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元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

NHKドラマ・しあわせは食べて寝て待て「ネガティブな言葉を発したら打ち消せ」(言葉は言霊)

2025-04-23 16:48:08 | 人間関係・心理学

 薬膳と団地住民の暖かさによって「ほっこりする」ドラマ 

  麦巻さとこは、医者から一生付き合わなければならない「膠原病」との病名を告げられ、もう無理はできないことから安い引っ越し先を探すが、その団地のオーナー・その同居人から「薬膳」の存在を知らされ、その団地住民の暖かさにふれながら、心身ともに健康を取り戻して、身近にある自分の幸せに気づくというストーリ。

 (あのころの自分)具合が悪いと、とことん落ちていった。「死にたい」・・・

 (今は)「なんてウソだけどね」とベットから起き上がる。 

 薬膳に触れなんとなく元気を取り戻したのだろうか。今では、「死にたい」というネガティブなことばを発した、その後から「なんてウソだけどね」という言葉が続くのだ。ネガティブなことばで自分の気持ちを整理して、そのあとで打ち消す。原作者の体験に基づいたのか、よいリカバリー能力(いや、技術かな)のように思う。

 心理カウンセリングでは、自分の気持ち・考えを言葉にすることが重要だという。心の中が整理され先に進む手がかりが生まれるという。そのために、カウンセラーは相手の心の整理を手伝うのだという。さとこは、自ら、今の自分を言葉にして、そして打ち消して見せたのだ。

 齋藤一人さんは、言葉は「言霊」というエネルギーを持ち、その使い方で運もついてくる(「ついてる」「ついてる」と言おう)といいます。愛ある言葉、人が嫌がる言葉を言わない、人の喜ぶ言葉を発しようと言います。さとこのように、ネガティブな言葉を発したら、そのときは、仕方ない、必ずそれを打ち消すことです。

 なお、第4話において、ネガティブ・ケイパビィリティということばが、編集者の青葉乙女から飛び出した。ネガティブ・ケイパビリティ(Negative capability)は、「答えのない状況に耐える能力」を指し、たとえば現在の不確実の中にあって、直面する問題がすぐには解答が出ない状況下でも、投げ出さずに解決法を模索していく能力のことのようだ。従来の解答をすぐに求める仕事の能力とは、別物のようだ。

 薬膳料理のレシピだけでなく、ところどころで思いがけないことば・ためになる話がちりばめられているのが、このドラマの特徴のようだ。心して見ていきたい。(第4話終了)

   ※原作は、好評の同名の漫画、作者:水凪トリ

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NHK夜ドラ・バニラな毎日・31回=助けが必要な時は借りればいい⇒自分を他人にいかに伝えるかもこの世の試練

2025-03-13 13:10:48 | 人間関係・心理学

 バイク事故・白井にまた試練、それを乗り越えて進む人生こそ、私たちの白井さん

 どうにか順調に再び店の経営が動き出した矢先、白井葵はバイクに引っ掛けられ、パティシエの命ともいうべき右手を負傷。一方佐渡谷真奈美はフランスの彼氏ヴィクトーと結婚するというので、白井はまだ十分に動けない右手を抱え結婚式のケーキを作ると言い出し、お菓子教室に通った生徒のみんなとやっとのことで、クリスマスツリーのような大きなケーキ(クロカンブッシュ)を作りあげる。でも、今までの白井だったら自分の手で作りあげていたのにという思いがある。車いすの助けをかりている生徒・結杏が言う。助けを借りていいではないですか。助けが必要な時は助けを借りればいい。白井さんは、ちゃんとそのための「マネジメント」をしてくれたと。白井が蓄積してきたお菓子つくりは、単なる技術だけでない、「技量」ともいうべきもの、どういうお菓子を作るかに始まって、どこでどういうふうに作っていくか というもの そしてそれを他人にどう伝えていくか というマネジメントまでを含めたものだと思う。単に右手を使って作りあげるお菓子作り以上のものだと考えられるのだ。

 私は一匹オオカミでやってきた。他人の力を借りずに一人で黙々と仕事をしてきた。またそれが会社で認められる方法だと信じてきた。人によっては、他人の力を借りながらうまく仕事をやれる人もいる。むしろ、今では、そういった人との共同歩調を取りながら動くことができるものの方が認められるのだと思う。技術的なことから言えば、それがマネジメントだと思うし、会社の中でうまく動いていけるもののようだ。そして、今、仕事一途でやってきた自分が、誰も自分の周りにはいなくなった。どうなってんだ、私の人生(退職後)。

