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動物霊園グリーンメモリアルのブログ

「いとしい子たちよ安らかに」

見送るお友達

2017年03月29日 | 可愛い子とご家族のお話
ほんの少し冬の寒気が戻った3月最後の週。
街道の桜の蕾が大きくなりだした市内の住宅街へワンちゃんとご家族をお迎えし、ご自宅の前ではご主人が出迎えて下さりワンちゃんの納棺出棺をご主人自ら奥様と仲良しのご近所さんの手伝いを受け行いました。
いよいよ出発をするとき見送るご近所さんが庭の垣根を見て「あっ来た来た!」
視線の先には植木の隙間から縁側を覗く赤い首輪を掛けた猫さんがいつもいるワンちゃんの事を探す仕草をしておりました。
ご近所同士のワンちゃんと猫さんはとても仲良しで朝のお散歩では毎日近隣の公園で挨拶を交わし、晩年で動けなくなったワンちゃんの事を同じ時間にお見舞に来ていたそうです。
仲良しを亡くし寂しい気持ちになるのは人間だけじゃないのかも知れませんね。


お爺さんと串団子

2017年02月23日 | 可愛い子とご家族のお話
梅の花も咲ききった2月。
市内のに於きましてワンちゃんのお迎えをいたしました。
明け方に亡くなり平日の朝はご家族の日常、夕方でなければお家に帰れないと言うこともあり、お伺いしたのは日の傾く頃となり到着し自動車を寄ますと下校時間の息子さんと家の門をくぐるタイミングが重なりました。
茶の間でワンちゃんをお棺に納めるにあたり家族の皆さんがそれぞれ持たせてあげたい物を持ち寄りますと一家のお爺さんが「あー、お団子さっき食べちゃった!」と嘆きはじめました。
ワンちゃんはお庭の椅子でお爺さんと池の鯉を眺めながらお団子を食べるのが大好きでいつも傍におりました。
年老いたワンちゃんが庭の椅子に座ったお爺さんの膝に甘えて前足を這い蹲る位置が段々低くなって行くのがわかり、先祖のお迎えがくるのは自分が先かお前が先か・・と毎日お喋りをしてるうちに今日の日を迎えます。
別れ際の失念にしょんぼりしてるお爺さんに幼い兄妹が自分たちのお菓子を手渡しワンちゃんの懐に入れてあげました。


飛んで来た小鳥

2017年01月29日 | 可愛い子とご家族のお話
当霊園には季節により様々な野鳥が飛来し春から夏にかけてはキジがヒナを連れ添い歩く姿、夏には森の奥からウグイスやホトトギスやフクロウの鳴き声が聞こえ、冬の朝は人を怖がらずに構内を歩き回るハクセキレイを見る事ができます。
野鳥は人との距離を置く事により自分たちの生活環境が成り立たたせています。
しかし人に飼われてた小鳥が籠から飛び出し外の世界に飛び出したらどうなるのでしょう?
最近来園された方のお話しを聞いてふと、そんな事を思いました。
松が明けた1月の澄んだ空、小鳥を亡くされたご家族が来園されました。
ご家族の娘さんはこれまで幾度かワンちゃんを火葬に来園された事がありましたが今回はお母様が可愛がっておられた小鳥が一昨日の夜に急逝し親の代理で予約をされて一緒の来園されました。
今から約7年前の事。娘さんの勤務先の休憩時間に屋外で同僚と談笑してるうちに、木陰の淵から飛んで来たインコが肩に乗ってきたのが出会いでした。
見たところ足首には鑑札らしき物は付いていませんでしたが何か教え込まれた言葉を発しており、人に飼われていた事には間違いないようで、きっと近所の方が飼っていて何かの拍子で逃げたんだろう・・元の飼い主が現れるまで自宅で保護する事を決め、お世話役はお母様がなってくれました。
月日が経つうちに最初に発していた言葉も忘れてしまい、お母様が毎日してくれるお喋りを覚えインコは晩年を迎えます。
人の言葉を口真似するインコですが、7年前に自分の元に飛んで来たいきさつを自分の言葉で教えてくれたらなぁ・・と、叶わぬ希望を口にした娘さんと最後の主のお母様が笑顔で小鳥を見送りました。




