The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
オリパラ開催をめぐって、テレビ報道を見ての若干の情勢考察
“自民党は28日の総務会で、LGBTなど性的少数者への理解増進に向けた法案の了承を見送った。佐藤勉総務会長は総務会後の記者会見で、今国会での法案成立について「不可能」と説明した。”
どうして、こうなるのか。自民党内の誰が抵抗勢力なのかとチョット調べてみると、以前から次のような発言が様々な場面であった、という。
杉田水脈衆議院議員:“LGBTは生産性がない。”
山谷えり子参議院議員:“体は男だけど自分は女だから女子トイレに入れろとか、アメリカなんかでは女子陸上競技に参加してしまってダーッとメダルを取るとか、ばかげたことは起きている。”
簗和生衆院議員:“(LGBTは)生物学上、種の保存に背く。生物学の根幹にあらがう”
私は、正直言ってLGBTに関して“お勉強”していないので、あまり理解できていないし、“お勉強”しなければならないほどの差し迫った問題が起きている訳でもない。しかし、それを“差別”と感じ、密かに苦しんでいる人がいるのが、現実のようだ。そうであれば、その現実は改善しなければならない、と考える。
ある行為が“いじめ”と感じる人がいれば、それは改善しなければならない。ある言葉が“いじめ”と感じる人がいれば、それも改善しなければならない。もし、私がこのブログで不快な言葉を発するようであれば、そしてそれが議論になるようであれば、議論の俎上に乗って、“お勉強”したいとは思っている。
しかし、そんな私から見ても先の自民党議員の発言は、語るに落ちる。選良の発言とは思えない。“選らばれた悪”でさえあり、醜悪でもある。呆れるばかりだ。
マスコミもそんな発言をした人物に対し、声高に非難を寄せる訳ではない。冒頭の文章は有る報道記事の引用だが、そこには具体的に誰が反対しているのかは何故か伏せられている。だから、誰が自民党内で反対しているのか、チョットワザワザ調べて挙げてみたのだ。
日本社会で“差別”や“いじめ”が一向になくならない。それは“差別”や“いじめ”の根本原因がどこにあるのか、見極めていないからではないか。その原因の一端に、こうした古い思考の自民党議員の存在もあると考える。こうした頑迷な自民党議員を選挙で選んでいる風土にも問題がある。
差別の中でも最も大きいのが、女性差別ではないか。女性差別は明らかに日本社会の沈滞の原因になっているのではないか。長い間、夫婦別姓是認も見送られている。
21世紀になって世界で最も変われない社会、それは日本社会なのだ。デジタル化にも後れを取っている。だから生産性があがらない。生産性が上がらないから、経済が沈滞化している。経済が沈滞しているから社会が暗い。“差別”や“いじめ”があるから、社会が明るく元気にならないのだ。
社会が暗く、沈滞化しているから新型コロナ・ウィルス対策も、遅れを取ったのだ。明らかに韓国や台湾に後れを取って、かろうじてファクターXに支えられて、“さざ波”でおさまって来た。だが、それも変異株で怪しくなって来ている。
これから新型コロナ・ウィルス後の世界は、大きく変化すると言われている。この“差別”や“いじめ”が一向になくならない日本社会は、このまま沈滞したままとなるだろう。だが、それではさらに世界に大きく劣後するのではないか。
さて一方、新型コロナ・ウィルス感染の鎮静化及ばず、政府は31日に期限を迎える9都道府県に発令中の緊急事態宣言を6月20日まで延長すると決めた。こうなると、いよいよオリパラ開催まで1カ月となるが、どうするのか・・・。マスコミも80%がオリパラ中止または延期とする世論に押されて、否定的な報道が多くなってきた。例えば、IOC委員の“けしからぬ発言”の報道も相次いでいて、開催反対の世論を煽っている風がある。
そこでオリパラ開催の是非について、いよいよ週末のテレビ番組でもがかまびすしくなったので、見た限りをまとめてみた。
先ず、先週末に放送されたテレビ・報道ステーションに、野村総研の木内登英氏が登場し、次のように見通しを語った。
