緩和ケア医の日々所感

*** がんの症状緩和と子育てと ***

死すべき定め(4)

2018年08月06日 | 医療
「援助」の章からスタンフォード大学のローラ・カーステンセンの研究では、18歳から94歳までの研究協力者にポケベルを渡し、一週間の内の一日の中で、ランダムに鳴るように設定されており、その時の感情を感情リストから選択するといったもの。もし、マズローの五段階説が正しいならば、生活の幅が狭まることは人が満足感を得るためにもっとも必要なことから遠ざかることになり、そして、加齢についてより不幸鬼なっていくはず . . . 本文を読む
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死すべき定め(3)

2018年07月31日 | 医療
「形あるものは崩れ落ちる」という章から。衰えは人の運命であるーいつの死がやってくる。しかし、人の中の最期のバック・アップシステムが壊れるまでは、そこまでの道を医療によって変えることができる。一気に下る断崖にすることも、穏やかな下り坂にして、生活の中でもっとも大切なことができるようにすることも可能である。医療に携わるわれわれのほとんどがこの可能性を考えていない。特定の個別の問題を取り上げるのは得意で . . . 本文を読む
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死すべき定め(2)

2018年07月22日 | 医療
序文から・・ 作者のガワンデ医師がレジデント3年目の時のこと。緊急放射線治療抵抗性の前立腺がんの患者さんに 脊髄圧迫症候群による両下肢麻痺が突如起こり、 かなりリスクが高い状態でしたが、脊髄の転移腫瘍切除術を受けるか、受けず症状緩和のみに留めるかという選択をしなくてはいけなかった話がつづられていました。 研修医のガワンデ医師に与えられた役割は、 手術のリスクを理解してもらい 受けることの同意書 . . . 本文を読む
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週末に手元に届いた本「死すべき定め」(アトゥール・ガワンデ)

2018年07月16日 | 社会時事
アトゥール・ガワンデアメリカの外科医、著作家、公衆衛生研究者。ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院で一般外科学と内分泌外科学を担当している。ハーバード大学公衆衛生学部の健康政策・管理の教授であり、ハーバード大学医学大学院の外科学教授でもある。公衆衛生研究者としては、アリアドネ研究所の健康システム合同改革センターの部長であり、世界全体で手術死を減らすために活動している非営利団体である、ライフボ . . . 本文を読む
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苦痛を最小限にしようとする医療は、治癒を目指す医療と同じだけプロフェッショナルであるべきものなのです

2018年07月08日 | 医療
日本緩和医療学会が発刊している専門医受験のためのテキストの緩和ケアの総論の原稿依頼を受けてから、もう一度、緩和ケアの歴史をだどったり、文献を読んだりしていました。思い起こすことが多く、その後、執筆した単著著書の序文の中で、なぜ、世界に緩和ケアの概念が生まれたのか・・その原点に改めて触れながら、私が緩和ケアに転向しようと思った頃そして、緩和ケア病棟に勤務していた頃よく聞かされたことを思い出していまし . . . 本文を読む
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夏の特別プログラム;小学5,6年生がんを知ろう!サマースクールと大学院の公開講義

2018年07月01日 | 教育
今年も、暑い夏がやってきました。で、ご紹介するのが大好評と頂いている夏の風物詩となりました◆がんを知ろう!帝京サマースクール2018https://www.teikyo-u.ac.jp/campus_news/itabashi/2018/0614_7438.html申込は7月2日(月)からこのWebサイトに掲載されているメールアドレスから開始となります。2016年の様子がyoutubeからダイジェ . . . 本文を読む
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深い言葉

2018年06月24日 | つれづれ
緩和ケアチームに依頼があるとまず、症状緩和が図れること専門チームである以上、必ず求められることです。それに並行して如何に、人を支え続けるか・・この命題をチーム内で振り返り、同じベクトルに向けていくことは容易なことではないと感じています。何となく時間をやり過ごしてしまうのではなく意図してゆっくりと時間をかけることは異なること。さらに、足が遠のいてしまうこともあります。他大学で緩和ケアコンサルテーショ . . . 本文を読む
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公平な行動とPassive-aggressiveな行動

