元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

還暦をずっと前に迎えた(元)社労士の新たな挑戦!ボチボチとせこせこせず確実に、人生の価値を見出そうとするものです。

紅白の芦田愛菜・鈴木福君は、午後8時以降は出演できない!?

2011-12-02 06:54:30 | 社会保険労務士
  児童の深夜業禁止は、原則午後8時から午前5時まで!!

 大みそかのNHK第62回紅白歌合戦の出場歌手に、あの「マルマル・モリモリ」の人気子役の芦田愛菜ちゃんと鈴木福君(7)が史上最年少(7)で出ることに決まりました。2人は、フジテレビ系連続ドラマ「マルモのおきて」に出演していました。友人の残された2人の男女の双子と一緒に暮らすことになる主人公が、ノートに書く、3人の間の「家族」のルールが「マルモのおきて」です。
 
 ところで、芦田愛菜ちゃんと鈴木福君は、大みそかのいつごろ歌うのかということがもっぱらの話題になっています。紅白歌合戦の開始は午後7時15分(例年7時30分からであるが2人のために7時15分からにしたといわれている。) 出られる最終時刻は、午後8時までである。すなわち、その45分間しか出場の機会はないことになります。「マルモのおきて」ならぬ労働基準法の「おきて」があるからです。
 
 そもそも、労働基準法においては、児童は満15歳の年度末(3月31日)までは、使用してはならないとされているが、映画の製作あるいは演劇の事業については、例外的に使用できることになっているところです。演劇等の場合は、1、児童の健康及び福祉に有害でない、2、労働が軽易なもの 3、所轄労働基準監督署の許可を受ける、4、修学時間外に使用することが、条件となって認められているものなのです。(労働基準法56条) ご存知のように、芦田愛菜ちゃん、鈴木福君は、7歳の小学1年生コンビです。
 
 また、その児童は、午前8時から午前5時までは、深夜業として使用してはならないことになっており(労働基準法61条1項、5項)、午後8時からは使用できないことになっています。ここで、午後8時間際で歌うのでないかといわれているところです。大みそかの日であるから、そう早くから見る人も多くはないので、人気の子役の出演をなるべく遅くまで引き延ばすのではないかと思われているからです。ということは、NHKさんも時間調整に気をつかうことになるでしょうが、もともと分刻みのスケジュールといわれているので、問題はないでしょう。
 
 しかし、ここで確か昔、午後8時から9時までの放送の、ドリフの「全員集合」では、裸の子役がちょっとだけ出ていたような気がするのですが・・・。「演劇の事業に使用される児童が演劇を行う業務に従事する児童」には、厚生労働大臣が必要であると認めた場合で、地域又は期間を限った上で、就業終了時間を1時間遅れとしているので、午後9時までは仕事をさせるという規定があるには、あるのです。(労働基準法61条2項)
 
 ですが、芦田愛菜ちゃんたちについては、深夜業のクリアー問題だけでなく、人気の2人ですので、15歳以下の児童の場合には、学校にいっている時間を含み(就学時間といっている。)、1週間に40時間、1日7時間を超えてはならないという(同法40条)問題があり、とてもこの9時以降の特例によって、仕事をさせることはできないでしょう。

 さて、先ほどのドリフの裸の子供が出ていた問題(昔の話になりますが、時期的には約40年前のこと)は、まだ疑問が残ります。昔のこととはいえ、その頃大臣が認めたのかということなんですが・・。使用関係が認められない「委託関係」であれば、労働基準法の「労働者」から外れますので、労働基準法の関知しないところとはなるのですが(注)、あのシーンはまぼろしだったのでしょうか。
 

 (注)知名度がある歌手等では、労働者よりも自営業者の性格が強いとの理由で午後8以降も認められることになる。(昭和63.7.30基収第355号)


   #####<いつも読んでいただきありがとうございます。>####

コメント
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