始まりと終わり、そして新たな始まりへ。

父が亡くなってからもう５年。
空き家になった実家はほとんどそのままになっていました。
庭は草や木が生え放題。
家の中も、少し前まで人が住んでいたかと思うくらいそのまま。
家の中も外もモノが多すぎて、とても僕ひとりではどうにもできず放置状態でした。


ところが・・・
最近、この実家の土地を買いたい、という人が出てきました。
しかもその人は、母が元気だったときに母から書道を習っていた生徒さんだというのです。
母は５６歳で亡くなる３か月ほど前まで、書道教室をやっていました。
あれからもう25年くらいになります。
当時教室に通っていた生徒さんたちも、もう30代になったでしょうか。
結婚して、そろそろ自分の家を持ちたくなる年齢です。

今日は、不動産担当者、室内のモノの撤去業者、解体業者の方々とお会いしてきましたが、いよいよ、本当に実家の土地が売却されるようです。
とうとう実家も、四十数年の歴史の幕を閉じることになります。

そして先日、1月30日。
僕が所沢に移転して15年近く、もうひとつの仕事場としてほとんど毎日のようにお世話になっていた喫茶店が閉店しました。
東日本大震災もコロナ禍も無事乗り越えたcafeが、こんなに突然終了するとは思いもしませんでした。
このカフェでの仕事はすっかり僕の生活の一部、いや、人生の一部になっていたので、突然の閉店に言葉をなくしました。
マスターの健康状態が閉店の理由だそうです。
最後の2週間ほど、このカフェは連日開店から閉店まで絶え間なくお客様であふれていました。
最後の日、長年お世話になったスタッフの皆さんにご挨拶をして、カフェをあとにしました。

もう、このカフェでいつものウインナコーヒーを飲むことも、パソコンを開くこともなくなります。

どんなことも、始まりがあれば終わりもある。

同時に、終わりは、新たな始まりでもあります。

言いようのないさみしさを感じながらも、これからのまた新しい自分の始まりを少しずつ実感しています。