てら屋国分寺店
2001年春,新しい職場が決まり,前任者との業務引き継ぎのため高松に赴いた。
引き継ぎは午前中にほぼ終え,3人で近くのうどん屋へ行った。そこが「てら屋」であった。わたしが最初に食べたさぬきうどんの店である。
後でわかったことであるが,てら屋には国分寺店と檀紙店とがあり,そのとき行ったのは国分寺店であった。
4月1日に赴任の手続きを終え,昼食のためうどん屋を探した。たまたま入った給油所で「おいしいうどん屋」を尋ねたらこのてら屋を紹介された。
以上のような経緯で,てら屋はわたしのさぬきうどん巡りへの出発点となった。
てら屋の看板には「釜あげうどん」と書かれているが,特に釜あげ専門というわけではない。ごく普通のメニューを提供してくれる。かけ,ぶっかけ,生醤油,釜あげ,・・・。価格は現地の平均よりやや高めといった感じ。かけを例にとると,1玉190円,2玉280だったと思う。(いずれも当時の価格。)九州のうどんのおよそ半額である。しかも,格段においしい。
さぬきうどん店での作法を会得したのも当然この店。さぬきうどん店では殆どの店がセルフサービス方式を採っている。
細部は店ごとに異なるが,この店ではつぎの要領で望みのものを手に入れる。(かけうどんを例にとる。)
(1)「かけ大」などと言って注文する。(かけ大はここでは2玉)
(2)麺と出汁が丼に入ってくるので,それにネギ・昆布・おろし生姜など好きなものを加える。おろし大根をかけてもいい。
(3)てんぷら類の副食物の中から好きなものを選んで取る。取らなくてもいい。
(4)代金を払う。
また,さぬきうどんではわれわれ馴染みの「きつねうどん」だとか「月見うどん」,「ごぼう天うどん」などといったメニューはない。(まったくない訳ではない。)このこともまずこのてら屋で知った。
てら屋では,わたしはかけうどんをよく食べた。いろいろ食べてみたが,かけが一番おいしかった。「ぶっかけ」というのを現地で初めて知ったが,その良さが今でもよくわからない。かけの場合は麺と出汁が一緒に丼に入った状態で出されるが,ぶっかけの場合は麺と出汁が別々に出される。受け取った客は各自その出汁を麺にかけて食べるのである。
ぶっかけの方が値が高い。なぜ高いのか?知人との話で,洗う食器の数が多ければその分手間がかかるので高いのだろうということに落ち着いた。
ところで,現地ではうどんなどの「つゆ」を「だし(出汁)」と言う。最初は抵抗を感じたがすぐに慣れてしまった。
この店を出発点にその後の5年間わたしのさぬきうどん巡りが始まった。その結果,さぬきうどんに関しては現地の普通の人より詳しくなったと自他共に認めるに至った。
てら屋のうどんは標準的で,癖のない洗練された味であると自信をもって言える。さぬきうどん初心者にはお勧めの一軒である。
この店は生麺も売ってくれる。1パックたしか(当時)450円だったと思う。分量は約7玉分あるとのことであった。わたしはお土産や贈り物としてしばしばこれを利用した。1度に3~5パックほど注文するので店の人は驚いていた。わたしの名前も憶えられたようである。■
ご注意: 記事は10年ほど昔の記憶を頼りに書いたものです。現在とは違っている点があるのはもちろんのこと,記憶違いも含まれているかもしれません。ご承知おきください。
2001年春,新しい職場が決まり,前任者との業務引き継ぎのため高松に赴いた。
引き継ぎは午前中にほぼ終え,3人で近くのうどん屋へ行った。そこが「てら屋」であった。わたしが最初に食べたさぬきうどんの店である。
後でわかったことであるが,てら屋には国分寺店と檀紙店とがあり,そのとき行ったのは国分寺店であった。
4月1日に赴任の手続きを終え,昼食のためうどん屋を探した。たまたま入った給油所で「おいしいうどん屋」を尋ねたらこのてら屋を紹介された。
以上のような経緯で,てら屋はわたしのさぬきうどん巡りへの出発点となった。
てら屋の看板には「釜あげうどん」と書かれているが,特に釜あげ専門というわけではない。ごく普通のメニューを提供してくれる。かけ,ぶっかけ,生醤油,釜あげ,・・・。価格は現地の平均よりやや高めといった感じ。かけを例にとると,1玉190円,2玉280だったと思う。(いずれも当時の価格。)九州のうどんのおよそ半額である。しかも,格段においしい。
さぬきうどん店での作法を会得したのも当然この店。さぬきうどん店では殆どの店がセルフサービス方式を採っている。
細部は店ごとに異なるが,この店ではつぎの要領で望みのものを手に入れる。(かけうどんを例にとる。)
(1)「かけ大」などと言って注文する。(かけ大はここでは2玉)
(2)麺と出汁が丼に入ってくるので,それにネギ・昆布・おろし生姜など好きなものを加える。おろし大根をかけてもいい。
(3)てんぷら類の副食物の中から好きなものを選んで取る。取らなくてもいい。
(4)代金を払う。
また,さぬきうどんではわれわれ馴染みの「きつねうどん」だとか「月見うどん」,「ごぼう天うどん」などといったメニューはない。(まったくない訳ではない。)このこともまずこのてら屋で知った。
てら屋では,わたしはかけうどんをよく食べた。いろいろ食べてみたが,かけが一番おいしかった。「ぶっかけ」というのを現地で初めて知ったが,その良さが今でもよくわからない。かけの場合は麺と出汁が一緒に丼に入った状態で出されるが,ぶっかけの場合は麺と出汁が別々に出される。受け取った客は各自その出汁を麺にかけて食べるのである。
ぶっかけの方が値が高い。なぜ高いのか?知人との話で,洗う食器の数が多ければその分手間がかかるので高いのだろうということに落ち着いた。
ところで,現地ではうどんなどの「つゆ」を「だし(出汁)」と言う。最初は抵抗を感じたがすぐに慣れてしまった。
この店を出発点にその後の5年間わたしのさぬきうどん巡りが始まった。その結果,さぬきうどんに関しては現地の普通の人より詳しくなったと自他共に認めるに至った。
てら屋のうどんは標準的で,癖のない洗練された味であると自信をもって言える。さぬきうどん初心者にはお勧めの一軒である。
この店は生麺も売ってくれる。1パックたしか(当時)450円だったと思う。分量は約7玉分あるとのことであった。わたしはお土産や贈り物としてしばしばこれを利用した。1度に3~5パックほど注文するので店の人は驚いていた。わたしの名前も憶えられたようである。■
ご注意: 記事は10年ほど昔の記憶を頼りに書いたものです。現在とは違っている点があるのはもちろんのこと,記憶違いも含まれているかもしれません。ご承知おきください。
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