元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

徳川家康のがまん強さは幼少の人質の頃に培われたのか?!継続した組織・安定政権の源!!

2017-10-29 04:18:43 | 社会保険労務士
 社長・上司に諫言(かんげん=人をいさめること)することの難しさ=徳川家康の残した言葉

  NHK大河ドラマ「女城主 直虎」<2017年>に出てくる徳川家康(「阿部 サダヲ」扮する)は、初めは部下を完全に統率できない人物に映るが、そのうち彼本来のしぶとさを持つ武将に変身していく。そのがまん強さは、今川家や織田家の人質として過ごしてきた幼少時代に培われたものであろう。人質ゆえに、良い意味で、人を見抜く力やその先を読む力、悪く言えば屈折した心理は、そこから生まれたものであろう。それゆえに、後世のことまで考えて、組織づくりを怠らなかった彼の予見力は、徳川15代260年の安定し継続した政権を可能にした。

 徳川家康は、次のようなことを言っている。(戦国名将一日一言 童門冬二著P266)

 主人に諫言するのは、戦場で一番槍をすることよりも難しい。なぜなら、諫言した者がこんなことを言って、主人は気を悪くしなかっただろうか、と疑心暗鬼になる。
 そうなると翌日から主人と顔を合せても、いままでのようにはいかない。主人の方も気にする。あいつはああいうことを言ったので、俺に疑われているのではないかと思っている。ということは、あいつの意見は必ずしも本当のことではなく、なにかやましいことがあるのだろう。互いにこういうことを考え始めると、2人の関係はやがてギクシャクしてしまう。
 諫言した者は、勤めが憂鬱になり、休みがちになる。主人の方も、そんなうっとうしい顔は見たくはないから、場合によっては異動させてしまう。そうなると諫言した者は後悔する。あの時、あんなことを言わなければよかったと思う。主人の方も、あいつの諫言は嘘だったと思うようになる。こうして2人の関係は完全に崩れてしまう。だから、諫言は一番槍よりも難しい。


 徳川家康なりの現実の「人間関係論」に基づく組織の具体的考察(洞察力か)である。何となく明るい「人たらし」の技量をもった秀吉とはまた違っている。
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ハーズバーグ動機づけ・衛生理論⇒給料低すぎは職場不満になるが高いだけは職員定着につながらない

2017-10-22 18:22:01 | 社会保険労務士
 マズロー5段階説とハーズバーグの衛生要因<達成感、賞賛・承認、仕事そのもの、成長と向上>
 人間は、常に何かを求めている(欲求)いるのであって、ある欲求が満たされると、別のより高度の欲求が出てきて、段階的に次ぎ次に欲求が出てくるという。これを、マズローの5段階説というが、段階的には、①生理的欲求(食べたい、眠りたい等) ②安全の欲求 ③所属と愛の欲求(会社家族など組織への所属欲求等) ④承認の欲求(他人から認められたい) ⑤自己実現の欲求(最終の人としての願望)であって、①が満たされて②③と上がっていき、最後が⑤である。

 給与が少ないとして結婚もできないというのは、まさに生理的欲求が満たされておらず、①の段階も満たされていない段階であって⑤の自己実現は到底望めない。しかし、いっぱい給料をもらっている人は、給料的には十分満たされており、職場には十分満足しているといえるのか。

 ところが、ハーズバーグは、給料は、不満足要因(それが不十分だと意欲は低下する)とはなれ、十分満たされていても満足要因(十分だと意欲が高まる)とは限らないとした。彼は、給与の他、昇進、上役・部下・同僚との対人関係、責任権限、仕事そのものなどがどのような影響を与えるかを聞き取り面接を行い500例程を集めた。その結果、給料不足等職務不満を導く要因と他の職務満足を導く要因がそれぞれ別のものであることが判明した。不満要因であってその不満要因を十分にやっても、職務そのものには満足しない、すなわち仕事のモチベーションは上がらないという。別の満足する「要因」を与えなければ、職場に満足しないという。

 では、その満足要因とは、どんなものがあるのか。達成感、賞賛・承認、仕事そのもの、成長と向上である。これがなければ、仕事のモチベーションは上がらないのである。一方、不満足要因としては、賃金、労働条件、人間関係、作業条件、監督され方であるというので、これが十分にあっても「不満足」とはなっても職場に対する満足要因とはならないのである。