内緒の言葉

2016年12月26日 | 可愛い子とご家族のお話
少し肌を刺す12月の朝、同じ区内に於きましてワンちゃんとご家族のお迎えを致しました。
晴れた空の下、ご家族が玄関先で出迎えて下さり奥様とワンちゃんのご遺体は当霊園の自動車に乗車、娘さんは御自分の自動車で追従するかたちで出発し、車中で奥様がワンちゃんの思い出をひしひしと語りはじめました。
奥様は元々犬が好きじゃない・・というか関心が無かったのですが7年前、ワンちゃんの本当の飼い主であったご主人が他界し、誰に言われる事なく自分と娘さん世帯みんなで世話を引き継ぐ事になり生活様式も変わり犬を通した友人も増えました。
幼いお孫さんは残ったワンちゃんと触れ合う事により家族や生き物に対する思いやる心が育み亡くなった前日はお別れを言いたいのでワンちゃんと二人きりにして欲しいと懇願したので言われた通り皆が席を外すとおよそ4~5分間、障子のガラス越しから冷えた和室でワンちゃんの頭を撫で手を繋ぎ声を掛けている姿が見えました。
奥様はお孫さんにワンちゃんと何を話していたのか尋ねましたがそれは内緒なのだそうで、
あまりの悲しさと寂しさに本日の葬儀には来ないで通っているスポーツクラブに行って気持ちを紛らわしているそうです。
御主人、つまりお孫さんのお爺様の生き物を思いやる優しい心は教えなくても子孫に伝わるものですね、と奥様は話を結びました。



可愛いハミング

2016年11月21日 | 可愛い子とご家族のお話
もうすぐ立冬、深まる秋の空に猫さんのご葬儀をとり行いましたある日の午後、
襖越しの本堂から可愛い歌声が聞こえてきました。
当霊園の黒猫と襖の向こう側の様子を拝見しましたら、ご収骨待ちの座敷でご家族の幼い双子の女の子が備え付けの絵本を読みながら回らぬ口調で歌をくちずさんでおりました。
亡くなった猫さんは双子のパパが独身時代から飼われて、お家では姉妹の先輩的な存在でした。
物心がつく現在、普段パパとママが猫さんに鼻唄歌を聞かせているのを二人して真似をする事が日課となり、歌を合図に猫さんのご飯係になっていたそうです。
別れの辛さを知らないハミングが先輩猫を見送る橋となりました。


夢に出てきた喋る猫

2016年09月29日 | 可愛い子とご家族のお話
よく亡くなった方やワンちゃん猫さんの夢に出てきた、あるいは夢に出てきてほしいのに出てこない言った話を来園された方とお話しをする事があります。
夏の空が残る彼岸前、前日の夜に亡くなった猫さんの夢を見てご家族と共にお参りされた方がおりました。
お話を聞きましたところ、これまで可愛がっていた猫たちが何やら言葉を発し近寄ってきます。
普段は意識して夢を見ようと思わない日常に眠りの中の絵空事、喋る猫と誰もいない公園を歩いてたら猫の三色の毛が次第に抜け落ち皮膚が露出しだしたところで夢から覚めました。
寝起きの頭が猫との会話の内容を忘れさせてしまいましたが寝言で笑ってしまう程に楽しい夢で、夕べ寝たのが遅かったせいか2度寝で見た夢は数分間がまるで数年間の感覚でした。
毛が抜けた事を病気で苦しんでるのではないかと案じた事に対し、もしかしたら人の子になろうとしたかったのではないか?と、話に加わりましたら不安な表情から安堵の笑顔に変わり、ご家族は猫さんのお墓に向かい手を合わせておりました。



襖の隙間

2016年08月31日 | 可愛い子とご家族のお話
お家の中で犬や猫を飼う事で日常的に行う事で襖や扉を少し開いたままにする事がありますね。
可愛い子が家の中を移動する為の気遣いを何十年にもわたり習慣付いた動作なのですが、その子達が亡くなって何年にもなるのに襖の隙間を開けておくクセが治らないと来園された方々のお話しを聞くことがあります。
ある御家族はそのクセも含めて可愛いがっていた子の思い出なので治さないで過ごしてるとおっしゃいました。