東京五輪を“観客を制限なく受け入れ”て開催した場合、仮設施設の建築費や輸送費、そして観客のチケット代や宿泊費用など、経済効果は合わせて1.8兆円(無観客で1.6兆円)に上る。
一方新型コロナ・ウィルス対策の経済損失は去年の4月に出された1回目の緊急事態宣言では、約6.4兆円の損失。今年1月の2回目では、6.3兆円、そして現在も続いている3回目では、来月20日までの延長となると、約3.2兆円の損失となる見通し。
東京五輪をきっかけに感染者数が高まって、4回目の緊急事態宣言が出る状況になると、1〜3回目のように、かなりの規模の損失が起きる。なので、開催して約1.8兆円の経済効果が出てもマイナスになる。経済的な効果で考えても、感染リスクを無視して開催するのは望ましくない。
という、オリパラ開催には経済的にはネガティブな評価だった。
次に見たテレビ番組が、月末恒例の“朝生”討論番組だった。司会者は既に高齢だが、この番組には思い入れが強いらしく、その地位を後進に一向に譲ろうとはしない。そのため聴力が低下しているようで、パネラーの発言中に対ししばしば、“エッ?”、“何?”とか繰り返すので、見苦しい場面が何度もあったが、我慢して視聴した。結論から言うと概要、次の通り。
オリパラ開催の要素として、“する、見る、支える”がある。
先ず、“する”については、選手とその活躍の環境を整えるチームメンバーが対象となる。彼らに対しては、“バブル”という保護膜を形成して社会一般から隔離する手法が確立されつつあるということだ。つまり、選手団には厳重なPCR検査の実施を入国条件とし、入国後もほぼ毎日抗体検査をして、陽性となればPCR検査をする。入国後も日本人との人的交流を制限管理してだから、安心できるとの印象だった。これでは“バブル”ではなくて、“プリズン(監獄)”だ、との声も出るほどの管理が可能だという。
“見る”については、既に海外からの観戦客は既に入国禁止は決まっている。国内観客については、感染状態で場合によっては“無観客”も含めて開催を考える、という。
“支える”についてに問題があり、日本側の“おもてなし”ボランティアに対するワクチン接種が不透明な点だ。だが現状実態としては、日本にはワクチンが有り余っている状態なので、打ち手の医療者と場所の確保さえできれば、2カ月の間に何とかできるだろう、とのことのようだ。
残る問題は各国の報道関係者である。海外から来日する彼らをコントロールする枠組みの目途が立っていないという。目下、海外からの来日者の管理が不十分である、行方不明者も放置されているという実態がある。しかしながら特に、報道関係者は素行が良くない人たちなので、ウェアラブル端末を装着させてでも行動の監視・管理が必要なのだが、今からではそんなハードウェアーの調達がかのうかどうか不明だという。ならば、そういったメディア関係者の来日を、強権で持って制限することも考慮するべきではなかろうか。
議論の中では、ワクチンの調達の段階で、厚労省の副反応アレルギーに任せて、出遅れてしまった問題があったことが挙がっていた。だが、その後オリパラ開催国であることを、製薬メーカ側特にファイザーが理解して多量のワクチン供給に同意し、実行してくれたこと。EUやベルギー等の政府がそれに協力してくれている事実がある、という指摘もあった。そんな状況の中で、日本がオリパラ開催を中止や先延ばしする立場にはない、という意見もあった。
イスラエルがワクチン確保に成功したのは、ネタニアフ首相が社長にしつこく電話したこともあるが、ファイザー社長の両親がホロコストの対象になりかけた、ユダヤ人であったという仲間意識に基づいているのだ、というトピックス紹介もあった。
日本は病床数が世界一だったのだが、それでいながら医療態勢の崩壊に瀕した。何故なのかの議論もなされた。
それは公立病院の少なさから来ているとの指摘があった。感染症対策の要となる保健所の職員の削減も要因であり、手が回らなかった。或いは、看護師不足に対する待遇改善が進まなかった。子育てしながら勤務するのが困難な状態に置かれたままになっている。さらに大学教育で医学部増設に医師会が反対して、医師の増員がままならない状態であった。