 あの世では、他人が何を考えているか、たちどころにわかるという。しかし、この世では、それが分からず出来なくなって、他人との調整をうまくやりながら、その距離をうまく保っていくことが求められる。この世では、自分がどう考えているかを他人に分からせることは難しいが、分かってもらうことをやらなければ、うまく家庭や仕事場で動いていかないのも事実。それが、この世で自分たちに課せられた試練だという人もいる。社会、会社、家庭でどういうふうに自分を伝えながら生かせるかというのが、自分たちに課せられているというのだ。今回の白井さんのように、 他人の力を借りて菓子を作りあげるというのも大切な自分の活かし方なのだ。

 高齢者になっても、社会とのつながりを持つことは、認知症にならないための良い方法だという。人と話すことは、脳を活性化するという。私のように全く社会とのかかわりがなくなってしまうのは、ぼけるための条件が整いすぎている。高齢者の女性がよく2人で散歩をしているのも見かけるが、それだってボケないためには良い方法であろう。我々は、社会とのつながりを全くなくしてはいけないように出来ているようだ。(自分への反省)

 いずれにしても、自分がこの世の社会とのかかわりの中で、どう問題を解決しながら、魂を向上させていったのかが問われているといいます。あの世に行ったとき、神様の前で、こんなこともこんなこともあったけど、こんなことでうまくいって、今ここにいるんだと言える自分になりたいのです。それが、あなたをの魂を一段階上にあげてくれるのだ。

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NHK夜ドラ・バニラな毎日=「すっぱいブドウ」の合理化の限界⇒それらを全て受け入れること

2025-02-27 12:50:10 | 人間関係・心理学

 お菓子の香りに包まれような精神的に癒される夜ドラです!!

 白井葵は、パティシエの修行後、ようやく大阪で長年の夢だった洋菓子店を開いたが、経営はうまくいかずに、店を閉じることになった。そこに、謎の料理研究家、佐渡谷真奈美があらわれ、閉店したその厨房で「一人だけのお菓子教室」を開くので協力してほしいというのだ。それぞれに心に悩みを抱えた生徒たちが、何人か現れた後、居抜きで厨房を買取したいという人が現れ、佐渡谷は、それなら最後に、生徒は白井本人で材料などは自分が用意するから、もう一度お菓子教室をやろうということになったのだった。

 そして佐渡谷が作ったパウンドケーキを食べて、白井はつぶやく。「一流のお店にしたいと、最高の素材で最高のケーキを作りたい、要らないプライドばかり膨らんでいった。でも、この佐渡谷さんのケーキは、すごくシンプルなのに、こんなにも幸せな気持ちになれるってすごいなあ」と思った。佐渡谷が「また目標のために頑張るんでしょう。」というと、白井は「でも、私これからどうしたらいいんですかね。」といい、「あなたは大丈夫、私がいるから」と佐渡谷は応えた。

 経営はうまくいかず店を閉じることとなった白井。一時的に始めた一人のためのお菓子教室。そして、最後のお菓子教室で、佐渡谷が作ったケーキを食べて、自分が作って来たケーキは何だったのだろうと打ちのめされたのだった。

 「すっぱいブドウ」というイソップ童話はご存じだと思います。山路をきつねが歩いていると、いかにもおいそうなブドウが垂れ下がっていますが、ちょっと高いところにあるようです。飛びあがっても取れません。きつねは「あんなすっぱいブドウなんて」くやしまぎれにいって立ち去ります。これを心理学的には、酸っぱいブドウの「合理化」といいます。

 しかし、いくら合理化をしたところで、おいしそうなブドウはすっぱいブドウに変わるとは限りません。食べてみなければ、分からないからです。一流の店にしたい(最高の素材で最高のケーキ)と掲げた目標は、経営上ストップしてしまったのです。白井にとって、悔しさがつのります。なんぼ、心理的「合理化」をしようとしても、経営上ゆきずまったという事実は消えません。

