元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

メンタルヘルスマネジメントとは?(その15)<アサーションの2、相手も大切が基本>

2012-03-29 05:05:32 | 社会保険労務士
アサーションの具体例~「私もOK、あなたもOK」

 自分の気持ちをサラリと伝えることができれば、なんと気持ちいいか分かりません。ここには、相手の気持ちをおもんばっかてはっきり言えない自分がいます。「私もOK、あなたもOK」よいうメッセージを与え、自分と相手も大切にしながら、自分の気持ちや意見を表現することをアサーティブといいます。(前回の趣旨)

 これに対して、森田汐生氏は、「言いづらいことがサラリといえる本」の中で、うまく表現できないことを「ウルウル」な自分という表現をしていますが、こいういった自分が出てきたら、自分の気持ちを「実況中継する」ことだといいます。また、相手の心に自分の気持ちが伝わるのは、自分の気持ちを素直に話したときであるとも言い、次のような例を紹介しています。

 看護婦のFさんは、10年働くベテランです。後輩のGさんは一生懸命なのですが、自分の判断でパッパッと動いてしまい、周りに迷惑をかけています。以下、この本からの一部をそのまま紹介します。

 普段のFさんであれば、一方的にGさんを叱ってしまいます。
 Gさんも怒られたと感じ、体を硬くしてしまいます。
 そこでFさんは自分の気持ちを素直に話してみることにしました。
 「ねえ、Gさん。あなたが自分の持ち場を離れることで、私たちはとても心配しているの。どんなふうに言えばいいのかわからなくて、これまで悩んでいたのよ」
 こう話すことで、Gさんはオヤッツという顔をしました。
 「Gさんが一生懸命に仕事をしようとしていることは知っているし、これからも期待しているわ。でもね、自分の判断で飛び出していかれると、患者さんのことも心配になるし、不安になるの。分かってくれるかしら」
 Fさんの話を、Gさんは素直に受け止めました。
 「自分でやろうと思うときは、まず相談してね。とても大事なことなの。どう判断するかは一緒に考えましょう。あなたには持ち場で踏ん張ってほしいの。よろしく頼むわね」
 相手に「行動を変えてほしい」と頼むとき、行動そのものを指摘すると相手は身構えてしまいます。
 こんなとき、自分の感じ方を伝えたほうが相手の心に届きます。これが自分の側の50%の責任です。
 あなたの気持ちを知って初めて相手も考え出します。行動を決めるのは相手次第。あとは相手の責任です。
 コミュニケーションはフィフティフィフティ。そこから始めましょう。(以上)

 最終的には、あいての行動を変えることですから、相手の行動が変わらなければ、どうにもならないのです。こんな言動ができるような自分に、一歩でも近づきたいものです。



 
 引用文献:森田汐生著 言いたいことが「サラリ」と言える本 PHP文庫


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メンタルヘルスマネジメントとは?(その15)<自分の気持ちを相手に素直に伝えるアサーション>

2012-03-26 03:25:47 | 社会保険労務士
 人間関係のしんどさは、自分の気持ちを相手に伝えられないことから来る!

 また、私自身のことを言って、恐縮ですが、自分の気持ちを素直に相手に伝えられたら、どんなに気持ちいいかと思うことがあります。「いやなことはいや」「人の期待に沿うように行動する自分」にいやになるようなことがありませんか。「自分の人生は自分のもの。自分が主人公」というような生き方が出来たらよほど、人間関係のしんどさがなくなると思いませんか。

 逆に「管理監督者」のありがちな自己表現としては、自己主張が強すぎて相手を押し込んでしまうことが多いといわれていますが、私みたいな自己主張のない者が、こうしてほしいというもともと自分の気持ちを正直に出すことがうまくない自分が、中間管理職になった場合に、中間管理監督者の役割上、今度は相手の気持ちに鈍感にならざるを得ないでというか、感じていても無視してしまい、上からの命令をうまく伝えられずに、結局、そっくりそのまま部下に伝え、部下からも、強すぎる上司とみられてしまう。その自分が「分裂した状態」になってしまい、なんか割り切れない気持ちになる。