 ここで不満足要因と言ってきたが、ハーズバーグは「衛生要因」と呼び、これは予防的であり環境的であるという意味であって、職場に当てはめると、これは従業員の生産能力を増大させることはなく、生産制限などのよる従業員の業績の低下を予防するにすぎないということから来ている。これに対して、満足要因とは、これが不十分であるからと言って、極端に意欲が低下するわけではないが、十分であれば意欲が高まることから、「動機づけ要因」と呼んだ。(「衛生要因」とは、私としてはしっくりこなかったが、そういう意味であると理解すれば、納得。)

 先のマズローの5段階説の①生理的欲求 ②安全の欲求 ③所属と愛の欲求 (④承認の欲求の一部も含まれる。)は、ハーズバーグに言わせれば、「衛生要因」である。あくまでも、仕事に対する意欲そのものにはつながらないが、仕事に対する不満足にはつながるということである。

 最初に話した結婚も出来ないほどの給与の少なさと言うのは、意欲の低下につながるので、相当の給与を支給しなければならないが、それだけでは、職場に従業員が定着するのは無理で、仕事に対する達成感、承認・賞賛、仕事そのものの面白さがなければ長く務める要因とはならない。成長と向上も「動機づけ要因」であるから、キャリアパス(組織内昇進・昇格の道筋の整備)を作るのも従業員が長く務めることにつながる。

 参考 監督者の研修 人事院事務総局編
    介護職員キャリアパス構築・運用マニュアル 日本ヘルスケア編 日経BP社発行    
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働き方の考え方もいろいろ!事業所の「基本理念」の職員への浸透度は?

2017-10-14 17:25:12 | 社会保険労務士
 労働者=働き手に何のために仕事をしているか<目的設定>を自然に知ってもらうことが重要

 介護職員のキャリヤパス(*注1)の作り方に関する本(*注2)のコラムの中で、非常に興味を引いた部分がありましたので、著者には申し訳ないがこの中から、1部分そっくりそのまま引用します。
 (申し開きをすれば、この本はキャリアパス構築に関する本ですが、その中でコラムとして書かれてあるもので、皆に是非知っておいてもらいたいと考え、あえて一部を引用します。本の販売の支障にはならないと思います。)

 3人の労働者がビルの建設現場で働いていると、通行人が近づいてきました。最初の労働者は汚れて汗まみれで、仏頂面をしていました。通行人が「あなたは何をしているのですか」と尋ねると、労働者は「レンガを積んでいるんでさあ」と答えました。2番目の労働者も汚れて汗まみれで、同じように仏頂面をしていました。通行人が「何をしているのですか」と尋ねると、2番目の労働者は「時給2ドルで働いているんでさあ」と答えました。
 3番目の労働者も、やはり汚れて汗まみれでしたが、希望に燃えた生き生きとした表情をしていました。一生懸命働いている点はほかの2人と同じなのに、この人は仕事を楽々と片づけているように見えました。通行人は3番目の労働者に「何をしているのですか」と尋ねました。すると彼は「大聖堂を立てているんでさあ」と答えました。(以上、「ザ・ビジョン進むべき道はみえているか」ケン・ブランチャード・ジェシー・ストナー著、ダイヤモンド社、2004年版からの引用)
 おむつ交換は、作業としては使用後のおむつを新しいものに取り替えることにほかならない。しかし、それを単なる作業と捉えるか、「ご利用者のかけがえのない人生を、最後の瞬間まで快適に過ごしていただく」ための取り組みと捉えるかで、仕事中の表情が変わってくる。それは、モチベーションが異なるからだ。結果、サービスの質まで差が現れても不思議ではない。単に(介護事業所の)立派な理念を掲げておくだけではなく、職員が自然とこうした思いになるように、現場で生かすことが大切だ。

 
 いかがでしょうか。これ以上自分としてはコメントは致しません。ただ、お前がそんな感じで人生を送ってきたかと問われると、私は少なくともイエスとは答えられない自分がいます。

 一方、会社と言う大きな観点から言えば、企業の不祥事もここから起こってくるように思えるのです。

 ☆ ただ今、神戸製鋼のデータ改ざんの話が出てきています。最近、こうも企業の不祥事が次々に出てくるとは・・・日本の企業の神髄である「正直」「誠実」はどこへいったのか?確かな「目的」を見失っているのではないか。戦後間もない、昔の「ソーシャルダンピング」の時代に逆戻りしたのでしょうか。(H29.10.14記述)

