元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

黒田官兵衛の息子=長政が、名君だったのは、人の機微に長けていたから

2014-02-21 10:21:00 | 社会保険労務士
 組織の中の「匿名感」ではなく「役」を与えると人は誰でも戦力になる。<黒田長政の言から>

 黒田官兵衛が、「人」をよく見たからこその「知略の天才」であって、秀吉死後も天下を取るのではと恐れられたところであるが、天下を取れぬとみるや、平和の中での「黒田家」の存続にその最後の知力を尽くしたようだ。息子の長政の教育にその全力をそそぎ、それに応えた長政は、屈指の名君との評価があった。

 
 その長政が、次のようなことを述べている。

 
 実際の戦いで、働きぶりの良いと思われる者で編成されたグループとそうでないグループ、そしてどちらでもない普通のグループに分けて戦わせたところ、働きぶりの良くなかったグループの中から、とびぬけた働きをする者が現れたというのである。また、働きぶりの良いと思われた者の中から、臆病者が現れたというのである。

 これは、長政のような名君であっても、人の評価や役を与えるのには、苦労したことを意味すると思われるのである。

 これは、また、アリの集団の2割が働かないというのに、良く似ている。これもまた、働かないアリ、そして働くアリ同志にしておくと、その中から、逆に働くアリ、または働かないアリが出てくるのと似ている。

 客観的にアリの社会に似ていると言ったが、実際、自分もそうだが、職場で皆で働いている頃を思い出すと「なるほどと」納得できるのではないかと思われる。思うに、人間関係、仕事の量・質、自分への評価等等いろんな要素が働きぶりに影響する。自分は、いつも積極的に働いているつもりであるが、これらの要素が微妙に働く。例えば、上司の好き嫌い、同僚との一致団結力、人事部門の自分への評価など、そして、その組織の中で、「自分が」ではなく「匿名感」を感じると、そんなに積極的に働かなくてもという考えにもなる。

 逆説的に言うと、管理監督者に伝えたいことは、「役が人を育てる」ということである。怠け者と思われる者の中でも、責任を持ってやらせると逸材を発見することもあるのではないか。部下の中には、一度もそのような機会を与えてもらえない者がいるのではないでしょうか。
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大勢の中の一人は、自分だけがんばらなくてもという「匿名感」を生む!!

2014-02-13 18:17:18 | 社会保険労務士
 集団の中のアリは2割は働くなる。匿名感が手抜きを生む!!<長宗我部元親のエピソードから>

 アリの社会において、2割に働かないアリがいるというが、その働かないアリだけにすると働くアリが現れ、また、その働くアリだけにすると必ずその中から、働かないアリがでるという。
これは、アリに聞いてみないと本当のところは分からないだろうが、ヒトの組織においても、私が働かないからといって、誰かがやってくれるだろうとの意思が働くので、同じようなことが起きると言われている。

 
 渋谷昌三氏は、「仕事に役立つ心理学」(三笠書房) の中で、「大勢の中の一人」という気持ちが手抜きを生むとして、次のように述べている。

 
 四国を制覇した長宗我部元親は、日頃から、家臣の仕事と労苦に敬意を払う旨を信条としていた。
 軍勢が出陣するとき、元親は出征する兵士一人ひとりに、「武者ぶりお見事」「あっぱれなる働きのほど念じ申す」などと、言葉をかけ続けた。最後の一人が通り過ぎるまで、立ち通して、ねぎらったそうだ。
 大勢で一つの仕事をするときには、「自分だけ、頑張る必要はない」(社会的手抜き現象と呼ぶ)と考える人が多くなり、責任の分散が生じてしまう。
 大軍勢の中の一人として出征する兵士には、「自分は大勢の中の一人にすぎないのだから」との匿名感がある。匿名感には、社会的手抜きを生み、責任の分散を促す働きがある。
 一人ひとりに「君の働きに期待している」と語りかける元親の言動は、兵士たちから匿名感を払しょくする効果があったはずだ。
 「自分は元親から期待されている」と実感した兵士は、「元親にために」戦場で手抜きすることなく、力いっぱい働いたに違いない。
 上司であっても、「自分は大組織のなかの一人にすぎない」と思うと、社会的手抜きが生まれる。「部下にとって、あるいは、会社にとって必要な上司なんだ」という実感が社会的手抜きを抑える。
 そのためには、日頃から、部下への「言葉かけ」を行い、まず部下の匿名感を払しょくして、上司・部下の個人的な関係を築いておく必要がある。「この上司のために・・・」という部下の気持ちが感じ取れたら、社会的手抜きはできなくなるはずだ。