 自分の気持ちを大事にして、自分の感じることを、考えを、正直に素直に表現する、これをアサーションといいますが、この訓練手法を取り入れられればいいですよね。このことばが、もともと外国語なのが不思議です。日本人に受け入れられる主張だと思いますが、日本には、こういった自己主張する風潮がまだ希薄だったのかも知れません。

 正確にいうと、アサーションとは、自己否定的な認知のため、自己表現がうまくできない人や、逆に自己主張が強すぎて相手を押し込んでしまう言動をする人へ行う、自分も相手も大切にする自己訓練のことを言います。「私もOK、あなたもOK」というメッセージで、自分と相手を大切にしながら、自分の気持ちや意見を表現することです。

 しかし、言うは易く、行うは難し。相手の気持ちを考えすぎて、回りくどい表現になってしまう、言ったつもりが相手に全然伝わっていなかったということはよくあることです。これには、具体的にどうしてもらいたいのか、なにをどうすればいいのか整理して伝えることだといいます。「もっと仕事をしっかりやってね」ではなく、「レポートは期限を守って提出してほしいの」と明確に伝えることです。言葉にして、具体的に、素直に話すことです。

 アサーションの表現方法として、次のようなことが挙げられています。
 1、自分の正直な気持ちに気づく。
 2、周囲の状況や相手を客観的に観察する。
 3、自分の要求や希望を明確に表現する。
 4、言葉以外のメッセージも活用する。

 これが出来たら、ほんとに人生楽しいのではないでしょうか。これが出来ないので悩んでいるのにという声が自分からも聞こえてきますが、できるだけそういう自分に近づけたらという自戒をこめて、書かせていただきました。

  参考・引用
    言いたいことがサラリと言える本 森田汐生著 PHP文庫
    メンタルヘルスマネジメント2種公式テキスト(大阪商議所)他
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メンタルヘルスマネジメントとは?(その14)<睡眠厚労省指針、メンタルヘルスマネジメント検定試験>

2012-03-22 05:10:14 | 社会保険労務士
 睡眠の厚労省指針につき、メンタルヘルスマネジメント検定試験(大阪商議所)の解説を交えて

 「健康づくりのための睡眠指針」が厚生労働省から出されているのは、前にも書きましたが、これは、「メンタルヘルスマネジメント検定試験2種(第12回 3月4日実施)」の問題にも出題されている。
 最も不適切なものを1つだけ選べというものであるが、その選択肢として、
 1、年齢を重ねると睡眠時間はふつう短くなる。
 2、「睡眠薬代わりの寝酒」は、睡眠の質を良くする
 3、自然に眠たくなってから寝床につく。
 4、夕方以降の午睡は夜の睡眠に悪影響を及ぼす。
 があるが、正解は、3の選択肢である。

 これを、正しい選択肢に言い換えると、、<「睡眠薬代わりの寝酒」は、睡眠の質を悪くする。>である。私の場合は、勤めていた頃、残業して深夜を過ぎて帰宅、なかなか寝付けなくて、よく焼酎をがぶ飲みしてて寝たこともあった。これは、確かに体に悪い。だが、結局のところ寝るために、酒をあおっていたものである。皆んなの中には、飲むとすぐに寝つけるので、睡眠の質が悪くなることを知らずに飲んでいる人もあるようである。しかし、そういうことを幾度かするうちに、私としては経験的に睡眠の質が悪いだろうなあと思うことがあった。というのは、睡眠が浅くなり、睡眠時間が短くなり早めに起きてしまうようである。ぐっすり寝た感じで短時間睡眠であればいいのだが、どうも目覚めが悪い。であるからして、経験的に、睡眠の質が悪くなるのは分かったものである。

