さぁ、週明けです!ノリノリ院長の漢方講座、開講~!!!
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冬眠前のおとなしい黒熊くん
食料も乏しく、気温も低下してくると、冬眠動物(蛙、蛇、熊など)は冬季の間、じっと静かに寝ている。前回、癌組織を暴力団になぞらえ、資金ルート(癌組織の作り出す新生血管)を断てば、冬眠まで行かなくても、癌組織をおとなしくさせ、休眠できる可能性をお話した。 それにはCOX-2という性悪酵素を作り出すNF-κBの活性化を抑えることが肝要だ。COX-2はプロスタグランジンE2を生み出して、新生血管(資金ルート)を癌組織の周りに作り出すからである。 芳香(よい香り)がする漢方薬にはテルペン類が含まれる。ハーブ類にはテルペンを含むものがおおい。ちなみに中国漢方薬を英語に直すと Traditional Chinese Herbal Medicineといい、欧米ではハーブが使用されているという認識である。 写真は芳香性の漢方薬である「木香」である。 木香
木香は漢方薬の世界では行気薬あるいは理気薬に分類されている。行気、理気とは気をめぐらせるという意味である。木香は独自の香りがあり、味は辛く、苦い、性質は温であり体を温める。漢方の世界では辛散苦降により温通すると難しく表現しているが、要は、胃腸の気をめぐらして、痛みを除く。古来より精油を含むので長く煎じると効能が低下するといわれている。 最近の研究では、この精油の中に、NF-κBの活性化を抑え、その結果、新生血管の増殖を抑えるテルペン化合物であるコスツラノイドが含有されているという。 NF-κBやCOX-2を抑える漢方薬は木香に限らない。 次回も「癌組織を眠らせるには?」の続きをお話したい。