元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

黒田官兵衛の異見会(意見会)の由来は「家訓」!!

2014-01-24 06:26:39 | 社会保険労務士
黒田官兵衛(如水)の訓戒とは?

 前回、黒田如水(官兵衛)の「異見会」の紹介をしたが、この異見会の基となった官兵衛の考え方が分かるものに、子の長政や部下たちに残した訓戒がある。

 すべて人には、相性が良い、悪いということがある。主人と家来の関係でも同じだ。多くの家来の中にも、主人の気に応じる者と応じない者が居る。応じる者は相性が良いと言ってよいだろう。
 しかしこの者がもし善人であったならば、国の重宝となるが、悪人であったとすれば、国家の妨げとなるのだから大変な違いである。したがって、家来の中に、例え自分と相性が良いものがあっても、それを専ら近く召使い、心を奪われることは危険である。それは相性が良い場合には、ともすれば悪い事を見逃すこともあるから、良く注意して、そういう点を発見し、自分に対して諫言もさせるとともに、またその者が良い気になって行儀が悪かった時には、傍らに呼びつけて意見をすべきである。それでも聞かない時は、この如水に言いつけよ。よく詮議した上で罪科に処するであろう。
 自分一人の注意では、多くの家来に届くまいから、見逃すことも多いと思う。そういう時は、遠慮なく早く知らせてほしい。改めるであろう。またお前たち家来の間でも、相性の良い事と悪い事によって、政治を行う上で過ちができる事があろう。相性の良い者に対しては、ひびき?の心付けをし、悪い事も良く思い、あるいは賄賂などに心が迷って、悪いと知りながら、自然とそれに親しむようになるものである。性が合わない者に対しては、善人をも悪人と思い、道理をも無理のように思い誤ることがある。性が合う合わないでは政治の上でこのような私曲が出来てくるから、皆よく注意しなければならない。
*注

 人生訓のように思える指摘であり、非常に耳の痛いことばである。これにより、身分の隔てなく、政治の失敗したことさえも遠慮なく、「批判」論議する「異見会」が開かれたという。

<⇒黒田官兵衛の「異見会」> 


 *注:英傑たちの人材育成法(童門冬二著)学陽書房 から引用
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黒田官兵衛の「異見会」は、今も経営の手法として通用する!!

2014-01-20 04:08:45 | 社会保険労務士
  秀吉・家康から警戒された官兵衛が編み出したのが、この「異見会」の経営手法!!

 黒田官兵衛は、軍師竹中半兵衛亡き後、天下取り前夜から、秀吉の軍師として仕えた。

 
 秀吉は毛利の中国攻めの総大将として、備中高松城の水攻めの真っ最中であった。官兵衛は敵の伝令をつかまえて驚いた。織田信長が本能寺で明智光秀に打たれたという。深夜であったが、秀吉を起こしてそのことを伝えた。このとき、秀吉は、すぐさま決断できたといえば、うそになる。16歳のときから草履取りになって使え、信長のおかげでここまでこれた秀吉である。全面には毛利勢、後方には明智と挟まれ、進むも退くも敵だらけである。ならば取って返して、明智を打ち「天下を取るしか方法」はない。そう決心したとき、官兵衛が近づいてきて、「殿、運が開けてきましたなあ」とつぶやいた。よく、ツイッターでつぶやき問題になるというが、それまで固い契りで結ばれていた2人の間に、なにやら暗雲が漂い始める。

 この官兵衛の一言が秀吉には、よくなかった。この一言で冷静になった秀吉は、自分の心を見透かされたと思い、このとき官兵衛を油断のならないものだと思った。その直後、秀吉は、明智を倒し、賤ヶ岳で柴田勝家と争いこれを倒し、島津とも戦い、天下を手中にすることになった。その下には必ず軍師官兵衛がいたが、豊前中津12万5千石を与えただけで、中央から遠ざけられてしまった。この頃のことである、何を思ったか(彼には分かったいた、警戒されていたことを)、頭をまるめて、彼は「如水」と称した。また、徳川家康からも警戒され、九州福岡への転勤を命ぜられたが、そのとき、親友の小早川隆景から、「あなたは頭の回転が良すぎる。もっと鈍くなって決断を時間をかけてなさるがいい」といわれた。

