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伊東光晴・著“アベノミクス批判”を読んで―日本人の政治学的“知性”レベルを問う

先日、安保法案が国会を通過し成立したが、それはこの国のありように多くの問題を残した。それに関連して、大手出版社からのメルマガに紹介された“安保反対派はデモよりも「政権交代こそ常道」を痛感せよ”という有名私立大学の准教授による記事をネットで思わず読んだが、これが日本の政治学者のレベルなのかと内容の浅薄さに落胆を覚えた。 その一方で、“真眼”で社会を見る人、自由主義の碩学、筋金入りのケインジアンである伊東光晴氏はアベノミクスをどのように見ているのか、その著書“アベノミクス批判”を読んでみたのだ。読了して、驚倒する内容であった。幅広く深い経済学への造詣を梃子にした徹底したアベノミクス批判に始まり、それは経済政策のみではなく、首相への人物像から政策全般に及ぶ徹底したアベ政治全体への根本的批判であった。 またこれによって、アベ政治が米国の国益最大化に大きく寄与していることが理解できるようになった。またそのためには、伊東氏のような幅広い深い教養が要ると思い知るのだった。 . . . 本文を読む
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暴君討伐論―近代民主社会における市民の権利としての抵抗権を思う

安保法案が国会を通過し、成立した。集団的自衛権行使は国を売る要因でしかない。結果として米国にも中国にも日本は利用されていることが、どうして理解できないのだろうか。そして今回のアベ政治手法で日本の立憲主義、民主主義は大きく損なわれた。日本における法治への姿勢や、国の形が大きく変更されたように見える。 しかしそうした政権に反対する運動には社会的理解が乏しいように見える。日本では近代市民社会とそれに伴う民主主義の本質に対する理解が浅いので市民的権利の一部である抵抗権の意味は認知不十分なのだ。これには、深い失望を覚える。 こうした日本の寂しい状況の中で、工学系出身の私もホッブス、ロック、ルソー、アダム・スミス、カント、JSミル・・・・を改めてお勉強し直して行ってみたいと思う。そうすることで、市民の権力に対する“抵抗権”や環境論の“予防原則”について何が正しいのか、これから考えてみたいと思っている。今更、どこまでやれるのか自信は全くないが・・・。 . . . 本文を読む
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文春文庫本“海軍乙事件”を読んで

先週は高松へ審査に赴いて、結構忙しかった。今回はその時についでに見て廻った屋島観光を報告するべきだと思われるが、この夏休み以来、ずっと“見て歩く記”の投稿になっているので、それが続き過ぎるのも面白くない。今回は今夏の東京行とこの高松行の道中で読んだ文庫本“海軍乙事件”を取り上げたい。この本は、私の好きな吉村昭氏の短編集だ。 この短編には、旧日本軍官僚のいい加減さ、人命軽視、自己保身、秘密主義の悪しき性癖が端的に出ているエピソードが書かれている。そういう性癖、“伝統”を今の高級官僚も連綿と引き継いでいるのだとすると、否、どうも確実に引き継いでいるような気配が濃厚なのだが、日本の将来は非常に心配である。 国家の財政破綻と年金の破綻、それに備えるためという増税、にもかかわらず有効に国費を費やさず、オリンピック開催を奇貨として無駄遣いばかりしている実態に大いに不安を覚えるのだ。これは日本の官僚に特有のことだろうか、特有のことならば何故そうなのだろうか、その原因を知りたいものだ。それとも政官一体の見え難い癒着が問題か・・・。 . . . 本文を読む
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大阪の津波・高潮ステーション見学

津波・高潮ステーションは昨夏、私の所属する団体で見学会を開催したが、私は不都合で参加できなかったのを、8月下旬になって思い出して、行ってみたくなったのだ。 地下鉄・阿波座駅で下車して案内通りに10番出口に出たが、方向感覚がつかめずうろたえる。見上げると東西と南北の両方に高速道路が走っていてしかも雨がちで曇っていたので、一層分かり難い。何とか高速道路の様子で立っている所が新浪速筋と分かり、ようやく自分を取り戻し、津波・高潮ステーションの入口を探り当てた。しかし、背景に巨大マンションが建っていて、昨年とは風景が異なっていて驚く。 見学で大阪平野の成り立ちへの理解深耕と、江戸期の津浪対応等教訓と共に、現状の多少の問題点にも改めて気付いたように思う。 . . . 本文を読む
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