おうい雲よ
ゆうゆうと
馬鹿にのんきさうぢやないか
どこまでゆくんだ
ずつと磐城平の方までゆくんか
-山村暮鳥さん-
夏が好き
夏の太陽が好き
青い空が好き
青い空に浮かぶ白い雲が好き
川面をわたる夏の風が好き
風にゆれる花が好き
いくつ夏が過ぎていったのだろうか
いくつ夏を迎えることができるだろうか
雲もまた自分のやうだ
自分のやうに
すつかり途方にくれてゐるのだ
あまりにあまりにひろすぎる
涯のない蒼空なので
おう老子よ
こんなときだ
にこにことして
ひよつこりとでてきませんか
-山村暮鳥さん-
青い空と白い雲を見ていると
明日は今日よりも
いい日になりそうな気がする
夏だから
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