2018年06月18日 | 医療
人に対し、何か悪いことを仕向ける場合、積極的なことをイメージしがちです。一方・・声をかけられても、無視をしたり、時間の約束をしていても、待たせたり、しないことで、実は攻撃しているがあります。忘れたふりをしたり、わざとゆっくりしたり、集団の中で、一人だけ役割を外したり、連絡や話し合いから遠ざけたり。Web上では、不機嫌な気持ちになると受け身的なやりかたで攻撃感情を表現し、あてつけや抵抗を示す(Wik . . . 本文を読む
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心不全の患者さんの緩和ケアチーム回診とカンファレンスから

2018年06月10日 | 医療
緩和ケアチームの診療に治療抵抗性心不全が加わるようになり、循環器内科から担当してくださる医師が決まり、毎週木曜日の午前のカンファレンスに参加してくださるようになりました。依頼も時々頂くようになり、同じ方向を向いていけるように話し合いのプロセスを大切にしていくことが今の目標となります。 ある日の回診で、高齢の患者さんは、私におっしゃいました。「もう、いいの。私。 一度、死んだようなものでしょ。」挿 . . . 本文を読む
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がん治療中の患者さんのWebを用いた苦痛症状の自己報告は生存期間を延長(JCO、JAMA)

2018年06月03日 | 医療
国内でも、がん診療連携拠点病院では、がん患者さんの苦痛の症状スクリーニングの実施にどうやって、時間と労力を配分するか、試行錯誤が続いています。今まで研究結果から、症状スクリーニングは臨床的な効果が乏しいと言われてきました。2016年のJCOからの報告。スローンケタリング単施設において766名の化学療法中の固形がん患者さんに対し、Web(スマホやPC)から12の症状について0-4の5ポイントについて . . . 本文を読む
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国試問題、臨床現場ではどう対処する?

2018年05月27日 | 教育
2013年4月14日の記事。最近、5年生病院実習中に解説した問題なので、再掲したいと思います。なお、この時は、ヒドロモルフォンは国内で未承認でしたが、現在は、保険収載されました。この時点では、選択肢には入っていませんが、後数年度、ガイドライン等で取り扱われることがあった場合は、選択肢として入ってくる可能性はあります。 ============今年から緩和医療学の講義が増えることもあり、緩和領域の . . . 本文を読む
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医者の奥底(6)私の踏み絵

2018年05月20日 | 医療
「何か問題がありましたか?」ゆっくりと落ち着いた声で尋ねてくださいました。「死の時を私達が決めてしまった そんな気持ちになったのですね」これが、私の踏み絵でした。こんな厳しい現実があるけれど本当に医師になる心構えがあなたにはあるのか・・問いかけられていました。このことが、死の周辺医療に携わろうと考え始めたきっかけでもありました。 数年前この時、お世話になった救急部の教授とある終末期医療 . . . 本文を読む
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医者の奥底(5)手を止めたとき

2018年05月14日 | 医療
手を止めたことそれが、死の時・・この現実に6人組の学生は、混乱し私は、頭が真っ白になっていました。それ以外にも、経験したことのない波にのまれていました。医師が外で経過を説明している声が聞こえていました。何人かの人の泣く声も・・横たわった男性の体が少しでも悲壮さがないように救急部の医師や看護師が周囲を綺麗にしていました。しばらくして、傍らに、奥さんが呆然と立っていました。私は、声をかけることも何もで . . . 本文を読む
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医者の奥底(4)救命処置

2018年05月06日 | 医療
(前回の記事につづきます。)もはやレスキューできないであろうことは学生だった私達にもすぐに理解できました。さっきすれ違った赤ちゃんを抱いた女性は目の前に横たわっている男性の妻であろうことも・・工事現場での墜落でした。心肺蘇生を試み、心臓マッサージを続けていました。考えられることはすべて行いつつ・・すぐに、鼻腔、外耳道から、出血してきました。頭がい底骨折からの出血でした。救急チームのリーダーが言いま . . . 本文を読む
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医者の奥底(3)初めての臨終

2018年04月29日 | 医療
私が、はじめて臨終の場に立ったのは大学5年生の時でした。 病院実習が始まり、救急部を回っていました。ある日の午後、院内にいた私達のグループは突然、全館放送で呼び出されました。「救急部の学生○○、○○・・・すぐ、救急外来まで」救急部に走ると、廊下に面した椅子に乳児を抱えた若い女性がじっと赤ちゃんの顔を見つめ座っていました。私達は、その様子にただならぬ雰囲気を感じながら処置室に入っていきました。20代 . . . 本文を読む
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