■アニメ「灼眼のシャナⅡ」---第19話「言えなかったこと」
自らの置かれた危急的状況を的確に捉え、ヴィルヘルミナに見出された自在師としての道を指針に、これからの戦いに足を踏み入れる覚悟を決めつつも、何処か焦燥とも虚勢とも迷いとも思える振る舞いの果て、身を案じてくれた吉田さんに対して、あまりに酷で明確な拒絶の意思を表してしまう悠二。
そんな悠二の態度を快く思えず、逆に大きく拒絶してしまうシャナも含め、それぞれの歯車が微妙に噛み合わなくなった、ある日の朝---なにやら言い知れぬ違和感を感じ取っていた悠二の前に、仮装舞踏会の捜索猟兵(イェーガー)“聚散の丁”ザロービが姿を現した。
悠二の心持ちや周囲との関係が、原作とはベクトルの異なる不安定さを曝け出している分だけ、相当に追い込まれている印象を受ける状況で迎えたザロービ戦は、これまでの戦いの中、悠二が生来持ちえ、磨き上げられた状況判断能力と、鍛錬によって身に付けた身体能力+自在師としての能力を遺憾無く発揮し、初めて悠二単身で徒に戦闘を挑む、駆け引きの激しい頭脳戦→自在法を駆使した肉弾戦へと続く内容だった訳ですけど、本来ならばその初陣を喜ぶべき場面なのですが、先述した通りの不安定さが災いしてか、どうにも劇中においてザロービの企てを看破して行く悠二の態度(行動)に、むしろ危うさを感じずにはいられず。
事実、原作でもこの後の展開は……なだけに、或いはその味付けをしている段階と言えないでもないですが、少し先のシーンにて、自分自身の気持ちに嘘を付いていた---この街を離れれば、徒の狙いを惹き付ける事が出来る反面、残ってこの街を守りたいという気持ちが存在している矛盾が、何処にもやり場の無い焦燥感(=盲目的に鍛錬に打ち込む)に繋がっていたと自己解決している分、必ずしも其処に繋がらないならば、ちょっとしたミスリードになっていると思えなくも。
とは言え、この味付けは、原作における「手紙イベント」をスルーする代わりに、ふたつの選択肢:この街を離れる=シャナ、残って街を守る=吉田さんを強調する為に必要な要素とも思えるので、原作での悠二の様に平常心でザロービ戦に当たるのではなく、際どさを残したままで状況を乗り越えさせたのは、マージョリーの言葉---「覚悟は頭でするものじゃない、腹で決めるもの」を裏づけする、悠二の覚悟がまだ揺れている段階であるのを印象付けるには、十分に機能していたと思われ。
ちなみに原作通りならばシャナと吉田さんへのフォローは、続く戦いの中で描かれるはずなので、其処であらためての選択…となるのでしょうけど、これでフォローの無いまま、最悪の展開へ続いて行くのは、流石に勘弁願いたいですわ;
また、悠二とはまた別の選択---“紅世”に関り続けるか否かを迫られる田中の側に、その選択の切っ掛けとなり、同時に心の支えでもある緒方さんが常に隣に付き添っている様子は、原作以上の絆の強さを見せる事で、あたかも悠二の(特に吉田さん、総じてシャナにも対する)行動に対して、正反対のごとき印象を受けますね。
“零時迷子”のミステスを餌に、集結したフレイムヘイズを、ザロービ自身の張った封絶の中へと誘き寄せ、其処を宝具“タルンカッペ”で存在を隠している“吼号呀”ビフロンスの遠距離大質量攻撃で、封絶ごと一網打尽にする(ザロービ自身は、アンカーの役目である“桃色のスカーフをしたザロービ”と合体し、攻撃範囲内=封絶内から離脱する)という、“聚散の丁”ザロービの企てを見事に看破し、単身で(ザロービの分裂体とは言え)5体の徒を討滅した悠二。
お互いの確執は一先ず、駆けつけたシャナや、ヴィルヘルミナと共闘し、間一髪の所で“吼号呀”ビフロンスをも討滅出来た訳ですけど、この一連の戦闘シーンは、原作にて描かれていたアクションやコンビネーションを、正に文字通り映像化した内容に見入ったものの、やはりあの短いスカートで後ろからのアングルでは、色々と(ぉ
かくて仮装舞踏会の捜索猟兵と巡回士の作戦は灰燼と帰し、やがて悠二は気付いたその本心を、シャナに告げようと声を張った瞬間、突如として茜色の大爆炎が立ち上がる!!
