バック

　以前は自転車で来店していた年輩のTさんは、健康の為にと最近は歩いて当店に来ている。

　私 「今日も歩きか？」
　客T「そうや。しやけどしんどいからゆっくり歩いて来てん」
　私 「ゆっくりて、バックで？」
　客T「そうや、バックはどうしてもスローになるからな…。何でやねん！バックでここまで歩かれへん！」
　私 「あそうか、よけい心臓がバックバックするなあ」
　客T「ほんまや」
　私 「バックしようとして転げたら、バックシヨウ(爆笑)モンやなあ」

　一句：長い距離　バックで歩けば　ずっこける
　謎かけ：バックとかけて、お茶と解く。どちらも(Ｔ・ティー)があります

オシッコ

　G君はM君が自分のマンションに来られるの嫌がる。

　私 「親友やのに何でやの？」
　客G「オシッコ、立ってするから嫌やねん」
　私 「大体、男は立ってするやん」
　客M「そうや。立ってするのんは男の醍醐味や」
　私 「そんなん、醍醐味て言えへんで」
　客G「Mはいつも飲んで来るやろ。座ってせー、言うねん」
　客M「まあ、酔うてたら狙い定められへん時があるなあ」
　客G「そやからオシッコを便器の淵に飛び散るねん」
　客M「マスターはどうやのん？」
　私 「俺か？立ってするで」
　客M「ほれみー、マスターも立ってするやん」
　私 「まあ、片足を上げてするけどな」
　客G「犬かい！」

　一句：酔っ払い　電柱めがけて　立ちションを
　謎かけ：オシッコとかけて、疲労が溜まって衰えてきたと解く。どちらｍ０(小水・憔悴)です

種明かしシリーズ–20 輪ゴムに入るリング

　マジックの種明かしの第20弾は『輪ゴムに入るリング』です。タネを知らない人が見ると「アレッ！」と驚きます。リングの代わりに居合わせた女性の指輪を借りてこのマジックをしましょう。目の前のミラクルにきっとその女性は驚くことでしょう。おまけのマジックは『輪ゴムの指間移動』です。

YouTube⇒http://youtu.be/rB6GNXoHqIk

スパルタ式

　M子ちゃんが唄った川中美幸の流恋草(はぐれそう)を年配のTさんが練習すると言い唄った。

　私 「M子ちゃんはハグレソウやけど、Tさんはハズレソウやなあ」
　客T「M子ちゃん、もう一回、教えてや」
　客O「厳しくいきますよ」
　私 「Tさんは甘いからスパルタ式で教えんな覚えられへんからなあ」
　客T「間違(マチゴ)うたら、しばく様にムチを用意しといてや」
　私 「マゾか。ほんだらハンマーを用意したるわ」
　客O「それで叩いたら救急車を呼ばんなアカンわ」
　客T「その前にパトカーを呼んで警察に来てもらわんな」
　私 「いや、霊柩車かも知れんなあ」

　一句：甘人間　スパルタ式で　鍛えましょ
　謎かけ：スパルタ式とかけて、あるはずの無いものが見えると解く。どちらも(厳格・幻覚)である

ヒキガエル

　カラオケ番付の横綱のTさんがカラオケ採点機で今日は100点を10個出した。

　客H「100点10個も？凄いなあ」
　客T「以前は前頭をウロチョロしてたけど、マスターにコツを教えてもろて100点が出る様になってん」
　客H「どんなコツ？」
　客T「マイクの使い方やキーを上げるとかココは伸ばした方がエエでとか」
　私 「Tさんにココを伸ばしや、言うてんのに鼻の下を伸ばしてたなあ」
　客T「そうや、俺は女が好きやねん」
　私 「Tさんは酔いつぶれてても女の子が(店に)来たら生きがえるねん」
　客T「誰がヒキガエルやねん」
　私 「ヒキガエルて、言うてへん。しやけどエッチなTさんが店に居てたら女の子はヒキカエスかもなあ」
　客T「いや、直ぐにはヒキカエル事は無いで」
　客H「なんで？」
　客T「♪カエルかな～、カエルのよそうかな～」
　私 「北島三郎の“帰ろかな”かいな。サブちゃんだけに、サブっ！」

