四月も下旬になるのというのに、真冬のような冷たい雨が降りしきる空腹の仕事帰り、新しくできたスーパーに立ち寄って買い物をした。いつものことだが、空腹時の買い物は気が付くと買い過ぎている。二つの大きな袋を自転車の前籠に入れ、傘を差しながら家路に就いた。
段差を超えるとき、袋の中から野菜が外に飛び出した。雨に濡れながら傘を持つ手ももどかしく、慌てて自転車を停めて拾おうとすると、前から歩いてきた若い女性が駆け寄って、「私が拾いますからそのままでいいですよ」といいながら、籠の中に入れてくれた。
小さな親切は、時に大きなおせわになることもあるが、冷たい雨の中に親切というの名の、おもいやりのある小さな春をみつけた夜だった。
段差を超えるとき、袋の中から野菜が外に飛び出した。雨に濡れながら傘を持つ手ももどかしく、慌てて自転車を停めて拾おうとすると、前から歩いてきた若い女性が駆け寄って、「私が拾いますからそのままでいいですよ」といいながら、籠の中に入れてくれた。
小さな親切は、時に大きなおせわになることもあるが、冷たい雨の中に親切というの名の、おもいやりのある小さな春をみつけた夜だった。