こうしたことの原因の背景には、財政規律を重視し過ぎて予算の手当てがなかったことにある。或いは、経済の沈滞から回復していないために、国家予算を増やして行けないこともあった。“デフレからの脱却”を唱えながらも、消費税増税を行い、経済の沈滞を促進してしまった失政があった。
そういえば、大阪では維新の会が病院の統廃合を進めて、今回の医療態勢の崩壊に寄与したこともあったのではないか。そんな中で、元大阪府知事であり元市長であった張本人が、ネット上で堂々と新型コロナ・ウィルス対策の御意見を開陳されている様を見ると、何と恥も外聞もない人物か、と思わざるを得ない。こういう人物に御意見を伺おうとする人の思考も理解不能である。
また週末別の局TBSの番組“報道特集”では、次のような内容を伝えた。
海外の選手たちがオリパラ直前に最後の調整を行うキャンプが、ワクチン接種会場に転用される事例が多く、事前調整が不能になっている場合があるのではないか。或いは、パブリックビューイングを各地で計画し、準備が進んでいるが、感染対策としての人流抑制と矛盾する挙に出ている。
さらに、このままでは10月に感染ピークがやってくるとの東大・仲田泰祐准教授のシミュレーションがあるという。前提条件として緊急事態宣言が6月中旬まで延長され、国内のワクチンの接種は1日に60万本のペースで進むと仮定している。この場合、オリパラで人流が増えなければ感染ピークは10月にあり、822人とこの4-5月のピークと変わらないが、6%の人流増となれば1600人になるとのことだった。
その上、IOCはオリパラ参加選手に求める参加同意書に、自己責任のリスクとして、新型コロナウイルス感染症や猛暑による“健康被害”を盛り込んで、参加は自己責任であり大会で新型コロナ・ウィルス感染して死亡してもIOCは責任は取らない、としたという。とんでもないことだとのコメントだった。先に示したIOC委員の“けしからぬ発言”と並んで、身勝手なIOCではある。胡散臭さは増すばかり。
こうしたことを総合すると、政権政府は開催必至であり、恐らくたとえ都議会選挙前に都知事が“開催中止”に変心したとしても、それを抑え込んで、開催に至るものと思われる。
何故ならば、オリパラ開催を配慮して欧米からワクチンの大量供給を受けたからだ。それでオリパラ中止とすれば、国際信用問題となり、今後、日本政府への国際信頼は潰えると考えられるからだ。これは最大の国益損失となる。それは経済損失よりも重い。
恐らく、そういう事情も考慮しての発言と思われるが、JOC委員の中に“中止を準備する段階ですらない。”と実務上の問題を指摘する声もあるという。“開催するも地獄、中止も地獄”の事態に至っているとのことだ。思考停止で“流されるまま”の結果がこれなのだ。
そうならば、もっと一層真剣に政権政府は対処するべきだろう。一つやらねばならぬことは、オリパラ報道の各国からの関係者入国の強力な規制であろう。或いは大会ボランティアへの迅速な全員ワクチン接種への手配だ。また、各国選手団の日本各地でのキャンプへの支援・協力だ。
何故、こうしたことに政権政府は手が回らないのだろうか。オリパラ担当相は一体何をしているのだろうか。情報がないと記者団の前でボヤクのみでは、仕事をしていないことを公言しているようなものではないのか。彼女への首相の指導力はどうなっているのか。
しかしながら、東大の感染シミュレーションによれば、ワクチン接種があっても今後10月に感染のピークが見られるという。もしその結果、新型コロナ・ウィルス東京株の世界への拡散となれば、悲惨な汚名を歴史に残すことになる。そうなると衆議院議員が10月21日任期満了で、その時点での総選挙となり、政権与党は明らかに敗北するだろう。
逆に現在のワクチン接種の実施がもっと促進されて増加し、10月の感染のピークが抑制されるならばオリパラ開催も成功と評され、政権与党は大勝することになるだろう。
いずれにしても、この数カ月は政権与党にとっての賭けの正念場である。だが何だが、事態に流されたままのように見える。本来は、博打にならないように“先手、センテ”の対応で、確実な政策が求められたはずだが、実際は“ゴテゴテ”で、若干、全てが遅きに失しているのが実態である。