 今は、それらすべてを受け入れて、できる限りやさしく、今の気持ちを包み込んでしまうこと そして、それが過去に囚われているあなたの気持ちをいやすことになるのです。

 この世に完全な間違いなんてないのです。なにが間違いだったかは、判断する時、場所、状況によって違い、なにが良かったのか何が悪かったかは、一概に言えないというのが本当の所です。あなたは、その時々に応じて、自分なりにその時のただしい判断をしたはずです。大切なのは、あなた自身がそれを認めてあげることです。過去にとらわれ、あのときはこうすべきだったといっても、そこからは何ら得られません。その時は、あなたにとってベストの選択をしたにちがいません。そのときの自分を認めて「受入れる」「受容」しかないのです。(「心の魔法」ゆうきゆう著・オーエス出版社から当段落は「引用」他は同趣旨)

 まずは、この自分を受け入れること、それができて初めて整理することができます。これからどうすべきか、次の段階の「再生」のポイント(私はまとめて見るので20回目しか見ていませんが・・)は、静(最初の生徒になった作詞家)が言う「お店に愛が足りなかった」のか、佐渡谷のケーキのように「目の前の人に喜んでもらえる菓子」のなのか、今までの「自分」を受け入れて初めて、今まで見えなかったものが見えてくるのです。何のためにお菓子をつくるのか見えてくるはずです。

 このドラマを見ていると、バニラなどのケーキの甘い香りが、常に漂っているような気にさせられるのが不思議、癒されます。佐渡谷の白井に対する「大丈夫、私がいる」というのも、カウンセラーの「受容」ですもんね。

   人生の終焉に向かいつつある私は、ここで人生の整理をしたいと思っています。考えれば考えるほど、思うとおりの人生ではありません。なにかやり残したとか、うまくいかずこうできなかったのかとか、悔やまれることは山々ですが、失った過去は取り戻せません。しかし、その時は一生懸命心血を注ぎ、生きてきました。その時、精神的に弱気な自分を含めて、できるだけのことをやってきたのも事実です、そうまるごと、その自分を認めてしまうしかありません。今の自分と過去に生きてきた自分を丸ごと受け入れること。そう思って、後期高齢者になる前に、ここで人生の第3四半期の決算をしておきます。 

 

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BSNHK・True Colors テーマがシンディ・ローパーの曲名に同じ=虹のような本当の自分(色)を取り戻せ

2025-02-24 17:20:29 | 人間関係・心理学

 自分の本当の色って虹のように美しい=本当の色を他人に見せるのを恐れるな(歌詞)

 音楽に疎い私は、このテーマソング「true colaors」がこのドラマのタイトルと同じだという認識はあったのですが、これが、シンディ・ローパーの名曲であることも知らずにいましたところ、物語の内容にひかれるうちに、この歌詞の内容にも通ずるものがあることが分かってきました。

 独特の色彩感覚で脚光をあびるファッションフォトグラファー立花海咲は、その頂点に立とうとしていた矢先に、難病の錐体ジストロフィを患い、その道に進むのが困難となった。その頃、音信不通としていた妹から結婚式に出てくれないかとの手紙が届き、母とも縁を切った因縁の故郷(熊本県天草)に足を踏み入れた。

 ファッションフォトグラファーを究めることが困難となった自分に絶望する海咲だったが、幼馴染の晶太郎の家に居候して、かたくなな自分の心が晶太郎やほかの人から解きほぐされ、だんだんと昔の素直な自分を取り戻していく。歌詞は自分の本当の色を他人に見せることを促しています。自分の色を取り戻せということが大切だというメッセージです。自分の本当の色は虹のように美しいという。第8回「それぞれの色」では、天草にいたるところで虹が見られ、その覚え方にもいろいろあり、海咲とわだかまりのあった辻村多一郎(母の後)の英語の覚え方は、その虹を作っている人の英語名だという。

 一方の晶太郎も、同様に、海咲との関係の中で自分の道を究めようとするのだ。彼らは、幼馴染というお互いの友情や愛?の中で、寄り添い、支え合っていく関係だった。これは、歌詞の中の「あなた」と「歌い手」(話者)の関係。気を落としているあなたに向かって話している相棒なのだ。相棒はつらい時にもそばにいるので、いつでも呼んでよ(You call me up)といっている。

 心理学的には、自己受容と相棒との愛をテーマにした心あたたまる歌詞といえる。ドラマは、天草の美しい空と海、それをバックにした教会を景色に見ながら、海咲が自分を取り戻す姿が、ゆったりとした進行の中で展開していきます。

