昇竜の滝を後ろに振り返ってみると 二段の滝だったことがわかる。 そう大きな滝ではないと思っていたけれど 少し上から見るとなかなかだ。
花の様子が少し変わってくる。下の方であまりなかったけれど 紫の綺麗な実を付けた木がいっぱい。「ムラサキシキブ?」「うちにムラサキシクブあるけれど ちょっと違うみたい。」そんな事を言いながら見ている。 紫の深さと言い輝きと言い 本当に綺麗。
「払っても払っても茂って沢を塞いでしまうので サワフタギっていうのです。」 あら? 邪魔者扱いの木だったのですか?
ブローチにしたいぐらい可愛らしい実なのに。
花も変われば 当然足もとの様子も変わってくる。 夜叉壁が大キレットの様に立ちはだかっていて そのすごさに圧倒されるのだけれど 私達はその脇を通るような感じになる。 当然 岩場をよじ上ると言えば大げさだけれど ロープや鎖の下がっているところを慎重に上がっていかないといけない。
あまりロープを使うの好きでは無いので 岩の角に手を掛けて よいしょと躰を持ち上げる。 手の様子を心配して ジオンさんが時々「大丈夫ー」と聞く。
ありがたいことに 引っ張るのは大丈夫。だから登るの足を滑らせなければ そしてゆっくり行けば大丈夫との感触を得た。 嬉しい。
一番のクライマックスは それどころではなく写真はないけれど 丁度谷に当るVの斜面を登っていることになる。 途中で休もうにも立ち止まることが難しい。がんばれ がんばれ
水がちょろちょろ流れているところには モウセンゴケもたくさんあって 小さな実を付けていた。モウセンゴケ 実がつくんだぁ
足場がしっかりしたところを探して立ってみると 登ってきた道が見える。 谷が深くしたにあって 転げ落ちたら大変。誰も助けられないので「いってらっしゃーい」と言われそう。 帰りは慎重にしないとね。
きつい岩場を登り切ったら 木々の間 右手に池が見える。 これ 夜叉が池? 拍子抜けするぐらい 小さな池だった。
木道を降りて池の端まで行くことに お~~っと 夜叉姫のお迎えだぁ 二匹の蛇さんが 木道の下でからみ合ってじっとしている。 ひぇ~~ 何もお迎えいただかなくても 良かったのに。
ここは保護区というよりは 本当は人を入れない国有林となっているのを 何とかと言うことで福井県のボランティアが(夜叉が池が福井県にあるから)監視をするからと 言う約束で立ち入ることができる山。だから火が使えないよと言われ おむすびと おかず果物を少々持って上がってきたのだけれど
いつものようにジオンさんからポットのお湯で入れるお味噌汁やチジミ 苺のヨーグルト そしてあこがれのBoggyさんの海鮮ピラフ ケーキさんからも果物 おつけもの 沢山頂いて おにぎり食べないで終わってしまった。 やっぱり山ご飯楽しい。 ごちそうさまでした。 食べるのに夢中で 写真ありません 残念
ここでボランティアの方から 夜叉が池の保護についてもお話を聞く。 夜叉が池が丁度分水嶺に当っていること 私達が食事をしていたところは 雪解けの頃は水に浸かって池の一部であること。 だから私達がもし不用意に煮炊きをしたり 池で手を洗ったりすると 池の水に大きな影響を及ぼすこと。
何故 そんなに池の水に気を遣わなければならないか? それは龍神様のたたりが起きるから・・・・ ではなくて 夜叉が池にヤシャゲンゴロウという絶滅危惧種がいて その保護のためと言うことらしい。 この辺りは丁度南限になっていて 気温が一度上がるだけでも 絶滅するかもしれない。そんな危ないところにいるらしい。
と保護に一所懸命になっていらっしゃる人には悪いけれど あまりに小さくて これがヤシャゲンゴロウ?と思ってしまったのは確かだけれど。
この池はPHが5点いくつと言うだけあって酸性が強くて魚は住めない。 水が綺麗なので 近づいてみると おなかの赤いイモリのゆらゆら泳いでいる。
これもわたしの苦手な分野だけれどね。
美しく神秘的な池にさようならをして 元来た道を下る。 あれれ まだ夜叉姫がお見送りに立っているよ。 あの場所で動かない。
岩場は危ないことわかるので 慎重になるけれど 本当は岩場を抜けてからの方がもっと怖かった。 登りには感じなかったけれど 斜面に小さな小石があるので 思いがけずづるっっと来る。きゃっ きゃっ あちこちで悲鳴が上がる。
小股で歩いて 用心していたわたしも 何度かのずるっの後で どてんと尻餅をついてしまった。 ごつごつの岩に尻餅をついたものだから 痛った~ 今でも青いお尻と 右手の擦り傷を見て これだけで済んで良かった~と撫で撫でしている。