どうして、こうなるのか。自民党内の誰が抵抗勢力なのかとチョット調べてみると、以前から次のような発言が様々な場面であった、という。
杉田水脈衆議院議員:“LGBTは生産性がない。”
山谷えり子参議院議員:“体は男だけど自分は女だから女子トイレに入れろとか、アメリカなんかでは女子陸上競技に参加してしまってダーッとメダルを取るとか、ばかげたことは起きている。”
簗和生衆院議員:“(LGBTは)生物学上、種の保存に背く。生物学の根幹にあらがう”
私は、正直言ってLGBTに関して“お勉強”していないので、あまり理解できていないし、“お勉強”しなければならないほどの差し迫った問題が起きている訳でもない。しかし、それを“差別”と感じ、密かに苦しんでいる人がいるのが、現実のようだ。そうであれば、その現実は改善しなければならない、と考える。
ある行為が“いじめ”と感じる人がいれば、それは改善しなければならない。ある言葉が“いじめ”と感じる人がいれば、それも改善しなければならない。もし、私がこのブログで不快な言葉を発するようであれば、そしてそれが議論になるようであれば、議論の俎上に乗って、“お勉強”したいとは思っている。
しかし、そんな私から見ても先の自民党議員の発言は、語るに落ちる。選良の発言とは思えない。“選らばれた悪”でさえあり、醜悪でもある。呆れるばかりだ。
マスコミもそんな発言をした人物に対し、声高に非難を寄せる訳ではない。冒頭の文章は有る報道記事の引用だが、そこには具体的に誰が反対しているのかは何故か伏せられている。だから、誰が自民党内で反対しているのか、チョットワザワザ調べて挙げてみたのだ。
日本社会で“差別”や“いじめ”が一向になくならない。それは“差別”や“いじめ”の根本原因がどこにあるのか、見極めていないからではないか。その原因の一端に、こうした古い思考の自民党議員の存在もあると考える。こうした頑迷な自民党議員を選挙で選んでいる風土にも問題がある。
差別の中でも最も大きいのが、女性差別ではないか。女性差別は明らかに日本社会の沈滞の原因になっているのではないか。長い間、夫婦別姓是認も見送られている。
21世紀になって世界で最も変われない社会、それは日本社会なのだ。デジタル化にも後れを取っている。だから生産性があがらない。生産性が上がらないから、経済が沈滞化している。経済が沈滞しているから社会が暗い。“差別”や“いじめ”があるから、社会が明るく元気にならないのだ。
社会が暗く、沈滞化しているから新型コロナ・ウィルス対策も、遅れを取ったのだ。明らかに韓国や台湾に後れを取って、かろうじてファクターXに支えられて、“さざ波”でおさまって来た。だが、それも変異株で怪しくなって来ている。
これから新型コロナ・ウィルス後の世界は、大きく変化すると言われている。この“差別”や“いじめ”が一向になくならない日本社会は、このまま沈滞したままとなるだろう。だが、それではさらに世界に大きく劣後するのではないか。
さて一方、新型コロナ・ウィルス感染の鎮静化及ばず、政府は31日に期限を迎える9都道府県に発令中の緊急事態宣言を6月20日まで延長すると決めた。こうなると、いよいよオリパラ開催まで1カ月となるが、どうするのか・・・。マスコミも80%がオリパラ中止または延期とする世論に押されて、否定的な報道が多くなってきた。例えば、IOC委員の“けしからぬ発言”の報道も相次いでいて、開催反対の世論を煽っている風がある。
そこでオリパラ開催の是非について、いよいよ週末のテレビ番組でもがかまびすしくなったので、見た限りをまとめてみた。
先ず、先週末に放送されたテレビ・報道ステーションに、野村総研の木内登英氏が登場し、次のように見通しを語った。
東京五輪を“観客を制限なく受け入れ”て開催した場合、仮設施設の建築費や輸送費、そして観客のチケット代や宿泊費用など、経済効果は合わせて1.8兆円(無観客で1.6兆円)に上る。
