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NHK・100分 de 名著“ハンナ・アーレント『全体主義の起原』”のテキストを読んで

今回は、NHKの“100分 de 名著”で放送された“ハンナ・アーレント『全体主義の起原』”を取り上げたい。それは最近の日本の社会風潮に、そうしたものの片鱗を感じるからに外ならない。 この番組の解説者でテキストの著者は、金沢大学教授・仲正昌樹氏である。このテキストの冒頭では、ハンナの書いた“全体主義の起原”と“イェルサレムのアイヒマン”の紹介としたいと言っている。“この二作を通じてアーレントが指摘したかったのは、ヒットラーやアイヒマンといった人物たちの特殊性ではなく、むしろ社会の拠りどころを失った「大衆」のメンタリティ”だという。 不況が深刻化し社会不安が増大すると、それまで無党派層で無教養の“大衆”が、政治的不満を募らせるようになる。そこへ、彼らが安心するような世界観を示して、支持を得ようとしたのがナチズムでありボリシェヴィズム*だった。無知な大衆を煽ったのだ。そういう点で、“アホで何が悪い!”と居直るのはある種社会的犯罪でもあり、真実を探ろうとしない思考停止が問題なのだ。こうした認知的複雑性の欠如は、最近、日本でもそういった傾向が強くなっている。 . . . 本文を読む
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ササァーと京都へ初詣とミニ歴史散歩をめぐって

新型ウィルス蔓延のとば口に立って、先週“ササァーと京都へ初詣とミニ歴史散歩”をやってしまった。かねてより先週末、審査員研修会が京都で予定されていた。ところが、その直前に“緊急事態宣言”が発出される想定外となった。神社仏閣の多い京都へ行く機会に、初詣しようと年末から狙っていたのだ。人生の半分以上を過ごした者にとって、その分今後は、初詣の機会も少なくなる。だから思いついた“計画は直ちに実行するべきダ”という“悪魔の囁き”が聞こえ、松尾大社参拝を実行してしまった。 また、悪乗りしてついでとばかり、NHK大河“麒麟がくる”で知った織田信長の定宿だった妙覚寺とその近所の妙顕寺坪庭を拝観し、石臼引き手打ちそば 定七で昼食。足利義昭の旧二条城跡、その兄の義輝邸跡の確認をし、御所公園内にある旧二条城の石垣復元の場所へ行って見た。また、その近くの閑院宮邸跡の庭も覗いてみた。 四条烏丸に戻って、研修会前に錦市場へ買い物に行ったが、シャッター街になっていて不安がよぎった。 . . . 本文を読む
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2021年年始ご挨拶

この度、年始恒例の米イアンブレマー氏率いる米調査会社ユーラシア・グループの“2021年の世界の10大リスク”が発表された。それは以下の通り。 (1)米国の分断(次期バイデン政権の政策運営の不安) (2)新型ウィルス感染拡大の長期化(各国経済への悪影響) (3)グリーン化(気候変動対策を巡る競争) (4)米中緊張関係の波及 (5)データ競争(世界的なデータ規制強化による情報の流れの鈍化) (6)サイバーリスク(サイバー攻撃の激化) (7)トルコ(エルドアンの政権運営不安) (8)産油国にとって厳しい年に(原油安の打撃を受ける中東地域の不安定化) (9)ドイツのメルケル首相退陣(その後の欧州) (10)中南米が抱える問題(中南米諸国に政権変動が予測) これ以外に、国内で予定されているのは、①東京五輪・パラリンピック開催(7~9月)、②デジタル庁創設(9月)、③衆議院議員任期満了・総選挙(10月)だという。これらの項目について、思うところを述べた。 . . . 本文を読む
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