「拈華微笑(ねんげみしょう)」の話は「禅の紀元」として世に知れ渡っています。
インド、中国、日本へと歴代の覚者といわれる方々は皆この話に由来しているのです。
「拈華微笑」とはおシャカ様が一枝の「金波羅華(こんぱらげ)」を拈じて、言説を越えた仏教の端的を示したところ「迦葉(かしょう)」のみがその密意を知ってにっこり微笑したという因縁話です。
「四十九年一字不説」とは、おシャカ様最後の説法です。
「不説」とはその物が説けないという事です。
何故ならば「その物の外にその物が無い」からです。
説かないのではありません。
「元来説けない」のです。
説けばそれだけその物にそむける事に成るのです。