 「true colaors」の歌詞

You with the sad eyes, don’t be discouraged  Oh I realize it’s hard to take courage
悲しい目をしてるあなた、気を落とさないで  勇気を持つことは大変ってことは分かるよ
In a world full of people  You can lose sight of it all
たくさんの人がいる世界の中で、全ての光を見えなくなることだってあるだろう
And the darkness so inside you    Can make you feel so small
君の中にある暗闇が、君を小さな存在のように感じさせるんだ。

But I see your true colors shining through I see your true colors shining through
光り輝いてる君の本当の色を私は知っているよ  君の光り輝いている本当の色を知ってるよ
So don’t be afraid to let them show your true colors
だから、君の本当の色を他人に見せるのを恐れないで
True colors are beautiful like a rainbow
本当の色って、虹のように美しいよ

Show me a smile then, don’t be unhappy  Can’t remember when I last saw you laugh
だから、私に笑顔を見せて、悲しまないで       最期に君が笑ったのを見たのは、いつだったか思い出せないよ
If this world makes you crazy and you’ve take all you can bear
もしこの世界が君を苦しめ、その全てにずっと耐えてきたのなら
You call me up because you know I’ll be there
私はそばにいるので、いつでも呼んでよ

And I see your true colors shining through I see your true colors, and that’s why I love you
君の光り輝いてるよ本当の色を私は知っているよ、君の本当の色を知ってるよ それが私があなたを愛する理由
So don’t be afraid to let them show your true colors
だから、君の本当の色を他人に見せるのを恐れないで
True colors are beautiful like a rainbow
本当の色って、虹のように美しいよ

Can’t remember when I last saw you laugh
最期に君が笑ったのを見たのは、いつだったか思い出せないよ
If this world makes you crazy and you’ve take all you can bear 
もしこの世界が君を苦しめ、その全てにずっと耐えてきたのなら                                                                                       

You call me up because you know I’ll be there                                                                                                                       私はそばにいるので、いつでも呼んでよ

And I see your true colors shining through I see your true colors, and that’s why I love you
君の光り輝いてるよ本当の色を私は知っているよ  君の本当の色を知ってるよ それが私があなたを愛する理由

So don’t be afraid to let them show your true colors
だから、君の本当の色を見せるのを恐れないで
True colors are beautiful like a rainbow
本当の色って、虹のように美しいよ

I see your true colors, and that’s why I love you                                                                                                                    君の本当の色を知ってるよ それが私があなたを愛する理由       

so don’t be afraid to let them show your true colors                                                                                                            だから 君の本当の色を他人に見せるのを恐れないで

True colors are beautiful like a rainbow
本当の色って、虹のように美しいよ

 (日本語訳;甲斐英司)

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共感と信頼で読み解くNHK朝ドラ「ちむどんどん」=ちむどん店の繫盛は「矢作」に期待

2022-09-12 06:57:05 | 人間関係・心理学
 ただただ賢秀の真人間化に期待するが「ドラマの展開と登場人物の描き方」をもっとリアルに!!

 岸田内閣の基本姿勢は、「信頼」と「共感」である。確かにこの「共感」「信頼」が国民から得られている限り、支持率は上がるであろうが・・・。NHK朝ドラ「ちむどんどん」の分析もこの「共感」「信頼」のキーワードで解くことができそうだ。朝ドラ「ちむどんどん」は最終に近づいてきたが、どうも途中からの評判がよくない、ストーリーが破綻しているといわれる始末。確かに主人公の比嘉暢子にしても、父からは遺言どおりの「好きなように生きよ」のことばどおりに、ただ料理と食べることが好きなだけという生き方。東京に出て料理人を目指すが、フォンターナのオーナーには、従業員の立場で「料理」の喧嘩を売るわということで、少し世間の常識から外れた性格のようだ。物語終盤になって、目標であった「ちむどんどん」という沖縄料理店を開業するが、経営能力からみてどうかとか、経営者としての計画性のなさにはあきれるほど。それこそ、後半になって、時代背景もあろうが、比嘉賢秀が勤める養豚業や暢子の夫信彦の母が言う「牛飼い」がそんなにはずかしい職業なのかとの思いや食品ロスの問題について、もっと丁寧に取り扱えないのか。ことほどさように、いちいち取り上げないところであるが、また、あまり成長もしないような、主人公暢子の描き方についても実に粗雑で見ていられないのである。