　一句：カエルさん　車にひかれて　ヒキガエル
　謎かけ：ヒキガエルとかけて、何度も再婚をした父の最初の子供と解く。どちらも(イボイボ・異母、異母)だらけです

100円

　M君は思いっきり声を出して唄うのでやかましく、他の人の話し声が聞こえない。

　ママ「もうちょっと声を押さえてよ。こっちのお客さんの話声が聞こえへんわ」
　客M 「トークはタダやけどカラオケはお金を払(ハロ)てる。思い存分唄わんな損や」
　ママ「言うよね～」
　私　「お金がかかってる言うても1曲100円だけやん」
　客M 「100円言うたら大きい。百均で色んなモンが買えるで」
　私　「しやけど100円玉は、ヒャー食えん！」

　一句：100円で　発散します　カラオケは
　謎かけ；100円とかけて、犬小屋の中の犬と解く。どちらも(ワンコイン・わんこ、in)です

ホセ・ムヒカ大統領

　今、国会で安倍首相や菅官房長官、麻生財務相、宮沢経産相、甘利済担当相、林農林水産相らが政治資金規正法で問題になっている。更にそれを追及する民主党の岡田代表や他の野党議員も問題のある会社から寄付を受けていた事が判明、いつの時代も日本の政治家はカネまみれである。
　それに引き換え南米の小国ウルグアイのホセ・ムヒカ大統領(79)は、『世界で一番貧乏な大統領』と言われるほど慎ましい生活を送っている。
　彼は常に国民と同じ目線に立ち、「ぺぺ」の愛称で国民に親しまれていて、個人資産は1987年製フォルクスワーゲン・ビートルのみで、大統領公邸には住まずに首都郊外の質素な住居で暮らしている。また、給与の9割を財団に寄付し月10万円強で生活しており、大統領専用機は持たず、 国際会議などに行く時はエコノミークラスで行くか、他国の大統領の飛行機に同乗させてもらうとか。
　またある時、彼は愛車のフォルクスワーゲン(2014年現在の価値は＄2800(32万円)をアラブの富豪より＄100万(約1億1600万円)で買い取ると打診されたが、「友人たちから貰った物だから」とこれを拒否した。
　リオ会議での「貧乏な人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人の事だ。(後略)」などのスピーチには多くの人たちに感銘を与えている。　
　またCNNのインタビューでは「お金があまりに好きな人たちには、政治の世界から出て行ってもらう必要があるのです。彼らは政治の世界では危険です。お金が大好きな人は、ビジネスや商売のために身を捧げ、富を増やそうとするものです。しかし政治とは、すべての人の幸福を求める闘いなのです」と言っている。
　彼は『世界で一番貧乏な大統領』だが、本当は『世界で一番心の豊かな大統領』だと思う。日本の政治家も少しは見習って欲しいものである。

　一句：ホセ・ムヒカ　カネの問題　無関係
　謎かけ：ホセ・ムヒカ大統領とかけて、自分が持ち続けている強い意見と解く。どちらも(首長・主張)です

ヘルス

　G君は前妻と別れてから、彼女いない歴が5年になったとか。

　客G「ああ、彼女が欲しいわ」
　私 「なんや、溜まってるんかいな？」
　客G「長い事、エッチしてないねん」
　私 「ほんだらヘルスでも行きや」
　客G「俺、行った事がないから何処へ行ったらエエか分かれへんねん」
　私 「Y君はヘルスの常連やから、教えてもらいや」
　客Y「安い店は年輩の女性が多いけど、高い店は若い子が揃てるし、サービスも至れり尽くせりやで」
　客G「どんなサービスがあるのん？」
　客Y「車で行ったら帰る時は洗車をしてくれてたわ」
　私 「車で行ったら帰る時は戦車かいな。ミリタリーファンにはもってこいやなあ」
　客Y「その戦車と違う。車を洗(アロ)てくれるんや」
　私 「しやけど、ヘルスはミリタリーファンに喜ばれるやろなあ」
　客Y「どういう事？」
　私 「気持ちええから、つい鼻歌がでるで。♪夢中性感ヤマト～」
　客Y「それ、宇宙戦艦大和や」