送り火のお迎え

2016年08月21日 | 可愛い子とご家族のお話
お盆休みも終わりにさしかかる晴れた空、仲良しの姉妹が年老いたワンちゃんの葬儀に来園しました。
葬儀の合間に姉妹はワンちゃんを可愛がってくれた母方の故人となった祖父の思い出を話しておりました。
お爺さんは母の郷里で叔父夫婦と暮らし若いころから犬や猫を飼い続け、今回亡くなったワンちゃんが生まれ時たまたま千葉に遊びに来たお爺さんが名付け親となりました。
先日は年老いたワンちゃんを残して母の郷里に行く事は出来なく、妹さんが一人で留守を預かりご家族はお爺さんの迎え火のお墓参りに赴き、行った先では親戚の方々とお爺さんと犬の思い出話にも触れ皆懐かしそうにしてたそうです。
無事ご家族が帰ってきた翌日、ワンちゃんは眠ったまま長逝しこの日の葬儀に至ります。
夕べはお盆の送り火に当たる日で「お爺ちゃんが(ワンちゃんを)連れて帰ったんだねー」
姉妹は秋の始まりの鰯雲を見上げ語り合いました (*´・ω・)(・ω・`*)ネー



匂いの目印

2016年07月18日 | 可愛い子とご家族のお話
そろそろ蝉しぐれが聞こえそうな梅雨明け間近、前日からお電話をいただいたご家族がワンちゃんのご葬儀にいらっしゃいました。
生前、高齢から目が不自由だったワンちゃんは家の中の柱や角に時折、頭や顔をぶつける事がありました。
鼻先を怪我する事もあり予防として家族みんなの衣類にくるんだスポンジやスチロールの緩衝材をぶつかる箇所や廊下への出口に設置しました。
これはお家のお父さんのアイデアで危ないと思う所を安全にし、みんなの匂いがする物を巻き付けば留守の時でもワンちゃんは安心していられると思ったのです。
以降、怪我もする事なくこの日に至り、斎場のお別れはでみんなの靴下を匂いの目印としていつでも帰ってきて欲しい、そんな願いをこめてお棺に納めておりました。


花の品格

2016年06月25日 | 可愛い子とご家族のお話
・・「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」とは人の美しさや振る舞いを表す形容詞ですが、
見た目だけでなく心もそうありたいと思います。
アジサイ喜ぶ梅雨空、傘の要らない程度の降水の中猫さんのお迎えに行きました。
伺った先は市内の古くからの住宅地で狭い路地を入り込んだ奥にお家があり、入口の沿道にはこの時期としては早めにたくさんの百合の花が咲いており、ご家族が猫さんのお棺に伸びた茎に鋏を入れ1つ1つ愛おしく摘んであげました。
外からの湿った風がユリの香りをそよいで優しい心が充満しました。



蘭の花

2016年06月25日 | 可愛い子とご家族のお話
長い人生に於いて様々な偶然が多々起こります。
6月の梅雨入り前、3日程前から墓地を所有されている方からワンちゃんが亡くなったとの連絡があったのですが、火葬についての予約はまだ出来ない状況でした。
と、言うのは電話の主の親御さんがワンちゃんと同じ日に他界され家族や親戚への連絡、近親者への対応で3日、4日先の予定が定まらずともかく私共も内容を承知、折り返しの連絡待ちとさせていただきました。
3日後、お母様の葬儀収骨をすませたご主人から再度お電話をいただき、その日の午後、奥様娘さんお孫さんと共にワンちゃんの火葬にいらっしゃいました。
故人となりましたお母様の葬儀は遠く山陰地方で行われ、小さなワンちゃんの亡骸を3日間皆で保冷維持する為に自動車で移動され、そのまま来園されました。
小一時間程でワンちゃんの火葬葬儀が済み、自動車から大事そうに胡蝶蘭を取り出し納骨された所有するお墓に供えました。これはご主人のお母様の葬儀の祭壇から分けて貰った物で花立に小分けしました。
連日の長時間運転を行い、しゃがみ背を丸くし線香を上げるご主人を皆で労いワンちゃんに手を合わせました。


