千字のおもい


徒然のことを千字を超えずに載せていきます。

冬の句UP

2023年02月05日 | 俳句をつくる


早い。昨日は立春、歳時記上であるがもう冬は終わった。
振り返ると、この冬は作った句数が少ない。感性が鈍くなり身の回りの事象を詩的に捉えられなくなったか、それとも作ろうとする根気強さがなくなつたか。おそらく寒さと加齢で脳の萎縮が進んたのかもしれない。






冬の句一覧  (2022.11.72~023.2.3)

病む母の下駄の狭庭に蜆蝶
突風の撥ね上ぐる色紅葉散る
裸木の下ときおり目交ぜの老夫婦
居酒屋の更地となりぬ雪催
八階までワクチン受けに歳の暮
川向うの静もる街に淑気満つ
盛り上がる雲影雲に初日影
クーポンに硬貨を足して初買ひす
粉末の七草色なる一人粥
死に体の翁ベンチの日向ぼこ
寒の虹はにかむ妻の仮退院
部屋干しの増えゆく日々や雪催
仄暗きカフエの片隅女郎花
凍て廊を巡る看護師小さき灯
終バスの灯の近づきぬ冬の星
床に臥す妻へ男のねぎま汁
煖房のバスを微かに換気の冷
地吹雪を背で逆らひ進みけり
吹雪く日の電球の下頁繰る
風邪かなと覚えし悪寒背を焙る
冬麗の歯医者帰りの散歩かな
頬杖に浮かびくる顔女郎花
アスファルト工事の湯気と舞ふ粉雪
粉雪吹く工夫無言の道普請
雪晴れの半分隠るビル横丁
みぞれ煮をかき分け牡蠣のミルク色
蝋梅の前にピースの女子学生
頬杖にthe roseを聴く春の雪
コメント
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