テムテムな日常

頑張れみんな!頑張れ自分!

根底にあるものは

2006-12-30 | 雑談

さっきなんとなくついていたテレビでやっていた番組・・・NHKなんですけど、ちょっと気になったことを書きます。もしかしたら、あまり気持ちの良い内容にならないかもしれません。でもどうしても腑に落ちなくて・・・。解決のヒントをください。

田舎で農業を志している青年の話。両親は公務員で、彼は大学を卒業後、就職には興味をもてず、「とりあえず」ぷらぷら過ごす生活に。ある日ふと興味がわいた「農業ボランティア」に参加し、そこで農業のおもしろさに取り付かれ、収入の低さを覚悟で田舎へ移り住み農業の道を志す・・・。

今は結果として「農業」で生活している彼。「地球との一体感」を感じ、食物連鎖の過程を間近で体験。そこには「自分の知識をほか(途上国など)に還元する」ということは考えておらず、土地に関してもデータをとったり、統計をとったりといった試みはせず、ただひたすらに日々、土を耕す日々なのだそうです。

彼の生活は、それはそれでいいのでしょう。本人が納得しているのだから。ただ私がひっかかったのは「大学卒業後に就職に興味が持てず・・・」というところ。この人は、なにしに大学へ行ったのでしょうか。

自宅が公務員家庭、ということで、裕福でないにしろそれなりの生活が保障されているからこその「ワガママ」だとはとらえられないでしょうか。

生きるためには「仕事」をしなければならない。でも仕事をしなくても「生きて」いけるのなら、誰も働かないでしょう。生きるためには「お金」が必ず必要で、お金を得るために仕事をするのです。だから「仕事にやりがいをもとめる」というのは、あくまで二次的なことで、まずが「働くことによって収入を得て、生命活動を維持する」ことが第一前提なのではないですか?「やりがい」とか「充実感」とかはその先にある問題ではないのですか?

極端な例になりますが、家族を養うために長距離ドライバーをやっている人と、親と同居しながらボランティア活動をしている人との「収入」や「充実感」は同じではないでしょう。しかしどちらの生き方がラクか苦しいか、と考えたとき、きつい仕事をして高収入を得ることと、収入はなくても充実感に満たされた毎日とは同じ土俵で比べられないと思います。

農業に魅せられ、土とともに生きている彼のことを悪くはいいませんが・・・衰退の一途をたどっている農業に従事しようとしている若者を生み出す土壌が、「収入は低くてもまぁ、親に頼ればなんとかやっていけるやろう」という思考のもとになりたっているとしたら・・・この先日本には夢も希望もないんやなぁ、と、どんよりした気持ちになってしまいました。(彼がそうだとは言いませんが)

もちろん、自分の夢をかなえようとする姿勢は誰にも否定できるものではないけど、その夢をかなえるためには多くの人の苦労があってのこと・・・大学だって、タダでは通えないのですよ・・・。親が苦労して払ってくれたであろう学費で学んだ4年間で、「就職することに興味がもてない」ことを学んだのだとしたら・・・これは苦学生だった私の愚痴でしょうか。


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4 コメント

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経済大国がアジアのお荷物になる予感 (mizzie)
2006-12-30 20:45:34
僕が高校生の頃はまだ、『いい大学に入っていい会社に入れば生涯安泰』ってのがあって、その頃の級友達は「受験はシンドイけど入ったら遊びまくるんだ!」とか言ってて、そんな事に4年間も使うのは無駄だと思った僕は、「自分が一番スキな事」に人生を賭け、レースの世界に飛び込みました。

って前置き長くなりましたけど、入学して最初の2年を遊びまくり、後半の1年半は就職活動に費やすだけで、就職が決まったらまた遊びまくる、不毛で非生産的な過ごし方しか出来ない日本の大学システムでは、「親の金と自分の時間を無駄にするだけ」な日本人が大量生産されるだけにしかならないような気がします。

日本の学校教育システムそれ自体が、低価格・高品質な工業製品を大量生産する為の、質のいい賃労働者を製造(あれは教育とは呼べません)する事に特化されていましたが、中国や東南アジアの台頭で「安価で良質な工業製品生産国」としての日本の地位は既に奪われています。
『経済力』以外には何も持たない国が経済力を無くしてしまったら、そこに残るのは「食料自給率40%」の貧相にゆがんだいびつな国です。

日本がそうなっても、hanaさんはタイへ、僕はUSへ逃れる事が出来ますが、一般大衆レベルではこの国の未来はPerfect black bodyですよね…。
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暗いですね~ (hana(本人))
2006-12-31 15:10:41
>mizzieさん
mizzie's cafeの記事を読んで、マジへこんでしまいました・・・ほんと、暗い世の中に産み落としてしまってごめんよ~って感じです。
私のやりたかったことが学べるのは、国公立大学では当時母校とあと1つぐらいしか選択肢がなく、まわりの子たちもみんな志をもってあつまってきた子ばかりだったので、非常に充実した学生生活でしたねぇ。そんな中での大学生活だったので「とりあえず公務員」とか「なんとなく教員免許」などというような学生と係わり合いになることもなかったので、世間の流れに今更ながらあきれ果てている現状です。
まぁ、よその人のことなんで、どうでもいいんですけど・・・私達にしわ寄せがこなければ、ね。
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絶望の底で希望を見る (mizzie)
2006-12-31 20:37:52
もし本当に僕がこの国に絶望していたら、
あの記事はきっと書かなかったでしょう。
日本なんかとっとと捨てて、アメリカに帰ればいいんですから。

「このまま何もしなかったら、この国はあんな酷い国になっちゃうんだよ!」って言うメッセージを込めて、あれを書いたんです。
僕自身、自分は日本の歴史上最も幸福な時代を生きた実感があります。
僕等のじーちゃんばーちゃん世代が頑張って、焼け野が原だった国に作り上げたこの幸せえを、
『キチンと』次の世代に引き渡す。
それは70年代生まれの義務だと考えています。

夢だけを抱えて渡米し、そこで彼の国の現実に絶望して帰国してみたら、この国のパンドラの箱は開けられた後だった。

支配者層による、一般庶民の低脳化作戦はほぼ完遂されつつある。
マスメディアは完全に奴等に握られた。

だけどここに、支配者の規制が掛けられないネットというツールがある。
僕は『サンフランシスコ滞在記』で高知の地方誌で連載コラムを持っていた時、政治的な記事は編集段階で編集者から、「これはウチの読者層にウケる記事じゃない。」と言われて、片っ端からボツにされてました。

売り上げとか、クライアントの意向とか全く気にせずに自分の好きな事が書けて、不特定多数に向けて発信できるブログというツールを得た僕は、きっとこれからも書き続けると思います。
僕が書いた「最悪の未来予想図」を、21世紀初頭に懸念されたペシミスティックな予想。として50年くらい後に笑い話のネタにさせる為に。


ゆきくんを戦地に行かせるような事があってはならないし、せーかちゃんが戦火にさらされるような事もあってはならないんですから。ゼッタイに。
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まったくそうです (hana(本人))
2007-01-02 08:18:03
>mizzieさん
そうですね。この国が危機的状況にある、ということを分かっていない人間が多すぎます・・・だから一般庶民レベルで情報発信していく必要が絶対にあります。
きっとmizzieさんがとある文学賞あたりを受賞することになれは、mizzie's cafeの過去記事たちももっと多くの人の目にはいり、みんな目が覚めるでしょう。期待していますので頑張ってください!
私達がホームに入って茶飲み話なんかのときに「私らが若かった頃はね~・・・」と、すべて笑い飛ばせる穂の中になっていればほんとにイイですよね。
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