 *注1 職務経歴上の道筋のこと=例えば一般職員から係長、課長、部長等管理監督者までの職務をこの階層ごとに整理して、さらには給与額に対応したもの
 *注2 介護職員キャリアパス構築・運用マニュアル 日本ヘルスケア編 日経BP社発行 p101 <コラムとして ”「基本理念」についての理解が深まる2冊”からのうちの一冊の部分である。>
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研修方法としてのSDS(Self Development System)とは

2017-10-06 18:19:47 | 社会保険労務士
 「自己啓発援助制度」=自己啓発を職場として認知して経済的に時間的に支援等を行うこと/OJT・OFF-JTの次の第3の方法として
 研修の実施方法としては、良く知られているものとして、OJT(on the job training) OFF-JT(off the job training) がよく知られている。OJTは上司・先輩が、職務を通じて、部下を育成指導していく方法であるので、細かな内容まで指導できるし、特別の費用も掛からず、理解を確認しながら繰り返し行うことができる。しかし、指導者によって教え方がばらつきがあり、いわゆる良い指導者といい加減な指導者というものが出てきて、部下は上司の教え方次第ということに左右される。一方OFF-JTは、集合研修で同じ内容について習うことになるという利点はあるが、仕事はその時間は当然できないことになる。
 
 OJT、OFFーJTに対して、SDS(Self Development System)というのがある。
 
 私が研修センターで講師をしていたときは、研修センターでのOFF-JTを行った後で、是非とも「自己研修(啓発)」とお願いしていたに過ぎなかった。この「自己研修(啓発)」は特に本人がその時にできなかった所をやるか、これに啓発されて勉強したい所などについて「自己啓発」をするかどうかは、本人次第ということになる。あくまでも、本人がかってに(=この言葉が正しいのかわからないが・・)自己的に研修を行うということが「自己研修(啓発)」である

 それに対して、このSDS(Self Development System)というのは、英語の最後にSYSTEMがついており、「自己啓発援助制度」と訳されるが、「職場内外の自主的な自己啓発活動を職場で認知し、経済的・時間的な援助や施設の提供を行うもの」とある。。要するに、自主的な「自己啓発」である研修に対して、それを職場として認めてやり、なんらかの支援・援助を行うことである。こういったSDSは、介護職員研修でよく見られるようだ。介護職員は、人手不足で深刻で、一人でも欠けると交代が難しいので、集合研修がなかなか難しいことから、結局、学ぶ時間が本人が自由に時間が取れるSDSしか方法がないというわけではないか。ただ、本人のやる気の問題が大きく影響する。しかし、この「自己啓発援助制度」SDSとは、本人次第というのは先に私が挙げた「自己啓発」と変わらないが、職場で認知してもらい支援してもらう点で大きく違うのである。

 具体的には、職場での専門誌の定期購読・専門書の購入、個人が受講の通信講座の一部負担、資格試験の受講料・試験会場までの受験費用の負担(ここで言わせてもらえば、どの受験に限ったことではないが宮崎市・県では受験会場にならないことが多く、他の県に出かけていかなければならないという不便さがある。費用と時間の面で2重のロスである。どうにかならないか。)自主的な勉強会のための場所・施設の提供などがある。
 例えば、介護福祉士の受験合格者には、通信講座の一部の費用負担の補助率を高くする等、介護福祉士合格者への手厚い負担としても、職場への介護報酬の額が高くなる傾向があることから、良いのではないか。

なお、就業規則や研修規定の中で、事業者がSDSへ(一部)負担することを、前もって文書化することが必要である。そうでないと・・・
   ・時間外の自主勉強会をサービス残業のようにみられる。(あくまでも会社の強制的ではなく、職員の自主的な集まりであることが重要。)
   ・事業者の費用負担が税務署から職員にとっての所得とみなされることも考えられる。
   そうならないためには、就業規則等でちゃんと研修の一環であることを規定しておき周知を図ることが必要なのである。


 参考:介護職員キャリアパス構築・運用マニュアル (日経ヘルスケア編) 日経BP社
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