昨日、集中治療医学会からJ-SSCG 2024が正式に発表されたとのメールが届いた。
正直、J-SSCGというものの意義については疑問を持っているのだけど、「リコモジュリンの推奨が2Cから2Bに上がったよ」という噂を聞いていたので、そこだけ確認した。確かにそうなっている。ちなみに、Bというのはエビデンスの確実性が中(効果の推定値に中程度の確信がある)、Cは確実性が低(効果の推定値に対する確信は限定的である)という意味。
この推奨の変化の理由についてはガイドライン本文に記載がある。「SSCG 2016で敗血症および敗血症性ショックに対するリコンビナント・トロンボモジュリン投与に関しての推奨はないと記載はされていたが,SSCG 2021ではリコンビナント・トロンボモジュリンについての記載自体がなくなった。なお,J-SSCG 2024において実施した系統的レビューまでの間に組み入れ対象となる新規の RCTが日本から1編報告されており,エビデンスの確実性評価の結果が効果推定値により GRADE 2Cから2Bへ変更となった。」
少し日本語が変ではないか。2つの文章は内容が大きく異なるのに「なお」で繋ぐのはおかしいし、「されており」の前後で論理性が説明されていない。そしてこの追加になった日本からのCTというのはこれなのだが、発表年はSCARLETと同じ2019年で、どうしてこれが新しい研究とされているのかよくわからない(前回の締め切りが2019年の途中だったのかな?)。
ついでに言えば、AT-IIIについても推奨が2Cから2Bになっている。こちらの方は「J-SSCG2024において実施した系統的レビューまでの間に組み入れ対象となる新規のRCTは出版されておらず,同一の文献を対象にメタ解析を行ったが,複数のアウトカムにわたる正味の効果推定値によるエビデンスの確実性評価の結果,GRADE 2Cから2Bへ変更となった」となっているので、rTMの方も研究が追加されたからではなさそう。
推奨の評価方法が変わったのか、評価する人が変わったのか。
国際ガイドラインの作成に軽く関わったときにも思ったのだけど、エビデンスに基づいた判断とは関係なしに声の大きい人が勝つ、という現象はどこでも起こる。今回はconよりproがちょっと勝ったんだろうな、と想像しております。
まあこの推奨の変化で臨床判断を変える人はまずいないだろうけど。使う人は使う、使わない人は使わない。もう決まっているもんね。
ピヴラッツと同様、リコモジュリンを使うべきかどうかの議論は不毛。
あ、じゃあこの記事も不毛かも。
正直、J-SSCGというものの意義については疑問を持っているのだけど、「リコモジュリンの推奨が2Cから2Bに上がったよ」という噂を聞いていたので、そこだけ確認した。確かにそうなっている。ちなみに、Bというのはエビデンスの確実性が中(効果の推定値に中程度の確信がある)、Cは確実性が低(効果の推定値に対する確信は限定的である)という意味。
この推奨の変化の理由についてはガイドライン本文に記載がある。「SSCG 2016で敗血症および敗血症性ショックに対するリコンビナント・トロンボモジュリン投与に関しての推奨はないと記載はされていたが,SSCG 2021ではリコンビナント・トロンボモジュリンについての記載自体がなくなった。なお,J-SSCG 2024において実施した系統的レビューまでの間に組み入れ対象となる新規の RCTが日本から1編報告されており,エビデンスの確実性評価の結果が効果推定値により GRADE 2Cから2Bへ変更となった。」
少し日本語が変ではないか。2つの文章は内容が大きく異なるのに「なお」で繋ぐのはおかしいし、「されており」の前後で論理性が説明されていない。そしてこの追加になった日本からのCTというのはこれなのだが、発表年はSCARLETと同じ2019年で、どうしてこれが新しい研究とされているのかよくわからない(前回の締め切りが2019年の途中だったのかな?)。
ついでに言えば、AT-IIIについても推奨が2Cから2Bになっている。こちらの方は「J-SSCG2024において実施した系統的レビューまでの間に組み入れ対象となる新規のRCTは出版されておらず,同一の文献を対象にメタ解析を行ったが,複数のアウトカムにわたる正味の効果推定値によるエビデンスの確実性評価の結果,GRADE 2Cから2Bへ変更となった」となっているので、rTMの方も研究が追加されたからではなさそう。
推奨の評価方法が変わったのか、評価する人が変わったのか。
国際ガイドラインの作成に軽く関わったときにも思ったのだけど、エビデンスに基づいた判断とは関係なしに声の大きい人が勝つ、という現象はどこでも起こる。今回はconよりproがちょっと勝ったんだろうな、と想像しております。
まあこの推奨の変化で臨床判断を変える人はまずいないだろうけど。使う人は使う、使わない人は使わない。もう決まっているもんね。
ピヴラッツと同様、リコモジュリンを使うべきかどうかの議論は不毛。
あ、じゃあこの記事も不毛かも。
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