一方新型コロナ・ウィルス対策の経済損失は去年の4月に出された1回目の緊急事態宣言では、約6.4兆円の損失。今年1月の2回目では、6.3兆円、そして現在も続いている3回目では、来月20日までの延長となると、約3.2兆円の損失となる見通し。
東京五輪をきっかけに感染者数が高まって、4回目の緊急事態宣言が出る状況になると、1〜3回目のように、かなりの規模の損失が起きる。なので、開催して約1.8兆円の経済効果が出てもマイナスになる。経済的な効果で考えても、感染リスクを無視して開催するのは望ましくない。
という、オリパラ開催には経済的にはネガティブな評価だった。
次に見たテレビ番組が、月末恒例の“朝生”討論番組だった。司会者は既に高齢だが、この番組には思い入れが強いらしく、その地位を後進に一向に譲ろうとはしない。そのため聴力が低下しているようで、パネラーの発言中に対ししばしば、“エッ?”、“何?”とか繰り返すので、見苦しい場面が何度もあったが、我慢して視聴した。結論から言うと概要、次の通り。
オリパラ開催の要素として、“する、見る、支える”がある。
先ず、“する”については、選手とその活躍の環境を整えるチームメンバーが対象となる。彼らに対しては、“バブル”という保護膜を形成して社会一般から隔離する手法が確立されつつあるということだ。つまり、選手団には厳重なPCR検査の実施を入国条件とし、入国後もほぼ毎日抗体検査をして、陽性となればPCR検査をする。入国後も日本人との人的交流を制限管理してだから、安心できるとの印象だった。これでは“バブル”ではなくて、“プリズン(監獄)”だ、との声も出るほどの管理が可能だという。
“見る”については、既に海外からの観戦客は既に入国禁止は決まっている。国内観客については、感染状態で場合によっては“無観客”も含めて開催を考える、という。
“支える”についてに問題があり、日本側の“おもてなし”ボランティアに対するワクチン接種が不透明な点だ。だが現状実態としては、日本にはワクチンが有り余っている状態なので、打ち手の医療者と場所の確保さえできれば、2カ月の間に何とかできるだろう、とのことのようだ。
残る問題は各国の報道関係者である。海外から来日する彼らをコントロールする枠組みの目途が立っていないという。目下、海外からの来日者の管理が不十分である、行方不明者も放置されているという実態がある。しかしながら特に、報道関係者は素行が良くない人たちなので、ウェアラブル端末を装着させてでも行動の監視・管理が必要なのだが、今からではそんなハードウェアーの調達がかのうかどうか不明だという。ならば、そういったメディア関係者の来日を、強権で持って制限することも考慮するべきではなかろうか。
議論の中では、ワクチンの調達の段階で、厚労省の副反応アレルギーに任せて、出遅れてしまった問題があったことが挙がっていた。だが、その後オリパラ開催国であることを、製薬メーカ側特にファイザーが理解して多量のワクチン供給に同意し、実行してくれたこと。EUやベルギー等の政府がそれに協力してくれている事実がある、という指摘もあった。そんな状況の中で、日本がオリパラ開催を中止や先延ばしする立場にはない、という意見もあった。
イスラエルがワクチン確保に成功したのは、ネタニアフ首相が社長にしつこく電話したこともあるが、ファイザー社長の両親がホロコストの対象になりかけた、ユダヤ人であったという仲間意識に基づいているのだ、というトピックス紹介もあった。
日本は病床数が世界一だったのだが、それでいながら医療態勢の崩壊に瀕した。何故なのかの議論もなされた。
それは公立病院の少なさから来ているとの指摘があった。感染症対策の要となる保健所の職員の削減も要因であり、手が回らなかった。或いは、看護師不足に対する待遇改善が進まなかった。子育てしながら勤務するのが困難な状態に置かれたままになっている。さらに大学教育で医学部増設に医師会が反対して、医師の増員がままならない状態であった。
こうしたことの原因の背景には、財政規律を重視し過ぎて予算の手当てがなかったことにある。或いは、経済の沈滞から回復していないために、国家予算を増やして行けないこともあった。“デフレからの脱却”を唱えながらも、消費税増税を行い、経済の沈滞を促進してしまった失政があった。
