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茜色の終曲

2007-03-09 02:40:58 | Anime(アニメ・コミック)
※当記事は、アニメ「Kanon」の視聴感想記事です。
内容には本編の過度なネタバレが含まれておりますので、閲覧の際は十分にご注意下さい。
また、原作ゲームを未プレイの方や、東映アニメーション版「Kanon」を未視聴の方を考慮して、記事全体を反転表示処理させて頂きます。
加えて上記条件に該当される方の中で、タグが有効ではない携帯端末などにて閲覧されている場合は、此処で閲覧を中止する事をお勧め致します。


あの京都アニメーションが製作するという事で、放送前から大きな注目を集めていた(京アニ版)「Kanon」、その奇跡の織り成す物語も、いよいよ大詰め…という事で今回、そして次回=最終話の視聴感想記事に関しては、”2度目のアニメ化”とは言え、作品の核心部分に触れるネタバレを考慮した結果、反転表示処理する事に決めた次第です。
記事としては、やや見難いかもしれませんが、その旨どうぞご理解頂けます様、重ねて宜しくお願い致します。


■アニメ「Kanon」---第23話「茜色の終曲(フィナーレ)~finale~」

車体広告に見られた「ダブルSOS」は、「ハルヒ」第2期を意味している!?(ぇ


ようやく、全ての始まりである”最後の記憶”を取り戻し、消えてしまった あゆの影を求めて、猛吹雪となった暗闇の森を、ひとり彷徨う祐一。
しかし、あの”ふたりの学校”にも彼女の姿は無く、絶望の前に力尽き、雪道へ倒れ伏した祐一は、ひとつの奇跡の断片---「沢渡真琴」によって、再び希望を拾う事に。

前話の視聴感想記事において、あの光はおそらく自動車のヘッドライトで、祐一に前に現れた真琴は、誰かに祐一の居場所を知らせているのではないかと仮定し、その”誰か”に関しては---

1.真琴繋がりで、天野美汐
2.病院からの帰りだった香里(もしくは栞も)
3.予定よりも早く退院出来た舞と佐祐理さん
4.大穴で、「沢渡真琴」本人(ぇ
5.上記以外の誰か


などと言う選択肢を設けてみましたけど、よもや大穴中の大穴である「沢渡真琴(本人)」が登場するなんて…w
この「沢渡真琴(本人)」と言う人物は、7年より前、祐一が淡い恋心を寄せた、水瀬家の近所に住んでいたという「真琴お姉さん」(以下は、この名称にて扱います)であり、この事を聴いていた「真琴」が、人間の姿となって祐一の前に現れた際に、その名前(姿も?)を借りた(と思われる)存在。
原作ゲームでは思い出話の中だけで簡単に登場し、明確なビジュアルやセリフも存在しなかった、ある意味ではオリジナルキャラとも言える真琴お姉さんを、この最終局面で本編に絡ませた意味合いは、祐一自身が真琴という存在を求めていたからというよりも、名雪シナリオが同時進行している関係上、本来ならば聞き役となってくれる秋子さんがいない為、祐一の心の内をただ受け止め、先へと進む事を促してくれる第三者、その代役としての意味合いが強いのではないかと思われ。
なお、此処で祐一の発した「同じ事の繰り返し」は、「Kanon」というタイトルにも絡む要素のひとつですけど、別にそれが鍵を握っているとかいう訳ではありませんので。

ただ、この真琴お姉さん、その容姿が真琴を成長させたと言うよりも、どうにも「朝比奈みくる(大)」に近しい印象を受けてしまったのは、作画云々よりも、話し相手が祐一>杉田智和氏>キョンと相成って、余計にそう感じさせているとも;
そうか、詰まる所は「沢渡真琴(大)」と(ぇ
そんな真琴お姉さんの部屋には、「『キツネ』と『葡萄』のイラストが描かれた便箋(真琴専用BGM「the fox and the grapes」、引いては童話「きつねとぶどう」から)」、部屋の鍵に付けられた鈴、冷蔵庫の中に「肉まん」と、「真琴」をイメージさせるアイテムが散りばめられている、お遊び的な部分も見られましたけど、其処には果たして「真琴お姉さん」と「真琴」の関係が、ただその姿を写した・写されたではなく、まだ他の繋がりがある様な気が?
…まぁ流石に、真琴お姉さんフラグは建たないでしょうけどねw(爆

祐一が真琴お姉さんに胸の内を吐露したのに対し、ひとり塞ぎこんだままだった名雪の元には、北川からのヘルプを受けて、香里が水瀬家を訪れる。
自らも自分の妹---栞に纏わる哀しい現実から目を背けて来てしまった、そんな過去から、名雪に「私と同じ過ちをして欲しくない」と願うというのは、マルチシナリオではなく、此処までストーリーを積み重ねて来たからこそ出来得る展開であり、より近しい、同じ痛みを背負おうとしている親友による励ましは、祐一が絡まない進行においては、これ以上に無い存在であり、そして彼女にしか出来ない役回りですね。
そうして、やがて名雪は現実に負けない強さを取り戻していくものの、しかし香里の口からは、栞の命がまもなく消えるという発言が飛び出した事に加え、北川からの連絡を受けて迷っていた香里を、水瀬家に向かわせた栞の行動からは、悲観的ではないものの、既に現実を達観してしまった様に思えてしまったのは、次回の結末に向けて、何とも言い難い感情が;