 このように、一人ひとりの重要性が感じられれば、部下は十分に働く必要性を見出すはずである。
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黒田官兵衛の軍師の源は、人を見る目!!

2014-02-07 20:18:48 | 社会保険労務士
 黒田官兵衛は、策略の天才か??官兵衛をめぐる逸話!!

黒田官兵衛は、頭のよい、悪く言えば、謀略の智者みたいにとられているかもしれないが、彼は人の「心の機微」に通じる「人を見る目」を持った人物であるからこその作戦計画であったようだ。名将の智慧・勝負の智慧(河合正義編著)から、4つのエピソードを紹介します。

 <その1>
 光秀の謀反による、信長の「本能寺の変」の死を聞いたとき、秀吉は、備中高松城の水攻めの最中であった。世にいう秀吉の「中国の大返し」によって、「光秀の勝敗」を決したのは、まさか秀吉が短期間のうちに自分に向ってくるとは思っていなかった光秀自身の判断ミスにあるが、このとき当時の武将たちの想像もつかないような急進撃の一因は、秀吉の居城としていた姫路城(姫路は決戦場に向かう途中にあった。)に、軍勢をとどめなかった官兵衛の助言にある。(実際は軍の体制調整・情報収集のため2日ほど逗留したのであるが・・)いわく、「いったん家に戻れば手間取り、遅くなるのが人情であるので、姫路に立ち寄らないように。明智が塀を整えないうちに一気に主君の仇を打つべきである」と。彼のビジネスチャンスと捉えた場合は、果敢に攻めるという現代にも通じる兵法は、こういった人の「人情」を良くわかっていたからこそできたものである。もちろん、これが出来たのは、おふれを出して、行く先々で、炊き出し、たいまつをたかせたという用意周到の措置を取ったことにあるのは、言うまでもない。

 <その2>
 秀吉は光秀が籠城した勝竜城を包囲。このときも、「この城は京都に通じる要害であるので、光秀はここで決死の防戦をするでしょうから、力で抑えるのはよくない。本拠地の近江に通ずる道だけをあけて多くのかがり火を炊いて脅かせば、おそれをなして兵の多くは逃げ出すでしょう。」と助言。そのとおり、深夜になって光秀は城を捨て、民の襲撃にあって失命した。『防御に回った相手は、常に不安にさらされ、求心力を失っている。とくにリーダーが明確な打開策を示さない時はそうだ。構成員の心は互いに離れ、リーダーからも遊離し、不安、不信に揺れている。如水はそうした人心の動きを的確に読んで見通し、献策したのだ』(名将の智慧勝負の知恵・河合正義編著の”解説”より引用)

 <その3>
 秀吉の朝鮮出兵は、こう着状態になり、しかも秀吉の病も重くなったので、朝鮮からの出兵を引き上げる際、誰をその大役を担うべく派遣するかが問題になった。というのも、その大役を果たすべく者こそ、時期的にも、秀吉亡き後、日本を掌握する者であるとして、見られていたからである。皆は、徳川家康を押したが、秀吉は石田光成に任命したため、皆は、あの光成に天下は行くのかと嘆いた。しかし、官兵衛だけは、これで日本は家康の天下になると言った。理由としては、光成の人間関係等(頭は切れるが人望がなかったと言われる)から、光成がこの役目を誇って、人の妬みを買うことになり、人望のある家康の下に従うことになると判断したのだ。
 『時代の形勢の推移、人々の心の動きの方向を鋭く観察し、各人物の性格、器量を曇りのない目で比較できなければならない』(上記同”解説”より引用)としている。リーダーは、このような先見の目がないといけないといわれいるが、彼の見方は、大多数がこうだと言っている中で、反対の意見を唱えるのも難しいところ、彼の信念を持っての、こうだと言い切る「先を見る目」には驚かされる。

