っていう学会、ご存知の方は当然ご存知でしょうが、
知らない方は、American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine、いわゆるブルージャーナルを出している学会、と言えばより馴染みがあるかも。
AJRCCMは、呼吸器と集中治療が混ざった雑誌で、呼吸器内科医が集中治療医になることの多いアメリカならではなのだけど、呼吸器内科系および集中治療系すべての医学雑誌の中で(抜きん出て)インパクトファクターが高い。
じゃあこの学会の年次総会に集中治療医がこぞって行くかというと、どうなんだろう。少なくとも日本の集中治療医はそんなには行ってない気がする。
で、なんでこの学会の話をしているかというと、ちょうど今、年次総会が開かれていて、その学会で発表された集中治療関連の研究が、なんと一気に4つもNEJMとJAMAにonline publicationされたので、まあ、びっくり。
Critical Care MedicineもIntensive Care Medicineも今月号が出ちゃって、ほっておくと来週の月曜日のブログがとんでもないことになってしまうので、ここで4つを全部紹介してしまおう、と。
Kerlin MP, Small DS, Cooney E, et al.
A Randomized Trial of Nighttime Physician Staffing in an Intensive Care Unit.
N Engl J Med. 2013 May 20. [Epub ahead of print] PMID: 23688301.
ペンシルベニア大学の内科ICUで、夜に集中治療医がいるか、それともオンコールで電話対応するか、でRCT。具体的には、一週間毎にどっちにするかをランダマイズ。Primary outcomeはICU滞在日数。一年間で1598例が対象、ICU死亡率は18%。集中治療医が夜にいた日に入院した患者さんと、いない日に入院した患者さんのICU滞在日数、ICU死亡率、その他すべて有意差無し。
結果はどうでもいい。Single center studyだし。それよりも、ICU staffingについてのRCTは初めてじゃないか?
そういうRCTをやったこともすごいし、single centerでNEJMに載ったというのもすごい。ま、アメリカですけどね。
Guerin C, Reignier J, Richard JC, et al.; the PROSEVA Study Group.
Prone Positioning in Severe Acute Respiratory Distress Syndrome.
N Engl J Med. 2013 May 20. [Epub ahead of print] PubMed PMID: 23688302.
P/F比が150以下の重症ARDS症例466例を対象に、伏臥位を最低16時間するか(それ以降はプロトコルに基づいて)、普通に上を向いているかでRCT。Primary outcomeは28日死亡率。伏臥位群の死亡率が、なんと半減(16.0% vs. 32.8%, p<0.001)。伏臥位による合併症の増加も無し。
うーん。ARDSの予後が改善したぞってNEJMに載るのって、何年ぶり?
これは、じっくり読まないと。でもちょっと信じられないが。。。
Chlan LL, Weinert CR, Heiderscheit A, et al.
Effects of Patient-Directed Music Intervention on Anxiety and Sedative Exposure in Critically Ill Patients Receiving Mechanical Ventilatory Support: A Randomized Clinical Trial.
JAMA. 2013 May 20 [Epub ahead of print] PMID: 23689789.
(うまくリンクが貼れない)
ミネソタの5つの病院の12のICUで急性呼吸不全に対して人工呼吸管理された373例を、音楽を聴く群、ノイズをキャンセルするヘッドホンをする群、通常ケアをする群に分け、不安の程度と鎮静剤の投与を比較したRCT。通常ケア群に比べ音楽を聞いた群では不安が少なく、鎮静剤は音楽を聴いた群で一番少なかった。
研究に参加するか、音楽を聴くかどうかを自分で決めるので、対象患者は少なく、研究に5年かかっている。それと、音楽を聴いていた時間は一日あたり平均で79.8分だけど中央値は12分。どうなんだろう。。。
でも、やったことは面白いし、結果はポジティブだし、アメリカだし。それでJAMAなのかな。
Doig GS, Simpson F, Sweetman EA, et al.; for the Early PN Investigators of the ANZICS Clinical Trials Group.
Early Parenteral Nutrition in Critically Ill Patients With Short-term Relative Contraindications to Early Enteral Nutrition: A Randomized Controlled Trial.
JAMA. 2013 May 20:1-9. [Epub ahead of print] PMID: 23689848.
早期に経管栄養ができないICU患者1372例を対象に、すぐに経静脈栄養(PN)を始めるか普通に管理するかでRCT。コントロール群では栄養投与まで平均で2.8日、早期PN群ではなんと44分。Primary outcomeである60日死亡率は21.5% vs. 22.8%で有意差無し。60日目のQOL、人工呼吸期間、筋力低下は早期PN群の方が有意に良かった。
ANZICS-CTGの研究。
くっそー、結果の評価が難しいぞ。
ついでに、ATSからもう一つ(まだPubMedにも載ってない)。
ONLINE FIRST
Short-term vs Conventional Glucocorticoid Therapy in Acute Exacerbations of Chronic Obstructive Pulmonary Disease. The REDUCE Randomized Clinical Trial
JAMA. 2013;():1-9. Published online May 21, 2013
COPDの急性増悪症例314例に対し、プレドニゾロン40mg/dayを5日間投与するか14日間投与するかでRCT。Primary outcomeは180日までの再増悪の頻度で、二群間に差は無し。
さーて。
仕方ない。全部、ジャーナルクラブ行きです。
知らない方は、American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine、いわゆるブルージャーナルを出している学会、と言えばより馴染みがあるかも。
AJRCCMは、呼吸器と集中治療が混ざった雑誌で、呼吸器内科医が集中治療医になることの多いアメリカならではなのだけど、呼吸器内科系および集中治療系すべての医学雑誌の中で(抜きん出て)インパクトファクターが高い。
じゃあこの学会の年次総会に集中治療医がこぞって行くかというと、どうなんだろう。少なくとも日本の集中治療医はそんなには行ってない気がする。
で、なんでこの学会の話をしているかというと、ちょうど今、年次総会が開かれていて、その学会で発表された集中治療関連の研究が、なんと一気に4つもNEJMとJAMAにonline publicationされたので、まあ、びっくり。
Critical Care MedicineもIntensive Care Medicineも今月号が出ちゃって、ほっておくと来週の月曜日のブログがとんでもないことになってしまうので、ここで4つを全部紹介してしまおう、と。
Kerlin MP, Small DS, Cooney E, et al.
