三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

低電圧真空管ラジオ

2021-06-15 13:07:17 | 日記
倉庫内を物色していると,壊れかけた五球スーパーラジオが目についた。木製のケースが
バレそうになっている。その中にST管と呼ばれる真空管が見える。もちろん,このままで
はラジオ放送を受信するのは不可能。それより,もし電源をつないだら火を噴くかもしれ
ない。
整備して鳴るようにしようと思い立った。しかし,ただ単に修復するのでは面白くない。
そこで,低電圧で駆動する実験を兼ねることにした。
実は以前低電圧駆動の高一ラジオを作ったことがある。今回はスーパーヘテロダインでの
実験である。
 高一ラジオ: 高周波増幅+検波+低周波増幅+電力増幅)
 スーパーヘテロダイン: 周波数変換+中間周波増幅+検波+低周波増幅+電力増幅

真空管回路ではA電源,B電源,C電源という3種の電源が要る。
A電源: 真空管のヒータ用。6.3Vが多い。
B電源: 真空管のプレート(陽極)やスクリーングリッド(遮蔽格子)回路用の直流高
    電圧。普通250V以上。
C電源: バイアス(偏倚電圧)用負電圧。多くの場合はこれを使わない。
ここで言う低電圧とは上記のB電源を低くするということである。具体的には50V以下と
する。本当は24V以下にしたいところ。
回路電圧が低くなると2つの利点が得られる:①安全,②耐電圧の低い部品(特にコンデ
ンサ)が使える。
手元に半導体回路用の電源トランスがあったのでこれを使うことにした。整流には半導体
ダイオードを使う。真空管は6WC5, 6D6, 6ZDH3A, 6ZP1の4球。したがって,五球スーパ
ーではなく四球スーパーとなる。
ヒータは4本直列につないで27Vを印加した。ヒータ電流が2本ずつ異なるので抵抗を使
って調節した。

回路図を下に示す。

細かいところまでは見えないだろうが大体のところは感じ取っていただけよう。
B電圧は15Vを倍電圧整流して拵えた。実際に得られた電圧は40Vほどになった。
下の写真は組み上げていろいろ調べているところ。

ちらかって見苦しいがご容赦のほどを。

電源を投入すると一発で鳴り出した。
うまく行った――と思いきや,音量を上げると音が歪む。また,バリコンを回して受信周
波数を下げていくと約600kHz付近で音が消える。どうも局部発振が停止しているようだ。

音の歪の問題。
① スピーカのコーンが一部破れていたのでスピーカ交換。効果なし。
② 電力増幅管のバイアス点が悪いと思い,カソード抵抗交換。効果なし。
③ 出力トランスの特性を疑って交換。良好になった。
何のことはない。どこの馬の骨かわからないトランスの特性が悪かったのだ。

局部発振停止の問題。
① 発振コイルまわりのコンデンサチェック。異状なし。
② 6WC5を交換。良好になった。
壊れかかっていたラジオの真空管をそのまま使ったが,6WC5は劣化していたようだ。
さあ,この始末,どうするか?
以上

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