Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

慈恵ICU勉強会 190507

2019年05月18日 | ICU勉強会
5月7日 末梢循環を指標とした蘇生(JC-JAMA)

面白い研究ではあるのだが、末梢循環の身体所見に基づいて循環管理した方が乳酸の値で管理するよりもちょっと良い、特にSOFAが低いと良い、という理由がどうしてなのか、どこにその差が出た理由があるのか、サンプルサイズを増やしたら有意差が出そうか、それとも偶然っぽいか、はよく分からなかった。

それ以前に、乳酸は組織低酸素によって(のみ)産生されるのではないので、それに基づいて循環管理するというのは生理学的に(あまり)正しくない。
それが身体所見の方がマシだった理由、ということか?
はてさて。

そうそう、capillary refill time(CRT)について2つ文献をつい最近見かけた。
偶然にも両方とも日本人がfirst author。

Shinozaki K, Jacobson LS, Saeki K, et al.
Does training level affect the accuracy of visual assessment of capillary refill time?
Crit Care. 2019 May 6;23(1):157. PMID: 31060576.

経験年数が長い人の方が正確だね、というレター。

Yasufumi O, Morimura N, Shirasawa A, et al.
Quantitative capillary refill time predicts sepsis in patients with suspected infection in the emergency department: an observational study.
J Intensive Care. 2019 May 6;7:29. PMID: 31080620.

CRTをSpO2モニタを使って測定し、敗血症の予測精度について検討した研究。

CRTは臨床でもしょっちゅうやるので、評価されたり研究されたりするととりあえずなんか嬉しい。
コメント
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