雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

受動型であることについて

2006年01月18日 | 「発達障碍」を見つめる眼
今また「ことばと発達の学習室」の掲示板の過去ログを
読み直しています。他の訪問者さんたちの書き込みや
自分の過去の書き込みから、また新たな発見があったりします。
何度読み返しても学ぶものがある過去ログです。

そんな中に、2003年8月に自分がこんなことを書いてたのを
見つけました。(原投稿中の固有名詞は伏せさせていただいています)

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ご本人の口から語っていただくと、「なるほど~」と思いますね。
特に○○さんのおっしゃった「マイルドになった積極型」という感じ、
とてもわかるような気がしました。

私は個人的には、社会性がどの「型」と診断される子どもであっても、
その子の感じ方やあり方、つまり「自閉者としての文化」を尊重しながら育てられれば、
非自閉の社会とガンガンぶつかって傷だらけになることなしに、
それぞれ「マイルドになる」のではないかと思うのです。

マイルドになる、というのは、「自閉者でありつつ、
非自閉者仕様になっているこの社会との、自分なりの接点、
折り合いのつけかたを身につける」ということです。

ただ、元々が「孤立型」であった場合や、
元々が「受動型」であった場合には、むしろ「積極的に
人や環境と関わるようになった」という形になるでしょうから、

元々が「積極奇異型」であった子が、周りの環境や
人とうまく折り合いがつけられるようになってきたことだけが
クローズアップされて「受動型になる」というような
言い方をされるのではないかと。

●●さんの実感とはだいぶ違うのでちょっと自信がなくなってきたんですが
私は息子をずっと「受動型」だと思ってきました。
自分からは関わっていけないが人から関わってくれると大丈夫、という点では
「受身」とも言えるんですが、私自身は「受動的」というより
「受容的」と言ってくれないかなあ、そのほうがぴったりくるんだけどなあ、と
思うことがよくありました。

まわりの、典型的孤立型や典型的積極奇異型のお子さんと比べると、
対人関係が「ニュートラル」というか、社会性に問題があることが
「目立ちにくい」タイプ、
集団の中でもあまり大きな問題がなくて、「手のかからない子」として
ややもすればほったらかし、後回しにされてしまうようなタイプ。

他のタイプと比べると、非自閉者にとっては「とっつきの良い」タイプでは
ないかと思います。
それが、他のタイプの方から見ると「同じ自閉者なのに社会で受け入れられやすい」
という評価になるのではないでしょうか。

でも、(私が思っている)受動型の息子も、人に関わろうとすればやはり
一方的だったり奇妙なやり方だったりしますし、環境によっては
周囲を遮断して「自分の世界」を守ろうとしたりします。

そういう意味では、非自閉者にも内向的な人や社交的な人、
他罰的な人や自罰的な人、賑やかな環境を好む人や静かな環境を好む人が
いるのと同じように、

自閉者にも「人との関わり方」にそれぞれ個性があって、それを
非自閉の側から一方的に種類わけしたのが「孤立型」「受動型」
「積極奇異型」なのではないかと思ったりするのです。

ですから、私達親が、「子どもが何型と呼ばれるか」に振り回されるのは
本末転倒ですし、例えば「受動型にすること」を目標に療育をしよう、と
したりするのはナンセンスではないかと思います。

むしろ、●●さんがおっしゃるとおり、もともとの「**型」なりに
非自閉社会との折り合いのつけ方を学ぶ援助をしていく、というのが、
親にできる「療育」ではないかと考えるのです。

「受動型」の子どもだからこそ「受動的」にならないように、
自分で選んで、自分のものと言える生活を送って欲しい、と
願いながら、私は息子を育ててきたつもりです。

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「問題をおこさない子」だからこそ、より丁寧に、より
本人の気持ちに寄り添って育てることの大切さ、
改めて自分に言い聞かせておきたいと思います。