千字のおもい


徒然のことを千字を超えずに載せていきます。

「アンリオ夫人」 ルノワール 

2023年02月26日 | 徒然の記
ルノワールの「アンリオ夫人」は1878年頃の作品という。この絵はちょっと斜め方向から見た時と真正面からみた時の印象が全く違う。上半身の肖像画で顔はくっきりと描かれているが首から下はぼかした描き方で上品で優しげな女性だ。だが、絵を真正面にして目の高さに置き、そして間近に見る時、私だけを一途に見つめているような錯覚を覚える。口を閉じ何か言いたげな視線、それに応えていつまでも向き合っていたい気もちにさせる。首から下がぼかされた描写だからその思いが一層強くなるのだろうか。(鑑賞してる絵はB5版の印刷物)
このモデルは今から150年も前の人、現実には骨片さえも無い人と思うといいようもない不思議な気持ちになる。

                                             
                  現にはあらぬ女人や冬銀河   千字
                    (春の季語は下品になりそうで冬の季語にした)
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