がん患者はどんな原因で死ぬのか? 癌で死なないために (5) 免疫力のアップ 黄耆(おうぎ)の効用 黄耆(おうぎ)は人参、霊芝、冬虫夏草とともに気を増強させる代表的な生薬です。多くのがん患者は漢方的に気陰両虚の状態です。人参は補気に益陰も兼ねるのでがん患者には適していますが、黄耆は補気作用のほかに、助火作用があるために、陰虚が基本的に存在するがん患者の場合、陰虚火旺の状態を誘発したり助長したりするので、使用されるべきでないといわれてきました。 しかし、適切な滋陰薬を併用することで、黄耆の免疫賦活作用や抗腫瘍作用を利用することが可能と思われます。 黄耆の免疫賦活作用
抗がん剤によるリンパ球やマクロファージ機能の回復が報告されています。
黄耆の抗腫瘍作用
各種の癌を有するマウスの実験で、生存期間の延長が認められ、LAK(lymphokine activated killer cell)活性を増強する、つまり腫瘍を攻撃するリンパ球の活性化によると報告されています。
黄耆の抗アレルギー作用
いまだ、そのメカニズムの全貌は明らかではありませんが、黄耆には確実に抗アレルギー作用があります。
黄耆の補気摂血作用
人参、白?などと共に、各種の出血防止と止血に使用されます
黄耆の利水消腫作用
浮腫みや、尿量の減少にたいして、白?、防己などと共に使用されます。
このような、実にさまざまな効能からして、がん治療においても、
今後の黄耆の役割に期待が持てるのです。