 暢子は、フォンターナに多大な迷惑をかけ独立開業はしたがつぶれてしまった、フォンターナの元先輩であった矢作の腕を見込んでシェフとして雇う。最初は暢子に矢作は反発していた。ある日、暢子はやっと工面した開業資金の返済金を店のカウンターに置き忘れた。矢作が一人店にいたので、暢子のおさななじみ砂川智(野菜の仕入れを行っている)から真っ先に取ったと疑われるが、暢子一人が矢作はそんな人間ではないと言い張る。矢作がレジになおしておいたことが分かり皆はほっとするという結末である。そのとき、矢作は砂川智と酒を飲みかわしながら、暢子が「前科のある」自分を信じていたことがうれしくて、共同経営の話があったがこれを断って、暢子が船長である船を共に乗っていこうと誓ったと言った。

 ここでやっと作者の意図がわかってきた。「信頼」である。長男の賢秀も子供のころから、いいかげんな人間で大きなことを言っては騙される。そして、父親は賢秀が明らかに間違っていると思える場面でもお前を信じるといったのである。父亡き後も、何度も何度も騙されて詐欺まがいの商売を行うが、今度は母親からお金を無心するという設定。この家族はどうなっているのだろかと思うくらい何度の何度もだまされても母親はそれでも信じる。どうもここまでくると、一般のテレビをみている視聴者は、この人たちなんだろうと思ってしまうのであるが、それでも母は賢秀がしていることだからとどうにか金の工面をする。詐欺どころでなく悪の道にそまってしまった社長が運営するマルチ商法に引っかかったケースでは、暢子自身が店の開業資金に用意していた資金を長男賢秀が助かればいいと相手に手渡してしまう。物語自体がそこまでするというのかという、まことに納得がいかない物語の展開である。第一、借金ばかりしている返済については、どこで穴埋めしたのか分からないのだ。不思議なことに、長男賢秀は沖縄と東京などを飛び回っているのだけれどもこの金はどこから出たのだろう。このハチャメチャな物語の展開も、比嘉家の家族愛というか、これも、ただただ「信頼」するという一点では、スジが通っているように思う。結局、この物語のテーマは、「信頼」だったのだ。(ただひたすらこの盲目的な「家族愛」にも映るのも納得はしてはないのだが・・・)

 「共感」という見方については、視聴者が「共感できるか」という点に尽きる。この共感なくして、ストーリーは進められないし、ストーリーが破綻していると取られる原因のようだ。東洋新聞の同僚の大野愛と恋人だった青柳和彦、前述のおさななじみの砂川智と暢子の4角関係の結末。智が暢子に告白するシーンでも、幼いころからずっと好きだった智が告白しているにも関わらず、暢子はそれを幼いころからの「友情」だと断言してしまうのである。暢子は智の告白に向き合いもせずに済ましてしまう性格の悪さ(サバサバしているのか)、どうも、朝ドラファンとしては、こんなデリケートなところを納得できる形に出来なかったのかと思う。本当に物語の展開には「共感できない」のである。ストーリーが破綻しているといわれるも、こうふうに進行するだろうと期待するのだけれども見事に裏切られるという、実にこの納得感・「共感」できるところがないというのが、そう思わせるところであろう。

 やっと終盤になってきたが、「ちむどんどん」の店を立て直すのは、暢子が「信頼」した「矢作の存在」が大きいように思う。唯一シェフとして、また失敗したといえ元経営者として、今後、矢作の言動(ちょっとひねくれた物言いと態度)への「信頼」「共感」(経営面では物言いは別として、矢作の言動は的を得ているのではないかと思う。)が、ドラマ進行を立て直して、「ちむどんどん」という店を軌道にのせていくものと信じる。この信頼・共感がこのドラマのキーワードだったのだ。そして賢秀が猪野清恵とともに地道に養豚経営に乗り出し、智と比嘉歌子との仲がうまくいきますように祈ります。脱線部分もありあっち飛びこっち飛びのドラマ展開だが、少なくとも朝のドラマとして、ドラマ展開が視聴者の期待を裏切ることなく、そして暢子もちょっとは人間的に成長したと思わせるような終盤を迎えたいものです。主人公を演じる黒島結菜は、好きな女優さんですので、物語の中で嫌いにならないように、最後まで頑張って、ストーリーの中で少しは成長していただきたいのです。

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