次回---「茜色の死闘」。
自らの置かれた危急的状況を的確に捉え、ヴィルヘルミナに見出された自在師としての道を指針に、これからの戦いに足を踏み入れる覚悟を決めつつも、何処か焦燥とも虚勢とも迷いとも思える振る舞いの果て、身を案じてくれた吉田さんに対して、あまりに酷で明確な拒絶の意思を表してしまう悠二。
そんな悠二の態度を快く思えず、逆に大きく拒絶してしまうシャナも含め、それぞれの歯車が微妙に噛み合わなくなった、ある日の朝---なにやら言い知れぬ違和感を感じ取っていた悠二の前に、仮装舞踏会の捜索猟兵(イェーガー)“聚散の丁”ザロービが姿を現した。
悠二の心持ちや周囲との関係が、原作とはベクトルの異なる不安定さを曝け出している分だけ、相当に追い込まれている印象を受ける状況で迎えたザロービ戦は、これまでの戦いの中、悠二が生来持ちえ、磨き上げられた状況判断能力と、鍛錬によって身に付けた身体能力+自在師としての能力を遺憾無く発揮し、初めて悠二単身で徒に戦闘を挑む、駆け引きの激しい頭脳戦→自在法を駆使した肉弾戦へと続く内容だった訳ですけど、本来ならばその初陣を喜ぶべき場面なのですが、先述した通りの不安定さが災いしてか、どうにも劇中においてザロービの企てを看破して行く悠二の態度(行動)に、むしろ危うさを感じずにはいられず。
事実、原作でもこの後の展開は……なだけに、或いはその味付けをしている段階と言えないでもないですが、少し先のシーンにて、自分自身の気持ちに嘘を付いていた---この街を離れれば、徒の狙いを惹き付ける事が出来る反面、残ってこの街を守りたいという気持ちが存在している矛盾が、何処にもやり場の無い焦燥感(=盲目的に鍛錬に打ち込む)に繋がっていたと自己解決している分、必ずしも其処に繋がらないならば、ちょっとしたミスリードになっていると思えなくも。
とは言え、この味付けは、原作における「手紙イベント」をスルーする代わりに、ふたつの選択肢:この街を離れる=シャナ、残って街を守る=吉田さんを強調する為に必要な要素とも思えるので、原作での悠二の様に平常心でザロービ戦に当たるのではなく、際どさを残したままで状況を乗り越えさせたのは、マージョリーの言葉---「覚悟は頭でするものじゃない、腹で決めるもの」を裏づけする、悠二の覚悟がまだ揺れている段階であるのを印象付けるには、十分に機能していたと思われ。
ちなみに原作通りならばシャナと吉田さんへのフォローは、続く戦いの中で描かれるはずなので、其処であらためての選択…となるのでしょうけど、これでフォローの無いまま、最悪の展開へ続いて行くのは、流石に勘弁願いたいですわ;
また、悠二とはまた別の選択---“紅世”に関り続けるか否かを迫られる田中の側に、その選択の切っ掛けとなり、同時に心の支えでもある緒方さんが常に隣に付き添っている様子は、原作以上の絆の強さを見せる事で、あたかも悠二の(特に吉田さん、総じてシャナにも対する)行動に対して、正反対のごとき印象を受けますね。
“零時迷子”のミステスを餌に、集結したフレイムヘイズを、ザロービ自身の張った封絶の中へと誘き寄せ、其処を宝具“タルンカッペ”で存在を隠している“吼号呀”ビフロンスの遠距離大質量攻撃で、封絶ごと一網打尽にする(ザロービ自身は、アンカーの役目である“桃色のスカーフをしたザロービ”と合体し、攻撃範囲内=封絶内から離脱する)という、“聚散の丁”ザロービの企てを見事に看破し、単身で(ザロービの分裂体とは言え)5体の徒を討滅した悠二。
お互いの確執は一先ず、駆けつけたシャナや、ヴィルヘルミナと共闘し、間一髪の所で“吼号呀”ビフロンスをも討滅出来た訳ですけど、この一連の戦闘シーンは、原作にて描かれていたアクションやコンビネーションを、正に文字通り映像化した内容に見入ったものの、やはりあの短いスカートで後ろからのアングルでは、色々と(ぉ
かくて仮装舞踏会の捜索猟兵と巡回士の作戦は灰燼と帰し、やがて悠二は気付いたその本心を、シャナに告げようと声を張った瞬間、突如として茜色の大爆炎が立ち上がる!!
次回---「茜色の死闘」。