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養育院の浮浪人と主観的人生観ー渋沢栄一

2014-08-30 17:21:35 | 日記
「いったい養育院の世話にならなければならぬ位のものは不仕合せ者ばかりで、彼らがかかわる不幸に陥つた原因を尋ぬれば、幾分色々変わったものがある。女色に溺れ、賭博のために身を損じ、あるいは酒に依って産を破ったというような、とにかく感心のできない者の方が多い。しかし、彼ら多数の窮民を統計的に研究してみると、彼らには必ず一貫した通有性がある。それは、なんであるかというに、種々なる悪癖の中で、もっとも甚だしいのは、自分さえ宜しければ他人はどうでも構わないということを常に考えておる、すなわち、自我的に自己の都合だけを主としておる。・・・(略)・・・浮浪少年が自身のことばかり考えておることが、かえってわが不為となり、不幸に陥る原因となるとすれば、それと反対に客観的にわが身を処する人は、人のためを策ることがかえって如何にわが身のためとなり来るか、けだし推測に苦しまぬところであろうと思う」(渋沢栄一「渋沢百訓」より)

渋沢栄一は生活困窮者のための福祉医療施設である東京養育院の経営に携わり、その実態世よく見ながら人間はどうあるべきなのか考えさせられる言葉です。東京都養育院は東京都議会の廃止条例で1999年に幕を閉じますが、紙上だけの政策ではなく、現場で当事者の声に耳を傾けながら志を持って実行していった渋沢栄一に現代人は学ぶべきでしょう。
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