今季のINTENSIVIST。48号ですって。季刊誌だから、つまりもう創刊12年。
そりゃ眉毛に白髪も生えてくるわ。
いつも雑誌社から送ってもらっているINTENSIVIST。だいたいはちょっと眺めて本棚に入れるのだけど、今回はひっさしぶりに熟読した。
読みながら思ったこと。
執筆者で僕よりも年上なのは志馬先生くらいで、あとはみんな30代か40代。どれも内容が素晴らしく、集中治療の人材の豊富さを再確認した。最後の方の座談会で真弓先生と武居先生が出てきて、あ、年上だ、でも座談会だからな、と思っていたら、最後の最後に氏家先生が登場されて、ひれ伏した。当時のICUの話をお書きになっていて、おおと思ったので、僕もちょっと自分のことを書く。
あれは研修医2年目の時。60代女性のAMIによる心原性ショックの患者さんの担当になった。PCIしても改善せず、IABP挿入してICU入室。IABPの機種は忘れたけど、人工呼吸器はもちろんあの伝説の名機サーボC。当時は医者になった瞬間から主治医になるのが普通で、「こういう時は患者さんがダメになるか医者がダメになるかのどちらかだ」とオーベンに言われ、まさしくベッドサイドに張り付いた。どれくらいだろう、もう正確には覚えてないけど、1週間以上だったのは確か。病棟の受け持ち患者さん(10人くらい)の仕事をしにちょっと病棟に行ったのと(もちろん電子カルテはないから全ての仕事は病棟でしかできない)、着替えを取りに一度だけ家に帰った以外は、とにかくずっとICUにいた。不憫に思った年配のナースがICUの倉庫にストレッチャーで簡易ベッドを作ってくれて、「起こしてあげるから寝なさい」と言われるくらいだったので、よほどボロボロだったに違いない。
ある夜、IABPに不具合が起きて止まってしまい、ナースが集まってきた。僕もいたけど研修医は完全に無視され、「直らないから機械を交換しよう」という話をしていた。見ると画面に英語でメッセージが出ていたので、なんとなく書いてある通りにボタンを押してみたら動き出した。ナースたちは無言で去っていった。その頃はICUのナースは怖いというのが一般的な評判で、僕もビクビクしていたので、この時ばかりは顔には出さずに心の中でガッツポーズ。
結局、患者さんの状態は改善せず、VFから心静止。IABPってVFでも反応して動いてA-lineに波形が出るんだということをその時に知った。
研修医が10人の受け持ち患者の主治医で、ICU患者もいて、その診療をほぼ一人でやり、夜にIABPがトラブってもナースのみが対応する、そんな時代。
INTENSIVISTの話をしようと思ったのに完全にズレた。
そうそう、僕の名前が2回出てきた。1度目は志馬先生に引用され、2度目はフルネームで座談会の中に出てきた。過去形で注釈がついていて、ちょっと笑った。まあ確かに過去の人ですけど。
内容の話を全然していないな。
この雑誌は「最新のエビデンスに基づいて、現在わかっていること/わかっていないことを検証、徹底的に解説」が趣旨。それってつまりは文献に書いてあることなので、文献を読むのが趣味の僕的には普段はイマイチ読む気が起こらなかったのだけど、今回は違う。タイトル通り、集中治療の現在と未来について複数の視点から書かれていて、文献では知り得ない情報が満載。
集中治療を真剣にやっている人は、must-readだと思う。
追伸。
今やテレビに出まくっている、讃井、藤谷、林先生方が12年前に何を言っていたかを知りたい(ついでにどんな顔だったかを見たい)方はこちらをどうぞ。
そりゃ眉毛に白髪も生えてくるわ。
いつも雑誌社から送ってもらっているINTENSIVIST。だいたいはちょっと眺めて本棚に入れるのだけど、今回はひっさしぶりに熟読した。
読みながら思ったこと。
執筆者で僕よりも年上なのは志馬先生くらいで、あとはみんな30代か40代。どれも内容が素晴らしく、集中治療の人材の豊富さを再確認した。最後の方の座談会で真弓先生と武居先生が出てきて、あ、年上だ、でも座談会だからな、と思っていたら、最後の最後に氏家先生が登場されて、ひれ伏した。当時のICUの話をお書きになっていて、おおと思ったので、僕もちょっと自分のことを書く。
あれは研修医2年目の時。60代女性のAMIによる心原性ショックの患者さんの担当になった。PCIしても改善せず、IABP挿入してICU入室。IABPの機種は忘れたけど、人工呼吸器はもちろんあの伝説の名機サーボC。当時は医者になった瞬間から主治医になるのが普通で、「こういう時は患者さんがダメになるか医者がダメになるかのどちらかだ」とオーベンに言われ、まさしくベッドサイドに張り付いた。どれくらいだろう、もう正確には覚えてないけど、1週間以上だったのは確か。病棟の受け持ち患者さん(10人くらい)の仕事をしにちょっと病棟に行ったのと(もちろん電子カルテはないから全ての仕事は病棟でしかできない)、着替えを取りに一度だけ家に帰った以外は、とにかくずっとICUにいた。不憫に思った年配のナースがICUの倉庫にストレッチャーで簡易ベッドを作ってくれて、「起こしてあげるから寝なさい」と言われるくらいだったので、よほどボロボロだったに違いない。
ある夜、IABPに不具合が起きて止まってしまい、ナースが集まってきた。僕もいたけど研修医は完全に無視され、「直らないから機械を交換しよう」という話をしていた。見ると画面に英語でメッセージが出ていたので、なんとなく書いてある通りにボタンを押してみたら動き出した。ナースたちは無言で去っていった。その頃はICUのナースは怖いというのが一般的な評判で、僕もビクビクしていたので、この時ばかりは顔には出さずに心の中でガッツポーズ。
結局、患者さんの状態は改善せず、VFから心静止。IABPってVFでも反応して動いてA-lineに波形が出るんだということをその時に知った。
研修医が10人の受け持ち患者の主治医で、ICU患者もいて、その診療をほぼ一人でやり、夜にIABPがトラブってもナースのみが対応する、そんな時代。
INTENSIVISTの話をしようと思ったのに完全にズレた。
そうそう、僕の名前が2回出てきた。1度目は志馬先生に引用され、2度目はフルネームで座談会の中に出てきた。過去形で注釈がついていて、ちょっと笑った。まあ確かに過去の人ですけど。
内容の話を全然していないな。
この雑誌は「最新のエビデンスに基づいて、現在わかっていること/わかっていないことを検証、徹底的に解説」が趣旨。それってつまりは文献に書いてあることなので、文献を読むのが趣味の僕的には普段はイマイチ読む気が起こらなかったのだけど、今回は違う。タイトル通り、集中治療の現在と未来について複数の視点から書かれていて、文献では知り得ない情報が満載。
集中治療を真剣にやっている人は、must-readだと思う。
追伸。
今やテレビに出まくっている、讃井、藤谷、林先生方が12年前に何を言っていたかを知りたい(ついでにどんな顔だったかを見たい)方はこちらをどうぞ。
批判したつもりはなかったですが、してました??
相当尊敬してますが
ありがとうございます。
話の流れでそう書きましたが、修正しておきました。