勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

昭和歌謡

2014-03-08 23:15:31 | Weblog
 今、昭和歌謡がブームだそうだ。僕が子供のころ、父の職業はラジオ屋と呼ばれ、今でいう電気店だった。手巻きの蓄音機なるものも知っている。家では落とすと割れるSPレコードがかかっていた。昭和初期の歌謡曲である。そんな頃に覚えた歌は今でも歌える。SPレコードはやがてLP盤やEP盤と呼ばれる、落としても割れない材質のレコードへと代わり、今や針音がしないCDの時代である。

 年寄りと言われるのを覚悟でいえば、Jポップスなどと呼ばれる若者に人気の音楽は僕には馴染めない。早くて複雑なリズム、日本語とは思えない発音、詩というより日常会話のような歌詞、それらに詩情は感じられない。中高年には同じ思いの人も多いようで、昭和歌謡の需要が高まっているという。我々の世代にとっては昭和歌謡には懐かしさや居心地の良さがあるが、若者にも新鮮に感じられるのだとか。その陰にはYutubeなどの動画サイトの貢献もあるらしいが、昭和歌謡にはわかりやすいメロディーと、高度な言葉を駆使した作詞家の魅力もある。


 ここでも何度か取り上げた木下あきらさんのリードボーカルで人気のあったムードコーラス、秋葉豊とアローナイツの歌を収録した5枚組のCDが発売になったことを知り、早速ネットで注文し、先日それが届いた。このアルバムには1975‐2005年までのシングルコレクションの他にも、ご当地ソングや、カバーコレクションもあり、どれを聴いても木下あきらの世界に引き込まれる。


 彼の歌は言葉もはっきりし、歌詞によって使い分ける感情豊かな声音や強弱の妙。そしてどんな歌も名曲にしてしまうテクニック。このアルバムに収められた全99曲を聴いても飽きがこない。アルバムジャケットも、レトロな雰囲気のあるレコード風の紙ジャケットである。これは中高年を意識して懐かしさを前面に出しているのだとか。しばらくは昭和の匂い溢れる木下あきらさんの歌声が我が家から響くことになるだろう。