ただ一人迦葉(かしょう)のみ在りて、おシャカ様の密意を見破ったのです。
さすがのおシャカ様も是の内証をすっぱぬかれたので地位を譲ったのです。
そこで「吾に正法眼蔵、涅槃妙心、実相無相、微妙の法門有り、不立文字(ふりゅうもんじ)教外別伝(きょうげべつでん)摩訶迦葉(まかかしょう)に付属す」と譲り渡しの証文状を書いたのです。
これが「禅定の始まり」であり、「印可證明(いんかしょうみょう)」の起源なのです。
おシャカ様は私たち衆生の前身です。
私たち衆生はおシャカ様の後身です。
見 明星(けんみょうじょう)の眼も私たち衆生の眼も眼は同じく横なのです。
「己れ」を認めなければ、皆、「己れ」で無い物はないのです。
おシャカ様はこのように「金波羅華」を拈じられたのです。