A Randomized Trial of Nighttime Physician Staffing in an Intensive Care Unit.
N Engl J Med. 2013 May 20. [Epub ahead of print] PMID: 23688301.
ペンシルベニア大学の内科ICUで、夜に集中治療医がいるか、それともオンコールで電話対応するか、でRCT。具体的には、一週間毎にどっちにするかをランダマイズ。Primary outcomeはICU滞在日数。一年間で1598例が対象、ICU死亡率は18%。集中治療医が夜にいた日に入院した患者さんと、いない日に入院した患者さんのICU滞在日数、ICU死亡率、その他すべて有意差無し。
結果はどうでもいい。Single center studyだし。それよりも、ICU staffingについてのRCTは初めてじゃないか?
そういうRCTをやったこともすごいし、single centerでNEJMに載ったというのもすごい。ま、アメリカですけどね。
Guerin C, Reignier J, Richard JC, et al.; the PROSEVA Study Group.
Prone Positioning in Severe Acute Respiratory Distress Syndrome.
N Engl J Med. 2013 May 20. [Epub ahead of print] PubMed PMID: 23688302.
P/F比が150以下の重症ARDS症例466例を対象に、伏臥位を最低16時間するか(それ以降はプロトコルに基づいて)、普通に上を向いているかでRCT。Primary outcomeは28日死亡率。伏臥位群の死亡率が、なんと半減(16.0% vs. 32.8%, p<0.001)。伏臥位による合併症の増加も無し。
うーん。ARDSの予後が改善したぞってNEJMに載るのって、何年ぶり?
これは、じっくり読まないと。でもちょっと信じられないが。。。
Chlan LL, Weinert CR, Heiderscheit A, et al.
Effects of Patient-Directed Music Intervention on Anxiety and Sedative Exposure in Critically Ill Patients Receiving Mechanical Ventilatory Support: A Randomized Clinical Trial.
JAMA. 2013 May 20 [Epub ahead of print] PMID: 23689789.
(うまくリンクが貼れない)
ミネソタの5つの病院の12のICUで急性呼吸不全に対して人工呼吸管理された373例を、音楽を聴く群、ノイズをキャンセルするヘッドホンをする群、通常ケアをする群に分け、不安の程度と鎮静剤の投与を比較したRCT。通常ケア群に比べ音楽を聞いた群では不安が少なく、鎮静剤は音楽を聴いた群で一番少なかった。
研究に参加するか、音楽を聴くかどうかを自分で決めるので、対象患者は少なく、研究に5年かかっている。それと、音楽を聴いていた時間は一日あたり平均で79.8分だけど中央値は12分。どうなんだろう。。。
でも、やったことは面白いし、結果はポジティブだし、アメリカだし。それでJAMAなのかな。
Doig GS, Simpson F, Sweetman EA, et al.; for the Early PN Investigators of the ANZICS Clinical Trials Group.
Early Parenteral Nutrition in Critically Ill Patients With Short-term Relative Contraindications to Early Enteral Nutrition: A Randomized Controlled Trial.
JAMA. 2013 May 20:1-9. [Epub ahead of print] PMID: 23689848.
早期に経管栄養ができないICU患者1372例を対象に、すぐに経静脈栄養(PN)を始めるか普通に管理するかでRCT。コントロール群では栄養投与まで平均で2.8日、早期PN群ではなんと44分。Primary outcomeである60日死亡率は21.5% vs. 22.8%で有意差無し。60日目のQOL、人工呼吸期間、筋力低下は早期PN群の方が有意に良かった。
ANZICS-CTGの研究。
くっそー、結果の評価が難しいぞ。
ついでに、ATSからもう一つ(まだPubMedにも載ってない)。
ONLINE FIRST
Short-term vs Conventional Glucocorticoid Therapy in Acute Exacerbations of Chronic Obstructive Pulmonary Disease. The REDUCE Randomized Clinical Trial
JAMA. 2013;():1-9. Published online May 21, 2013
COPDの急性増悪症例314例に対し、プレドニゾロン40mg/dayを5日間投与するか14日間投与するかでRCT。Primary outcomeは180日までの再増悪の頻度で、二群間に差は無し。
さーて。
仕方ない。全部、ジャーナルクラブ行きです。
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