を5日必ず取得させるというのは、大変なことかもしれません。従業員9人の事業所において、それぞれ5日の年休を取得させたとして、9人×5日=45人日の働き分がなくなっていくことになります。しかし、法律に記載された以上、過重労働の削減から、職場の効率化を目指して頑張っていきましょう。

(*1)正確には、安衛法に「労働時間の把握」の確保の義務が法律の条文としてとして記載された。裁量労働制など今まで労働時間の把握が不明確のところも、法的に全労働者に健康管理の面からの把握が義務づけられた。
(*2)年5日の年次有給休暇の確実な取得ー分かりやすい解説(厚労省・労働局・労働基準監督署)
(*3)もしも就業規則を作成しているのであれば、「休暇」は就業規則の記載事項なので、変更が必要です。
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