 秀吉が側近の者に自分の死後天下を取るのは誰だと尋ねたことがある。徳川家康、前田利家などの名前が取りだたされたが、「もう一人忘れている、黒田如水よ、他人に争わせておいて、さっと天下をさらう男よ」といったが、秀吉の警戒心がよくわかる。

 そこで、黒田家では、如水(官兵衛)、子の長政親子で始めた「異見会」というものがある。(官兵衛が始めたとも長政が始めたともあるが、真相は、官兵衛が親子の間で、家督を譲っていくうちにできたものではなかろうか。) 毎月一回、意見会を開き、身分の上下なく、経営上の問題を部下と自由に意見を戦わせた。官兵衛の頭の回転の良さ、「即断即決」は、戦国の世の中では、通用するが、もはや戦国ではないと悟った彼は、世の安定したときには、組織による討議による政治手法が適していると考えた。意見を戦わせその中の意見を反映させて、政治をやっていくという手法である。この官兵衛の世の趨勢を見抜く先見の目には感心する。ボトムアップとトップダウンの使い分けをよく知っていたのである。

 ところで、この異見会、「意見会」ではなく「異見会」である。一致した意見ではなく、イエスマンではなく、異なる意見をいえというのがよくわかる。意見会のルールとして、身分を忘れると言ったが、、トップといえども、例外ではない。トップにも、いいにくいことを言えということである。始めてみて、部下は官兵衛にかなり批判的であることに気がついた。官兵衛がそのことなら、知っているというと、「自分の話を最後まで聞いてくれ、そこがあなたの悪い癖、あなたの知らないこともある」として、たしなめられたという。自分の作ったルールであるから怒っても仕方ない。頭のいい「即断即決」で戦国の世を生き抜いてきた官兵衛は、ここで自分を反省することになった。こういった諫言を受け入れられる官兵衛の度量の大きさにも感心する。

 トップは、部下の諫言をいかに取り扱うかでその人のリーダーの資質が問われるという。何でも言いたいことを上司にいう風通しのいい職場というが、「言うのは易し行うは難し」。あまり申し上げると上司も不機嫌になるのではないだろうか。(実は、私も仕えていた時、部下の批判をおそれていた一人である。)

 意見会は、260年余り続き、明治維新の廃藩置県(明示4年)まで代々続き、黒田家は安泰だったのである。


<⇒異見会の基となった「官兵衛の家訓」> 

<参考>
・日本を創った10人の名参謀 邦光史郎著 廣済堂
・人を活かす 童門冬二著 産能大学(通信教育教科書)
・人間の器量 童門冬二著 三笠書房
・英傑たちの人材発掘法  童門冬二著 学陽書房
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第34回ビジネス実務法務検定の「消費者保護法(割販法)」(第7問)問題・解答/解説コメント付について

2014-01-10 18:23:47 | 社会保険労務士
 第34回ビジ法の2級の検定試験では、「消費者保護関係法」の問題は、特定商取引法(特商法)と割賦販売法(割販法)が出ておりました。今回は、その中から、割販法の問題です。

 割賦販売法の消費者にとっての主な意義は、割賦販売についての「クーリングオフ」と「抗弁の接続」が規定されていることです。
 抗弁権の接続とは、販売店は商品を販売する場合は、同時に販売店が信販会社の代理店等として、消費者と結ぶ契約は、販売業者との「商品売買契約」だけではなく、信販会社との「クレジット契約」も締結することがあります。この商品売買契約とクレジット契約は全く別物ですので、商品に欠陥があるなど瑕疵担保責任が販売業者にある場合は、信販業者には主張できないことになりますが、この主張を信販業者にも主張できるという規定が設けられていうのが、この抗弁権の接続というものです。瑕疵担保責任の他、錯誤無効、詐欺取り消し、同時履行の抗弁権などが主張できます。(下記「オ」の選択肢関連) 
 
 なお、「ウ」の選択肢は、消費者契約法を問う問題ですので、本当は、割賦販売法と消費者契約法の混合問題となっています。

 第7問 7-3
 消費者Xは、個別信用購入あっせん関係販売業者である販売店Yから、商品甲(20万円)を購入した。Xは、甲の購入に当たり、Yとの間で「個別信用購入あっせん関係販売契約」を、個別信用購入あっせん業者である信販会社Zとの間で「個別信用購入あっせん関係受領契約」をそれぞれ締結した。この場合の「個別信用購入あっせん」にかかわる取引に関する次のア~オの記述のうち、その内容が適切なものの組み合わせを1~5の中から1つだけ選びなさい。