そういえば、大阪では維新の会が病院の統廃合を進めて、今回の医療態勢の崩壊に寄与したこともあったのではないか。そんな中で、元大阪府知事であり元市長であった張本人が、ネット上で堂々と新型コロナ・ウィルス対策の御意見を開陳されている様を見ると、何と恥も外聞もない人物か、と思わざるを得ない。こういう人物に御意見を伺おうとする人の思考も理解不能である。
また週末別の局TBSの番組“報道特集”では、次のような内容を伝えた。
海外の選手たちがオリパラ直前に最後の調整を行うキャンプが、ワクチン接種会場に転用される事例が多く、事前調整が不能になっている場合があるのではないか。或いは、パブリックビューイングを各地で計画し、準備が進んでいるが、感染対策としての人流抑制と矛盾する挙に出ている。
さらに、このままでは10月に感染ピークがやってくるとの東大・仲田泰祐准教授のシミュレーションがあるという。前提条件として緊急事態宣言が6月中旬まで延長され、国内のワクチンの接種は1日に60万本のペースで進むと仮定している。この場合、オリパラで人流が増えなければ感染ピークは10月にあり、822人とこの4-5月のピークと変わらないが、6%の人流増となれば1600人になるとのことだった。
その上、IOCはオリパラ参加選手に求める参加同意書に、自己責任のリスクとして、新型コロナウイルス感染症や猛暑による“健康被害”を盛り込んで、参加は自己責任であり大会で新型コロナ・ウィルス感染して死亡してもIOCは責任は取らない、としたという。とんでもないことだとのコメントだった。先に示したIOC委員の“けしからぬ発言”と並んで、身勝手なIOCではある。胡散臭さは増すばかり。
こうしたことを総合すると、政権政府は開催必至であり、恐らくたとえ都議会選挙前に都知事が“開催中止”に変心したとしても、それを抑え込んで、開催に至るものと思われる。
何故ならば、オリパラ開催を配慮して欧米からワクチンの大量供給を受けたからだ。それでオリパラ中止とすれば、国際信用問題となり、今後、日本政府への国際信頼は潰えると考えられるからだ。これは最大の国益損失となる。それは経済損失よりも重い。
恐らく、そういう事情も考慮しての発言と思われるが、JOC委員の中に“中止を準備する段階ですらない。”と実務上の問題を指摘する声もあるという。“開催するも地獄、中止も地獄”の事態に至っているとのことだ。思考停止で“流されるまま”の結果がこれなのだ。
そうならば、もっと一層真剣に政権政府は対処するべきだろう。一つやらねばならぬことは、オリパラ報道の各国からの関係者入国の強力な規制であろう。或いは大会ボランティアへの迅速な全員ワクチン接種への手配だ。また、各国選手団の日本各地でのキャンプへの支援・協力だ。
何故、こうしたことに政権政府は手が回らないのだろうか。オリパラ担当相は一体何をしているのだろうか。情報がないと記者団の前でボヤクのみでは、仕事をしていないことを公言しているようなものではないのか。彼女への首相の指導力はどうなっているのか。
しかしながら、東大の感染シミュレーションによれば、ワクチン接種があっても今後10月に感染のピークが見られるという。もしその結果、新型コロナ・ウィルス東京株の世界への拡散となれば、悲惨な汚名を歴史に残すことになる。そうなると衆議院議員が10月21日任期満了で、その時点での総選挙となり、政権与党は明らかに敗北するだろう。
逆に現在のワクチン接種の実施がもっと促進されて増加し、10月の感染のピークが抑制されるならばオリパラ開催も成功と評され、政権与党は大勝することになるだろう。
いずれにしても、この数カ月は政権与党にとっての賭けの正念場である。だが何だが、事態に流されたままのように見える。本来は、博打にならないように“先手、センテ”の対応で、確実な政策が求められたはずだが、実際は“ゴテゴテ”で、若干、全てが遅きに失しているのが実態である。

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