 あとの1、3、4については、正しい答え=間違っていない選択肢となっている。

 まず、1について、年を取ってくると、これは痛切に感じる。昔は、私は8時間睡眠の実践者であったが、最近では短くなり6時間以下になっているところである。
 
 については、言わずもがなで、私の場合、これは実践しているというより、眠たくなるのが早くなっているというべきである。

 選択肢の4については、年を取ってくると、夕方以降には体が疲労してしまって、やむなく夕方に寝てしまうことがある。これは、経験からいうと、アルコールを飲むのと同様に、睡眠が浅くなり、睡眠時間も短くなるようであるので、これまた睡眠の質が悪くなり、次の日以降の悪循環に陥ってしまうようである。

 なお、メンタルヘルスマネジメント検定試験2種(第12回)の問題から「睡眠」について考えてもらったが、検定試験の勉強法について言えば、この試験は、2~3割は、教科書で知識を確認しておけば、簡単に解ける問題も多い。あとは、「暗記」ではなく教科書を「理解」すれば、7割で合格になるのであるから、教科書をよく読んでおけば、よく理解しておけば、合格レベルに達すると思われるところである。ただし、いわゆる難問や暗記問題、法律問題もあって、この勉強法では、満点を取ろうとするとそうはいかないが、合格点(合格レベル)を取るためだったら、そう難しくはないと思われるので、我ぞと思われる方は挑戦されたらいい。

 挑戦される方は、効率的な勉強法として、過去問でどんな問題が出ているかを調べることと(12回の実績になっているので、相当の問題数はあるが、まだ全て問題個所として出尽くしたという感じではないので、どんな感じで主題されるのかの参考になる。ただし、過去問の練り直し問題を含めると、5割は取れると思われる。合格レベルまでは、あと2割を埋めればよい。)とその傾向を把握してから、教科書を「理解」していくことに尽きると思われる。

「メンタルヘルスマネジメント2種・12回の解答の総括ページ」へ




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メンタルヘルスマネジメントとは?<こころのゆがみを修正>

2012-03-19 05:32:36 | 社会保険労務士
 認知的アプローチ=「こころのくせ」を知り柔軟なものに変えていく。

 、結構心理学に興味があって、ときどきその方面の本を買って読んでいましたし、あるとき本当にうつ病の一歩手前まで行きましたけど、それらの知識のおかげで、病名が付けられる前に直すことができたような気がします。

 そのとき、自分が使ったアプローチではないのですが、メンタルヘルスマネジメントの教科書で出てくる「認知的アプローチ」は、これはいいような気がしましたので、紹介します。

 認知療法は、性格は変えられないけど、その人特有の物事の捉え方(認知のパターン)を変えていこうというものです。自分の「心のくせ」を変えて、より柔軟性のあるものに変化させていくことで、ストレスに対処しようという方法です。例えば、いつもネガティブな考えをしている人は、ゆううつな気分になやまれるようになりますので、その認知のパターン、いうならば「心のくせ」を変えることにより、感情のコントロールをうまくできないかということなのです。

 ひとは不安になったり、いらいらしたときなど、自然になんらかの考えやイメージが頭に浮かんできますが、この自然に浮かぶ考えやイメージを自動思考といいます。例えば、大事な顧客に契約の不備を指摘されたときに、客に見放されてしまうという恐れを生じてしまう人と、いや、致命的なミスだったわけではないので、今後の交渉に生かすいくという人もいます。

 この自動思考は、自分の考えの中に染み付いてしまっているので、普段は認識されずにいます。これを、認識するためには、そのうかんだ考えを意識的するように努力して、できればその場でメモにして、後から時間があるときに、まとめてみます。そして、この自動思考にどんな「こころのくせ」「こころのゆがみ」があるのかを分析します。

 次にような認知のゆがみのパターンがあるとされています。
 1、全か無かの思考 2、一般化しすぎ 3、心のフィルター 4マイナス化思考 5、結論の飛躍 6、誇大視と過小評価 7、感情的決めつけ 8、すべき思考 9、レッテル貼り 10、自己関連づけ、
 という、「10のパターン」となっていますが、いずれも「極端な考え」が挙げられているようです。例えば、父親はこうでなければならないといったことです。私の場合は、心の底に、悪い何かが起きると「他人にせい」にするという幼児性が垣間見られますが、これはどこに入るのでしょう。このゆがみのパターン公式を手もとに置いて、自分の認識のゆがみを知るのです。

