Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

CKRT vs. CRRT②

2023年02月15日 | 腎臓
1年半くらい前に作った図
これをふと思い出した。
あれからどう変化したか、感覚的にはCKRTが増えている気はしないのだけど、実際はどうなのか調べてみることにした。

PubMedで、2020年1月〜2022年12月に、"continuous renal replacement therapy"と"continuous kidney replacement therapy"を、publication dateで1ヶ月ずつ検索して、図を作った。
ちなみにKDIGOが"kidney"を使おうと言ったのが2020年6月。

ゆっくりと増えてる??
でもとりあえず、まだCRRTでよさそうだ。
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CKRT vs. CRRT

2021年08月27日 | 腎臓
慈恵のCEとメールしていて、"CKRT"という表現をしているのを読んで、おお、そう言えばそんな話があったな、と思い出した。
ここにも書いたけど、去年の6月に、KGIDOが一般人に分かりやすいように"renal"とか"nephro"とか使うのをやめて”kidney”にしようと言った
個人的にはどっちでもいい、変えるのは面倒くさいから世間が変わったら自分も変えようと思って、CRRTという表現を今も使っているのだけど。
じゃあ世間はどうなったのかなと思い、PubMedでKRT vs. RRT、CKRT vs. CRRTの数を数えてみた。最近のPubMedは年別の検索数を表示してくれるだけでなく、CSVでダウンロードもできるので、一瞬で図を作れた。
なお、2021年は検索数を1.5倍にしている(今が8月だから)。

さすがにまだKRT、CKRTはマイナーのようだ。
しばらくは変えずにいることにする。

ところで、どちらも2020年から文献数が飛躍的に増加している。
一部の医者を除いて、COVIDのせいで多くの医者が暇になったので、みんな文献を書いているという噂を聞いたのだけど、それが理由かな?
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クエン酸 vs. ヘパリン

2020年10月29日 | 腎臓
Zarbock A, Küllmar M, Kindgen-Milles D, et al.; RICH Investigators and the Sepnet Trial Group.
Effect of Regional Citrate Anticoagulation vs Systemic Heparin Anticoagulation During Continuous Kidney Replacement Therapy on Dialysis Filter Life Span and Mortality Among Critically Ill Patients With Acute Kidney Injury: A Randomized Clinical Trial.
JAMA. 2020 Oct 27;324(16):1629-1639. PMID: 33095849.


CRRTの抗凝固剤としてクエン酸を使うかヘパリンを使うかでRCT、N=638。クエン酸は膜寿命が長く、出血が少なく、死亡率は同じかちょっと低い。
今まで言われてきたことが多施設RCTで改めて示された。

慈恵では10年くらい前からクエン酸でCRRTしているし、今や世界標準だけど、あまり日本では広まらない。
最大の理由は当然のことながらナファモスタットがあるからで、その比較はやらないといけないとずっと思いながら、ついに引退してしまった。
誰かやってくれないだろうか。

ちなみに、タイトルに”Continuous Kidney Replacement Therapy”とあるのは、KGIDOが一般人に分かりやすいように"renal"とか"nephro"とか使うのをやめて”kidney”にしようと言ったためらしい。確かにAKIもCKDもkidneyだ。
PubMedで調べてみると、9月以降に掲載された文献のうち、"CKRT”を使っているのが9個、"CRRT"を使っているのが72個で、さすがにCRRTの方がまだメジャーだった。
さて、世間はどっちに向かうだろうか。慣れているのでまだCRRTと言いたいけど、風向きが変わったらサラっとCKRTに変えよっと。

クエン酸についての過去ログまとめ。
JCCにクエン酸の研究が二つ。
慈恵ICU勉強会 180605
慈恵ICU勉強会 180306
AN69STとクエン酸
慈恵ICU勉強会 160802 160809
クエン酸CRRT中の透析膜後のCa濃度
クエン酸と持続腎代替療法

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