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流れをよくする理気薬とは?

2006-09-29 10:53:51 | うんちく・小ネタ

がん患者はどんな原因で死ぬのか? 癌で死なないために (8)

悪液質の改善 理気薬はなぜ必要か? 木香(もっこう)郁金(うこん)など

漢方医となってから、最も悟ったことのひとつに、理気薬の効能がある。闇雲に補うばかりでは、生体は正常な機能を発揮しない。「流れ」が必要だ。ジャブジャブと金融緩和目的で紙幣を増発しても、金の流れがスムーズでなければ、経済は活性化しない。同じことだ。

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木香(もっこう)     郁金(うこん)

理気薬は行気薬とも言います。がん患者の場合は、必ず気虚を合併します。

したがって、気を補う人参、霊芝、冬虫夏草、黄耆などの補気剤が必要です。

しかし、がん患者では、「気の不足」もさることながら、「気の流れ」が滞っているのです。これを「気滞(きたい)」といいます。気滞がおきると「血」の流れも悪くなり、「血(おけつ)」を生じます。これを「気滞血淤(きたいけつお)」といいます。気血の流れを河川にたとえれば、上流に気を補うと共に、中流、下流の流れを良くすること、つまり、行気(気を巡らす)させることが、より効果的な補気剤の使用法です。

木香(もっこう)の抗癌効果 がん組織の新生血管の増殖を抑える

癌組織中の転写因子NF-κBの活性化を抑え、その結果、癌組織が増大するのに不可欠な新生血管の増殖を起こすといわれるシクロオキシゲナーゼ - プロスタグランジンE2系をブロックします。ブロックする木香の物質は芳香性テルペン化合物であるコスツラノイドといわれています

郁金(うこん)防癌効果 悪液質改善効果 

郁金はショウガ科に属し、乾燥粉末は「ターメリック」という香辛料であり、カレー粉の黄色い色素です。これを利用して、たくわんの着色剤、郁金染めの染料としても使われています。

漢方薬学では郁金の薬理作用を次のように説いています。

行気解郁(ぎょうきかいうつ)といい、ゆううつ、いらいら、抑うつなどの情緒変動(肝気郁結)などの症状を安定させる効果があります。利胆退黄(りたんたいおう)といい、胆汁の分泌促進と黄疸を軽減する作用は肝疾患に用いられます。また、活血止痛(かっけつしつう)といい、瘀血(おけつ)を取り除き痛みを止める作用があり、止血や鎮痛を目的にする他、芳香性健胃薬としても使用されます。つまり、郁金(うこん)は気滞と瘀血を共に改善しますので、がん患者の悪液質の改善には有効です。中国では、広東の広郁金は行気解郁に優れ、四川の川郁金瘀血を除く効果に優れているとされます。

注意すべきは、木香温薬であり、郁金涼薬であることです。漢方医は、患者さんの体調にあわせて、暖める木香が適切か、あるいは冷やす郁金が適切かを判断します。日本では姜黄(きょうおう)が郁金として流通している場合があります。姜黄(きょうおう)は温薬です。

    最近の郁金の研究

郁金の黄色色素クルクミンおよびその辺縁物質には、抗炎症作用、抗酸化作用などの薬理作用が報告されており、悪液質改善と共にガン予防効果も期待されています。

今日もがん悪液質との闘いが始まる。


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