活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

仏教と神道(しんとう)

2015年01月25日 | 道のこと
仏教とは、「人間の世界の中で人がどういうふうに生きていったらいいのだろう」という人間に特化した教えである。

仏教では自然界にあって人を中心に、人に限定した生き方や教えというものを説いている。

神道では人間も基本的には「自然の一部である」との考えである。


仏教と神道では、まず中心とするものが違うので物事を見る視点が変わってくる。

仏教では壮大な輪廻転生の死生観をもたらしたが、神道では「黄泉の国」という概念であり死者の赴く処だというシンプルな世界観である。

神道には仏教のような教えというものがない。「古事記」や「日本書紀」のような「史書」という形で伝わってきている。

神道をどうやって実生活に活かすのかといったとき、神道における “教え” というものは強くはなかった。


聖徳太子は人を中心に、自然界のなかの人に限定した生き方や考えを強く押し出した仏教を採り入れた。

神道では後に神仏習合・本地垂迹等の思想が出現する。