  消費者Xと販売者Yは、Yの営業所以外の場所において、甲のクレジット販売契約を締結した。この場合、Yが当該契約に関する所定の事項を記載した書面(個別信用購入あっせん関係販売業者等による書面)をXに交付すれば、信販会社Zは、立替払委託契約に関する所定の事項を記載した書面(個別信用購入あっせん業者による書面)をXに交付する義務を負わない。

  消費者Xは、販売店Yとの間で、Yの営業所以外の場所において、甲のクレジット販売契約を締結するに際し、Yから甲の性能について不実のことを告げられたことにより誤認して当該契約を締結したため、当該契約および立替払委託契約を取り消した。この場合、信販会社Zは、Xに対し、すでにXから受領した賦払金相当額を返還しなければならない。

  消費者Xと販売者Yは、Yの営業所以外の場所において、甲のクレジット販売契約を締結し、Xは所定の書面の交付を受けた。この場合、Xは、所定の期間内に、書面により、クーリング・オフを交付し、当該契約を解除することができる。

  信販会社Zは、消費者Xが立替払委託契約に基づく賦払金の支払義務を履行しない場合において、Xに対し、割賦販売法に基づき、期間を定めて支払いを書面で催促し、その期間内にその義務が履行されないときは、賦払金の支払いの遅滞を理由として、当該契約を解除することができる。

  消費者Xは、販売者Yから、クレジット販売契約により甲を購入したが、当該契約はYの詐欺によるものであったため、当該契約を取り消した。その後、Xは、甲について、信販会社Zから立替払委託契約に基づき賦払金の支払いの請求を受けた。この場合、Xは、Yとの間のクレジット販売契約を取り消したことをもって、Zに対し、賦払金の支払いを拒否することはできない。

 1 アイオ 2 アウエ 3 アウオ 4 イウエ 5 イエオ 

<解説コメント>
 7-3-ア × 信販会社との契約書面も必要です。
 7-3-イ ○ そのとおり
 7-3-ウ ○ そのとおり
 7-3-エ ○ そのとおり
 7-3-オ × クレジット販売契約を取り消したことをもって、不払いを拒否できる。(抗弁権の接続)
  したがって、イウエが適切な文章であり、4が正解である。


<⇒第34回ビジネス法務検定の「解答」の「解説コメント」(第1問~第5問)へ>
<⇒第34回ビジネス法務検定の「解答」の「解説コメント」(第6問~第10問)へ>
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新型うつは、外罰的な適応障害か!?

2014-01-06 04:40:47 | 社会保険労務士
認知の歪みが原因!?新型うつ

 職場の中から、発生したかのような「新型うつ」ですが、この「新型うつ」、うつだと思っていたら、その者が、休職中にハワイを遊びまわっていたというような不可解なできごとがあるので、「分からない」という職場の上司・同僚も多い。専門医師の間でもまだ確定的な定義づけはできていないようです。
 「新米メンタルヘルス担当者奮闘記」の著者の天野氏(注1)は、その本の登場人物のメンタルコンサルティング森浩助に、新型うつは「外罰的な適応障害」であると言わせているが、私なりの経験からいえば、この定義づけに納得した、共感した次第です。彼は、今までの経験で、そういう考え方が理にかなっているということに、たどり着いたのではないかと思われますが、その正体を、そう定義を行い、実践としての、その対応策を講じていることです。今回はその対応策については、省きますが、その本の中から、紹介してみます。

 新型うつについて

1 メンタルヘルス不調や気分障害と称される病気は、うつ病や両極性障害、適応障害などいくつもの病名に分類されているが、それだけでもゆうに数十は超える。
2 また、これらの病気の症状は、一つの病気にしか現れない症状もあるが、たいていはいくつもの病気に同じような症状が現れる。(たとえば憂鬱感は、うつ病でも両極性障害などでも現れる)
3 新型うつの特徴的な症状は、自分の好きな仕事や環境が提供され、ストレスが軽減させると短期間で改善する傾向があり、自責感に乏しく外罰的(失敗などの原因を他人や自分以外に求める傾向)であり、周囲の責任転嫁が目立つ。
4 この症状は、他の気分障害の病気では現れにくいため<新型うつ>と分類されるようになったが、決して新しい病気ではなく、以前から確認されていた症状もあり、<新型>と称するのは正確ではなく、むしろ<外罰的な適応障害>と呼ぶ方が正確であると思われる。従来のメランコリー型うつ病に対して、<ディスチミア親和型うつ病>と呼ばれることもある。
5 また、一方、この症状が人間として未熟型であるから現れるとして<未熟うつ>と呼ぶ人もいるが、人間自体がさまざまな未熟部分を持ち合わせているわけで、この症状の部分が<未熟>だからといって人間が<未熟>と断定するのは強引すぎる。また人に対して、特に病人に対して<未熟>という差別的な言葉を使用することは、病気の回復を遅らすことにもなりかねないので、用いるべきではない。