　一句：独り者　ヘルスに行って　スッキリと
　謎かけ：ヘルスとかけて、徳島の夏まつりと解く。どちらも(泡踊り・阿波踊り)があります

SP

　ホイットニー・ヒューストンの話から『ボディガード』の話になった。

　客H「あの映画、良かったなあ」
　私 「グリコみたいや」
　客H「グリコ？」
　私 「グリコは一粒で2度おいしい。あの映画はホイットニーヒューストンの歌とケビンコスナーのアクション、両方楽しめた」
　客H「例えに差がありすぎや。あの映画ではケビンコスナーは元大統領のSPやったんやなあ」
　私 「SP言うたらカレーを作る会社やろ？」
　客H「それ、SBや！あの映画に関係ない」
　私 「いや、あながち関係ない事はないで」
　客H「なんでや？」
　私 「ホイットニーヒューストンの舞台は華麗やった。カレーやった」
　客H「こじつけすぎ～」
※SP(security police)＝護衛隊、公安警察、要人警護 任務に専従する警察官

　一句：目がキラリ　要人警護の　SPは
　謎かけ：SPとかけて、目上の人に使う言葉と解く。どちらも(警護・敬語)です

MY SONG『陽はまた昇る』

　時々店で、「マスターの好きな曲は何？」と、お客さんに聞かれる事がある。
　私がNHKのど自慢で優勝した平原綾香の“Jipiter”もあるが、この曲は今は亡き娘の瞳が好きだった曲で、私の好きな曲というよりも心の中で一生大切にしたい曲である。
　歌好きの私には好きな曲はたくさんある。どれか1曲を選べと言われると大いに迷ってしまうが、強いて選ぶなら谷村新司の“陽はまた昇る”だろうか。
　この曲はそれまでの私の生き様と重なるところがあり、唄うとじわっと胸がこみあげてくる。
　私は仕事人間で若いころからひたすら働いてきた。それが将来において幸せな家庭を築けると思っていたから。
　“陽はまた昇る”の一節『♪夢を削りながら　年老いてゆくことに　気がついた時　はじめて気付く　空の青さに』に私は胸を打たれる。
　夢を追い求めて無我夢中で働いてきたが、結果的には空回りの人生で夢を削っていた。そして愛する娘を失って初めて大切な事を忘れていたのに気づかされた。
　『♪あの人に教えられた　無言の優しさに』
　仕事中心ながらも自分では家庭の事も考えていたつもりだったが、瞳が亡くなって2週間ほど仕事を休んだ時、毎日遺影を見つめながら「これでええんやろか？」と自問自答を繰り返した。
　あの時は生きる望みを失くし、毎日毎晩、涙酒を飲んだ。いや、飲んだくれた。飲んでも飲んでも酔えずに苦しさが増すばかりで眠れぬ日が続いた。
　『♪今さらながら　涙こぼれて　酔いつぶれた　そんな夜』…この歌詞もまたオーバーラップする。
　あの日以来、私は仕事人間とおさらばして、ブログや瞳のホームページを書いたり趣味の幅を広げたりと、自分の時間を取り戻した。
　それが繋がってNHKのど自慢に優勝したり、趣味のスナック芸で11回もテレビに出演したりと、何事にも代えられない得難い経験をさせてもらい、年老いた今も燃えながら人生を送っている。
　『♪陽はまた昇る　どんな人の心にも　ああ生きてるとは　燃えながら暮らすこと』
　夢の実現にはまだまだ程遠いが、天国で独り待つ瞳に喜んでもらえるようにいつも意識している。
　『♪春まだ遠く　哀しむ人よ　貴方を愛す』
★カラオケ『陽はまた昇る』歌唱：有村正