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癌組織=暴力団??

2006-09-02 13:04:59 | 健康・病気

んっ!?何?今日は映画評論??・・・いえいえ、今回も熱血院長の癌治療講座なのでございます♪

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癌組織(暴力団)の資金ルートを断て

アメリカ禁酒法の時代には、エリオット ネス率いるアンタッチャブルが、酒の密造現場を次々と破壊していく映像は痛快でしたが、結局アル カポネの暴力団組織は次々と組織を大きくしていきました。最終的にカポネを牢にぶち込んだのは、殺人容疑でも、酒の密造容疑でもなく、資金ルートの洗い出しからの脱税でした。

 暴力団はよく「社会の癌」などと称されます。今回は癌組織を暴力団に見立てて、癌治療を考えてみましょう。暴力団が生き延びていくためには資金が入ってくるルートが必要です。資金源は売春、薬物、賭博、密輸入、やみ金融などさまざまですが、最終的には「お金」が暴力団に入ってくる道筋が必要なわけです。癌組織にとっての「お金」は「栄養」であり「酸素」であることになります。この資金ルートに相当するのが、癌組織が作り出す血管です。したがって、癌組織の血管新生を阻止できれば癌組織はやがて自壊していくわけです。 ではどのようにして癌の新生血管が成長するのでしょうか?

暴力団の組員をがん細胞と考えて見ましょう。組員は豊富な資金で無制限に分裂増殖する性質があります。さらに組員は遺伝子的にNF-κBという厄介な性悪な性質を持っていて、活性酸素、TNF-α(説明は省略します)などで刺激されると

NF-κBが働いて、

COX-2という、聞きなれない性悪酵素を作り出します。

その結果プロスタグランジンE2という新たな資金ルート(癌組織の血管新生)を作り出したり、組員自体の分裂増殖を助ける物質を作り出します。

(現実社会の暴力団組員が先天的に性悪という意味ではありません。念のため。)さらに、プロスタグランジンE2は毒気のようなもので、取り締まる警察官(リンパ球)を毒気にあてて、組員の検挙率は激減します。これを腫瘍免疫の低下と呼びます。そこで、COX-2という、聞きなれない性悪酵素の働きを阻止できれば組員(がん細胞)の増殖を抑え、資金ルート(癌組織の血管新生)も抑えられ、組員(がん細胞)の検挙(殺傷)にも効果があがるということになります。

一般的に、暴力団組織(癌組織)が正常の組織に浸潤する場合、何らかの社会的な軋轢(あつれき)が生じます。生体の反応で言えば、炎症が起きます。この炎症が起きた際にもインターロイキン8という軋轢物質も、血管の新生を促進することが知られています。 そこで、やはり炎症は抑えなければならないという治療原則が生じます。

今回のお話では、聞きなれない単語が多数出現しました。

「癌の成長を止める」「癌と共存する」というがん治療の考え方の中で

漢方と西洋医学がどのように協力できるかを次回お話しましょう。