白波の向こう側

2016年05月26日 | 可愛い子とご家族のお話
新緑の芽が伸び切った5月、季節が一足先に夏が来た様な昼下がりにワンちゃんのお迎えをいたしました。
小高い丘を越えた所には住宅地があり、その一角にご家族が経営する運送会社があります
敷地には何台ものトラックがあり更に奥のガレージには整備中のジェットスキーとアメリカ製のオートバイがお互い向き合う様にスタンドアップされており飼い主である息子さんの所有物であるのは想像する事ができました。この時息子さんは仕事で電話の応対に追われている為、お母様がワンちゃんの居るガレージ内へ案内して下さいました。
一時期、この周辺では車両の盗難や空き巣、車上荒らしが頻繁にあったそうなのですが亡くなったワンちゃんが居たおかげで心配なく過ごせたとお母様が話して下さいました。
生前はジェットスキーと共にトラックで海に行き白波に走る息子さんをワンちゃんと眺めるのが楽しみだったそうです。
次の日曜日は海のレジャーに行く予定で白波の向こうにワンちゃんの思い出をみんなで話したいとおっしゃいました。



見回り猫の最後の夢

2016年04月22日 | 可愛い子とご家族のお話
桜の花も舞い散った春の朝、市内に於きまして猫さんのお迎えに行きました。
前日の夜にお家の方からお電話をいただき、猫さんは近所で良く見かける飼い主が存在しない、いわゆる地域猫だそうで遺体は電話を下さったお母様のお家で安置されているとの事でした。
お家に面した街道は通勤時間帯を避け空いており、工場を経営している御家族が就業前に入口で出迎えをして下さいました。
挨拶もそこそこに職場である工場内に案内され整然とした作業場の片隅には綺麗なタオルにくるまれた猫さんが庭に咲いていたチューリップを添えられ床に安置されておりました。
生前の猫さんは時折、この工場にお邪魔する事が有り周囲の様子を伺い済んだら外へ出て行き、まるで宅の安全を確認点呼をしてるかの様に見えたそうです。
猫さんが亡くなったと思われる夕べの晩は電話を下さった娘さん家族が訪れていてお孫さんの笑い声に家の中は明るく賑わい、建物を隔てた工場を最期の場所として入り込んだ猫さんは隣のお家の楽しい雰囲気の夢を見ながら目を落としたのではなかったのか、と、ご家族は感慨深くおっしゃいました。


もう1つの梅の花

2016年03月27日 | 可愛い子とご家族のお話
霜と新芽が地面に織りなす早春、前日からの予約で依頼のありました方の家にお伺いしました。
到着し門から玄関へ向うと陽を浴びた梅の木は小さな花をたくさん咲かせ根元にはトラ猫さんがやや怪訝そうな目でこちらを眺めております。
宅の奥様が言うには眺めている猫さんと今回亡くなった猫さんは親子で、様子の違いを感じているのか亡くなった猫さんをお棺に入れてあげてから部屋の隅でモジモジしていたとの事です。
トラ猫さんと共に案内された和室は去年の暮れにリフォームされ、床の間にはさっき見た梅の枝が花瓶に添えられ小さな赤い花達が新しい建材の残り香と共に賑いを見せております。
永年に渡り猫達に削られた柱は新しくなり少し寂しい気持ちではありますが縁側の踏み台のセメント工事中には猫お決まりの梅の花の様な足跡を親子で残しました。
青い畳の上で若いトラ猫さんが動かぬ親のお棺のそばで仰向けに伸び、箱の角にちょっかいを掛けておりました。


熊よけの鈴

2016年02月26日 | 可愛い子とご家族のお話
良く晴れ渡った冬の朝、亡くなったワンちゃんの火葬に御夫妻が来園し、ご主人の腰には二つの熊よけの鈴が腰に携わっております。
これは登山を趣味とするご主人が数年前の赴いた山の神社で家族全員にお土産として買った物なのであり、その数にはワンちゃんも含まれておりました。腰に並ぶ2つのうち1つはワンちゃんの物でした。
収骨されるまでの間、休憩所のベンチに腰を掛け「どこにでも居る凡庸な犬でしたが毎朝の散歩の時に決まった時間に通る商店のお婆さんや通学中の学生さんに、リードに取り付けた熊の鈴の奏でる音が時計変わりになったと言われた事があり、そう思うと人の約に立ったんだなぁ」と思い出をお話しました。
無口で傍からはコワモテで不愛想に見えるご主人が近所の方に話しかけられ仲良くしてもらえたのは亡くなったワンちゃんのお陰だった・・との奥様の弁にご主人も笑みを絶やしません。
自然界では怖い象徴の熊をよける役目の鈴がワンちゃんを通して人の縁をつぐみました、
この鈴は今の心を忘れないように大事にして持っていたい、という気持ちのご主人でした。