 そして、ゆがみが分かったら、第3者的な点から他の合理的な考え方がないか検討を行うというものです。一歩退いてみると、自分のその考えが偏っていることに気がつくはずです。そのことにより、柔軟な考え方を身に着けようとするものです。前の例の契約の不備を指摘されたときの、前者(客に見放されおしまい)から後者(合理的に、未来につなげる)へ考え方を変えればいいのです。

 この認知療法は、自動思考は、その人の心の根底に存在する「個人的確信」(スキーマ)からでてくるものといわれていますが、その人の背景にあるルール、信念みたいなもので、たとえば「私は絶対に父親として、あるいは母親として失格」といったものから派生するといわれています。そういわれてみると、この理論、納得できるというか、しっくりくるなあと思いませんか。


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メンタルヘルスマネジメントとは?(その12)<過重労働による自殺の責任>

2012-03-15 07:22:13 | 社会保険労務士
   「安全配慮義務」による責任!!<「自殺対策強調月間」に思う>

 3月は、例年、自殺者数のもっとも多い月となっており、「自殺対策強化月間」になっています。今、宮崎県県立図書館のフロアーにて、コーナーを設けてゲートキーパーのビデオ放映とパネル展示等を行っています。自殺者は、1998年以来、ずっと3万人を超え、昨年でも、3万513人で、3万人超が連続で14年になっています。「自殺実態白書」によると、自殺者の理由では、平均で4つ以上あるという統計が出ており、その理由は、複雑に絡み合って1つの要因だけではないこととになりますが、裁判になると、その理由の一つに「仕事」があると、より企業側の責任が問われる可能性があることが指摘されています。

 まず、企業側の責任がある、なしに関わらず、法的に厳格なことは抜きに、簡単にいえば、その自殺が業務上に関連するものが原因ならば、労災保険法に基づいた保険給付として、遺族に遺族補償年金が支払われることになります。ただし、労働基準監督署の認定が必要になります。どんな場合かというと、例えば、長時間労働により、うつ状態になり、自殺した場合などです。私が直接かかわったものではありませんが、こういった案件に関係したことがあることからいえば、そんなに稀なケースではなく、どこでも起こり得る案件だといえます。

 労災の遺族補償年金額は、平均賃金を基礎にその一定率を掛けた額にとどまるため、その死亡した従業員の将来稼ぐであろう生涯賃金(「逸失利益」という)には及ばないので、労災が認められれば、企業に過失が認められることが前提にはなりますが、実務的には、従業員側から、後述の「安全配慮義務」違反に基ずく損害賠償請求が出されることが多くなることになります。その場合には、「逸失利益」に基づく多額の企業の負担が求められることになります。平成12年の最高裁判所の「電通事件」では、過重労働でうつ病になり、自殺に追い込まれたとして、1億2600万円の損害賠償額の合意に至りました。

 このように、仕事が原因の自殺の場合は、企業に多大な負担をしいることになり、企業側としては、そのリスク管理に努めなければならないことになります。さらに、このため、企業自身はもちろんのこと、管理監督者は、部下の管理をしている以上、裁判の相手方には、管理監督者も対象になるということを踏まえていなければなりません。

 安全配慮義務は「業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して従業員の心身の健康を損なうことがないようの注意すること」であり、常日頃から、その従業員に接し、その健康状態を把握し、かつ、作業内容や作業量を調整しうる立場にある管理監督者の果たす役割は、重要であり、その責任を果たさなかった場合には、その責任を問われる立場にあるということなのでしょう。
 

 参考 メンタルヘルスマネジメント2種テキスト(大阪商議所)
    宮崎県立図書館掲示の「自殺対策強調月間」のパネル等


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