再び祐一は、あの場所…ふたりの学校を目指し、脳裏には あゆと共に、そして真琴、舞と佐祐理さん、栞、名雪、秋子さんと過ごして来た思い出が過ぎる。
そんなシーンのBGMには、第16話にて使用された「Last regrets -X'mas floor style-」<島みやえい子>に続いて、「Kanon Arrange best album 『recollections』」に収録されている「Last regrets -acoustic version-」<Lia>を使用。
本当、原作準拠のBGMだけでも大満足なのに、更なるアレンジ楽曲まで使用するなんて、贅沢なライブラリーですよねw

束の間の幻想の中へと身を委ねた祐一の元にようやく、求め続けた彼女が姿を現し、「ボクの事、忘れて下さい」という、ひとつ目の願いと対をなす---そんな願いは祐一によって否定され、あらためての最後の願いは、あゆの姿と共に風の中にかき消えてしまう…。
この辺りを暈している辺り、最終話にて起こるであろう奇跡の行方が気になる所ですけど、次回予告にて登場した、栞のセリフ(此処の下りは、栞のエンディングでの会話)の中にある「夢の中でひとつだけ願いを叶える事が出来る」からは、様々な予想が立てられるものの、その結果に関しては、黙して次回を待つばかりですわ。

7年前---あゆを失った悲しみから、名雪を拒絶した祐一。
現在---秋子さんがいないという現実から、祐一を拒絶した名雪。
あたかも「Kanon」本編冒頭シーンのごとく、雪の中、駅前のベンチに座り続ける祐一へと、自ら現実に向き合った名雪が歩み寄る。
「これで、おあいこ」という言葉と共に、強くなろうと誓う2人の姿には、最終的な「名雪エンド」を見るにはやや足りない印象なものの、結果的には恋愛感情を秘めたままにした名雪の扱いは、これまでのストーリーの構成からすれば、無理にそれを表出させてしまうよりも纏まりが良いのは解りますけど、やっぱり不憫過ぎますよ;

ひとつの始まり、ひとつの終わりを繰り返し、冬の街にて織り成されてきた物語。
全ては春の訪れと共に---


いま、長かった夢が終わりを告げる。
最後のひとつだけ、願いを叶えて。

次回、最終話「夢の果ての追復曲(カノン)~Kanon~」

遂に迎える最終楽章。
果たして、あゆの願いが辿り着く場所とは---やがて雪の融けた街に、小さな奇跡が舞い降りる。
あらすじを読む限り、一人だけ結末の見えない少女がいる様子ですが、最後はどうか、幸せな記憶を…って、コレは違う作品か;

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2 コメント

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やっぱりネタバレかな? (きつねのるーと)
2007-03-10 00:48:59
こんばんわ、
今回の展開は、やっぱり最終的に東映版に似てしまっていますね。落ち着いて考えて見ると…ですが。

でもこの記事の内容でしたら、ネタバレに繋がるものではないと判断しますが…いかがですか?私の判断が甘すぎるのでしょうか?
あくまでも、念の為です。 (DMz-iL)
2007-03-10 02:46:17
まずはコメント+TB、ありがとうございます。

>やっぱり最終的に東映版に似てしまっていますね
同じ作品を原作とする以上、あゆシナリオを纏め(軸)に位置付けている時点で、それは仕様がないかと。
ただ此処までに、名雪の祐一に対する感情を(祐一に対しては)表出させなかった事で、名雪の不憫さこそ(現時点では)変わらないものの、東アニ版より感情面での辻褄合わせの纏まりが良くなっているのは、2クールだからこその尺的余裕が成せたモノでしょうね。

>この記事の内容でしたら、ネタバレに繋がるものではない
判断基準は千差万別なので、一概にどれが正解、または判断が甘い・辛いとは言えませんけど、それ以前の問題として、ウチのブログでは記事全文が表示される仕様になっている分、不用意に見てしまう可能性も十分に有り得るので、念の為に反転表示処理を施した次第です。
また「うたわれるもの」の感想記事でもそうでしたが、原作が継続中、そして、その気になれば(まぁ、そんな事をする方は少ないと思われますけどw)直ぐに結末を知る事の出来る漫画や小説などの作品とは異なり、ゲームの場合は基本それ単体で完結し、エンディングまでにそれなりの時間を要する事から、ネタバレの基準に関しては、私自身の線引きとして、やや辛めにしているというのも、ひとつの判断材料です。

ただ「真琴お姉さん」に限っては、結構なインパクトを与えた所為か、割と各所で伏字扱いになっている様子だったので、こうした処理もあながち…。

ともあれ長々と書き連ねましたけど、要は「ネタバレは見たくなかったのに見てしまった、どうしてくれるんだ!」という様なお叱りを回避する意味合いが強い、念の為の処理という事で、ご理解の方、宜しくお願い致しますw

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