活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

死は最後の戦いなり

2017年05月05日 | 道元禅師

先般、臨終の時に「三つの愛着(弱点)」が起こると

話しました。

 

「人事は棺を蓋して定まる」とのお言葉があります。

人事の常ならざる思い掛け無いことばかりが多い世の中

ですから、平生の「覚悟」が最も肝要です。

 

「死也全機現(しやぜんきげん)」という道元禅師の

お言葉があります。

 

「死は全機現なり」と悟る上は、「死」に二つはありません。

道元禅師曰く、

「死の時 盡天盡地 一枚の死」

なのです。

 

何も比較すべきものはありません。

只「死のみなり」なのです。

 

「修行の要点」とは、何も比較すべきものはなく、

「只死のみなり」と見て他を見ないことです。

 

いくら考えても、功夫をしても、死ぬ時は死ぬより外に

「道」はありません。

 

「仏も死に、衆生も死に、念仏を唱えればそれだけ汚れ

極楽を求めればそれだけ穢れる」のです。

 

とにかく人は、笑いの中に生まれ、死ぬ時は泣く中で笑って

死ぬ「覚悟」がなければなりません。

 

それには「平生の修行」が大事なのです。

死ぬ前では、もう間に合いません。

 

古来、おシャカ様を始めとした歴代の覚者方の「死にざま」に

学び、参究の一助とすべきです。

 

「彼も人なり 我も人なり その人に成れ その人に成れ」


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