 <その4>
 黒田官兵衛の下に家臣からお見舞いが寄せられ、500石取りが名酒一樽と張りこんだものがある中、2000石取りの者が手づくりの菜を束にして贈ってきた。皆はケチな方だと言いあったが、「身の丈をあったものとしなければならない。何となく真心が伝わってくる」といって、部下たちの評価をいましめた。

 参考 名将の智慧・勝負の智慧(河合正義編著)PHP研究所発行
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モンスター社員の対応策<退職前の有給休暇・慶弔休暇の取得>

2014-02-01 05:37:22 | 社会保険労務士
11月24日に退職表明、結局翌年2月10日退職の訳とは?

 「モンスター社員への対応策」(河西知一著)では、会社に忠誠を誓った昔の猛烈社員からは、考えられないような「モンスター社員」が登場する。世代の違いといったらそれまでであるが、社長からみたら、「会社のことを考えたら」そんなん当たり前と思うようなことが、常識として通用しないということであろうか。

 その一つの例として、「退職決定後に有給休暇の残日数を取得したい」というテーマが挙がっている。某アパレルメーカーの経理にいた女性は、11月24日に退職の意思を表明し、24日の有給休暇があるので、あとの日は有給休暇を取得したいという。会社の就業規則では、退社の日の14日前までに退社の届け出を出すようになっていましたが、規則の14日前という条件は十分満たしているという彼女の主張である。もともと前もっての退職の届け出は、引き継ぎ等のためにもうけられているものですが・・・これも就業規則にはそこまでは書かれていません。単に14日前の届け出しか書かれていません。

 彼女はこうして強引に有給休暇の取得を始めましたが、ここからがモンスター主役の本領発揮となります。結婚入籍をしたので、結婚休暇をくださいという。就業規則では、結婚休暇7日(有給)となっているが、もともとの休みである土日曜日や祭日の取り扱いについては、なんら触れられていません。「土日・祭日を含む連続7日間の結婚休暇を与える」としておけばよかったのですが、そこまで就業規則では規定していません。そこで、この土日祭日を除いた7日の結婚休暇を与えることになってしまい、この結婚休暇を入れると、結局年始年末の休暇にかかり、退職日はさらにずれて、翌年の1月13日になってしまいました。

 さらに、この会社では、毎年1月1日が翌年度の有給休暇の一斉付与日になっていました。彼女は、1月1日には、在籍していたのであるから、一斉付与を受ける権利があり、さらに20日分の有給休暇を取得したいと言い出したという。一斉付与日は会社ごとに任意というものの、有給休暇自体は法定ですので、この主張は通り、彼女の辞める日は、2月10日なってしまいました。11月24日に辞めるという意思表示をしましたが、辞めたのは翌年2月10日でして、この間の給与は、支払わざるを得なかったのです。

 モンスターペアレントならぬ、モンスター社員がいるというので、就業規則もそれに備えて、規定しなければならないということだろうか。結婚休暇にしても、「連続」の文字を入れるだけで違っていたかもしれないし、結婚休暇は、法定の休暇ではないので、会社の規定の仕方は任意ですので、退職が決定し有給休暇の長期精算中に併せて取得できない等の規定をしておけばよかったのかもしれません。

 さらに、「退職日の14日前」の届け出というのは、民法の契約解除の通告期限から来ています。せめて、引き継ぎを行うような条項を入れて、この期間を含めて「申し出る」(お願い)条項なりを作ったらいいのかもしれません。
 昔の円満退職というには死語。退職時には、会社に「よくしてもらった」という社員もいますが、中には「不満を持つ」社員もいます。このせちがらい世の中、モンスター社員でなくとも、不満を持つ社員は、最後の権利を主張しますので、それに備えて、就業規則等の規定をしておくべきということでしょうか。
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