 新型うつの原因について

1、人間が成長の段階で、考え方の多様性を学ばず、自分の考えを肯定されつづけて育った場合、自分の考え方が正しいと思い込み、自分に同調しない考え方や行動は、すべて相手方が間違えていると考えてしまう。
 つまり、遺伝的な要素もあるが、過保護や核家族化、またテレビゲームや、同調する人々だけで集まるネット社会の中で育ち、地域社会とのつながりも希薄になった現在、さまざまな価値観の人々と接することが少なくなることによって、思考の柔軟性が欠けてしまうという。
2 そういうタイプの人が、職場や家庭でストレスを強く感じると、認知(受け止め)が歪み出して、メンタルヘルス不調になると推測されている。

 認知の歪みについて

 人は無意識に、外部からの情報を五感で受け止めている。それを脳は瞬時に、自分にとって良いことか悪いことかを見極めて行動を起こすが、「認知の歪み」というのは、最初に情報を受け止める時、歪んだ受け止め方をしてしまう。つまり、間違った認知をしてしまうということである。
 たとえば、道で友人とすれ違った場合、普通は会釈や挨拶をする。ところが、相手は知らんふりをして行ってしまった場合、普通は「どうしたんだろう?」「気がつかなかったのかな?」と考え、次に会ったときでも、「この間すれちがったんだよ、気がつかなかった?」などといった確認行動をとることになる。ところが、認知のゆがみがでてくると、「彼は僕のことが嫌いだから無視したんだ」「ああ僕は彼に嫌われるようになってしまったんだ」となってしまう。これはメンタルヘルス不調者によく見られる傾向の一つである。

 情報 上司から新しい仕事を支持されたが、うまくいかなかった。
 認知 「私に合わない仕事を与えた上司が悪い。マネジメント不足だ」
 感情 「できなかったのは私の責任ではないのに、低い評価を付けた会社は間違っている。この会社は、私に不利益や不幸をもたらす会社だ」
 行動 自分の不幸にする環境を無意識に避けようと体調が悪くなる。体調が悪くなったのは会社の責任であり、会社が自分に謝罪すべきだと行動を起こす。
 

 書いているうちに、誤解をおそれずに白状すれば、自分のことではないかと考える自分がいます。私は、子供のころより、例えば、試験の点数が悪いとだれだれが隣で寝ていたから、気になって、試験に出来なかったと考える人間でした。ところが、小学生の低学年の頃だったと思いますが、友達から「あなたは他人のせいにする」といわれ、そのことがいまだに頭に残っています。どう考えたらいいのか、それが私に課せられた人生の課題であったといえるかと思います。私に人生は、その課題を解くための人生であるともいっても過言ではありません。今まで生きてきたのは、そのためのような気もします。
大人になっても、またこの年になるまで、その考えの修正をしようと生きてきました。生きてきてそういった事象に遭うたびに、そうではなく、自分にも原因があると思うことにしましたが、時には、そう考えても、どう考えても、自分に原因が見つからないこともありました。最後には、神様がお前を成長させるためのこんな事象にめぐり合わせるのではと思うようになりました。(というより、思いどうりにならないのが人生ということは分かっているのですが、「納得できない」ところがいまだにあります。)自分は、この「未熟うつ」については、他人事とは思えません。
 ただし、私の場合、外罰的な対応として、常に自責の念に駆られ、書いてあるような、外に対しての言動=「行動」はなかなかとれませんでした。(客観的ではなく、あくまでも主観的であるのは分かっているのですが・・・他人が悪いというのは、心の底にはあるのですが、気が弱くて、他人に対して言い出せない自分がいるのが正直なところです。)

注1;新米メンタルヘルス担当者奮闘記~ストーリーで分かる正しい現場対応~(天野常彦著)日本法令
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