今日は江ノ島

2011年01月05日 | 風の旅人日乗
第34回America's Cup関係者から、今日もメールが着ている。
自分のところで留めておくわけにはいかないので、長老たちに相談の上、ある人物に報告するために、これまでの経緯や、提案資料をまとめる作業を続ける。
その間、飯を食うための自分の仕事ができないが、仕方ない。これはこれで、とても大切なことだと思うから。

午前4時、オリオン座のミンタカが沈む時間になったので、作業を中止し、ホクレアに乗るときに使っているマグカップにコーヒーを入れ、森戸の浜に、仮想航海に出かける。

森戸の浜から西の方向を見てみると、森戸神社の新年灯明の灯りがとても明るく、沈んでいく星々が見えない。
なので、神社裏の浜まで行き、波打ち際に座り込んで、
真南よりも4ハウス西のMANUへ船を進める、という想定の仮想航海を始める。

この時間だと、沈むミンタカで真西を確認することができる。

地平線付近に近づいてきたオリオン座は、驚くほどデッカイ。
天の赤道上にあるミンタカは富士山の南に消え、赤いベテルギウスは江ノ島のちょっと北で見えなくなった。

西端のミンタカを含む3つ星は、昔の日本では住吉三神と呼ばれ、航海の神様とされていたらしい。
天の赤道上にあって、どの緯度を航海していても必ず真東から上がってきて真西に沈む星は、航海者に方位を知らせてくれる大切な星だったのだろう。
日本人のぼくには、オリオンベルトなんて、縁もゆかりもない国の神話に由来した名前はしっくりと来ない。
この星々に住吉三神という厳かな名を付けた、航海者だった祖先のセンスを誇りに思う。

シリウスは、今日はプリズムを通して見ているように、なぜか7色に忙しく色を変えていた。

その上に、プロキオン。
プロキオンのハワイ語名は、プアナ。いい響きだね。ナイノア・トンプソンの、2歳になる娘の名前でもあります。
ナイノアかあ。
仕事用パソコンに『ナイノアからの宿題、一刻も早く』と自分で書いたメモに、この数ヶ月追いかけられている。




[一応夜空の写真なんですが、真っ黒け。うまく撮れるときもあるのにな。なんで?]


仕事に戻らなければ、と思いながら仮想航海を終えることにして、伸びをしながら背中の空をふり仰いだら、
ホクレアがほぼ真東上空で瞬いていた。

準備、先に進めなくていいの?と、空から語りかけてくる。
分かっていますよ。分かっていますけど、優先順位というものがありまして、と自分自身に言い訳をしながら砂浜を歩く。

でも今日は、この件のアドバーザー的サーファー/パドラー/セーラーの皆さんと、新年会を兼ねた集まりがあって、夕方から江ノ島に行く。
その数時間は、ホクレアのことをズッポリと考える数時間にしよう。

仕事を早く終わらせて、待ち合わせの時間より少し早めに江ノ島に行って、江ノ島神社にもお参りしようっと。
初詣の人出も少しは減ったかな。