いろいろ伝説の多いヒトではありますが・・・印象に残っているお話を少し。
通常、大きなコンサートホールの会場には警備のヒトがいらっしゃいます。
モロ警備員という格好はしていませんが、通路の要所要所に立って、
開演までは会場の案内や見回りを、
開演後は前に押しせようとするファンの防波堤として、
会場内の安全を見張っておられます。
が、ジュリーのコンサート、少なくとも大阪フェスティバルホールでのコンサートには
警備のヒトが一人もいらっしゃいませんでした。
開演まではいて、案内をしてくれます。
でも、開演のブザーとともに退場されるのです。
何故か?・・・必要ないからです。
「ジュリーのファンはマナーがいい。」
私がコンサートへ行っていた頃のファンの評判です。
アイドル時代の全盛期、コンサートといえば盛り上がり熱狂し、
ごく一部ではありますが、席の上に立ち上がったり、
後ろから前に押し寄せてステージにかじりつき、
中にはよじ登ろうとするファンや、歌手に抱きつこうとする人までいる・・・
そんな光景はザラでした。
盛り上がるのは大いに結構なのですが、こういったマナー違反の、
ジコチューでメイワクな人たちが一部にいたのも事実です。
ですから、警備のヒトがたくさん会場内にいるのもいたしかたないこと・・・
でも、ジュリーのコンサートには一切いらっしゃいません。
ジュリーのファンはそんなメイワク行為はしないと信用して貰えていたからです。
それ以前に・・・
マナー違反のファンを一番厳しく叱りつけたのは他でもないジュリー自身でした。
「後ろ下がってください!」
「自分の席でおおいに楽しんでくださいね。」
「他の人の迷惑になるような見方は俺も困るんや。」
・・・・
マナー違反を見ると、途中で歌うのをやめてでも注意しました。
でも逆に、ファンを無理矢理取り押さえようとした警備の人には
「俺がちゃんとするから手は出すな。」
と言ったことも・・・。
「ここ(大阪フェス)は、僕たちを信じて、会場警備の人を引き上げてくださっています。
この信用を続けるためにも、皆さんはマナーを守って見てくださいね。
自分の席では大いに盛り上がってくださって結構です。
でも、席の上に登ったり前に出てきたり、あぶないことは絶対しないでください。
でないと、せっかく信用してくださってるのに、信用をなくすのが一番怖いからね。」
ある年のお正月公演でのことat大阪フェス。
和やかに楽しくジュリーのおしゃべりを聞いていた時。
余談ですが、ジュリーのMC、しゃべりは面白いことで有名でした。
ベタベタの関西弁で、美しい衣装とお化粧で、めちゃめちゃアホな話をするのです。
紅白歌合戦の内幕、楽屋裏の話や、レコード大賞をとった時の心理、
他のアイドルタレントのジュリー的考察、
バンドメンバーやスタッフとのこぼれ話などなど、いつも抱腹絶倒で
20~30分喋くりっぱなし、下手な落語や漫談より面白いと定評がありました。
例えば「勝手にしやがれ」でレコ大取った時の話・・・
「コマーシャルの入る時間は僕らにとってもちょっとホッとする時間なんですが、
あと大賞の発表だけと言うときのCMタイムになった時にね、
・・・女の人がスタンドマイク持ってきたんですよ。
ええ?・・・スタンドマイクですよ~・・・。
・・・『勝手にしやがれ』はスタンドマイクやぞ・・・。
いやいや、そんなはずはない、あそこへ司会者が来て、
『それでは発表します』・・・
いやいやいや、リハーサルではそうはやらんかった。
審査の人からアシスタントの人が何か渡されて、それを司会席に持って行って
司会者の席で高島(司会の高島忠夫)さんが・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・スタンドマイク~~~~~~!!!(爆笑)」
そして大賞受賞が決まった時の話・・・
「『やった・・・!』と思って、ぐっと力が入るのとホッとしたのとが同時でね、
僕は思わず席にぐた~っと沈み込んだんですよ。
そしたら隣に座ってた加瀬さん(元ワイルドワンズ、ジュリーのプロデューサー)が
わあって両手挙げて立ち上がってね、で、ふと見たら自分だけ立ってるのよ、
僕はぐ~っと沈み込んでるし、大野さん(「勝手に・・」の作曲者、大野克夫さん)は
隣の井上さん(井上堯之さん)と握手してるし、
で、慌ててホッと僕を立たせて、大野さんも立たせてね(笑)・・・!」
と、その時の加瀬さんを再現して手を挙げたり、臨席の自分を立たせる身振りをしたりで
会場内は大爆笑の嵐・・・
とにかく面白かったんです、ジュリーのMC!!
ところがそういった楽しいおしゃべりのさなか、
1階のたぶんかなり後方からだと思われますが、
女性の罵声?と思しき声が飛んだのです。
突然で何を言ったのかは聞き取れませんでしたが、悪口だったのは確か。
会場を埋め尽くしたファンが一斉に声のほうを振り返り、走る緊張の中、
ジュリーが静かに答えました。
「何ですか?」
静まりかえる会場。その人はこう続けました・・・
「いつもカッコばかりつけて!!」
ざわめく会場・・・
うわわ~、周りがすべてジュリーのファンなのによくああいうこと言えるな、凄いな~
・・・じゃなくて!!
みんなの、その人への視線は当然ギラつきます。が、ジュリーは涼しい声で
「ええ、僕はいつもカッコばかりつけてますが?」
ソレが何か?的な・・・? そして続けて
「前へ出てきてください。何か言いたいことがあるんやったら出てきてゆうてください。
そんな、うしろのほうでごちゃごちゃゆわんと。聞きますよ、僕は。
あのね、ゆうときますけど僕は気ぃ強いですからね、ちょっとくらいなんか言われても平気ですよ。
せやから、言いたいことあったら、前へ出てきて堂々と、はっきりゆうてくださいね。
みんなもね、言いたいことあったら言おね。堂々と。
我慢したらアカンよ、言おね!」
会場からは割れんばかりの拍手喝采・・・
その人がその後どうしたかはわかりませんし・・・
そもそも何をしにきたのかもよくわかりませんが・・・
結局ジュリーの株を上げただけだったのかな??
いや、オトコマエですね~、ジュリーって、ホンマ!
ジュリーネタは尽きないのですが、も少しお付き合いを・・・。
次回は必見?「悪魔のようなあいつ」のお話を少々・・・。
通常、大きなコンサートホールの会場には警備のヒトがいらっしゃいます。
モロ警備員という格好はしていませんが、通路の要所要所に立って、
開演までは会場の案内や見回りを、
開演後は前に押しせようとするファンの防波堤として、
会場内の安全を見張っておられます。
が、ジュリーのコンサート、少なくとも大阪フェスティバルホールでのコンサートには
警備のヒトが一人もいらっしゃいませんでした。
開演まではいて、案内をしてくれます。
でも、開演のブザーとともに退場されるのです。
何故か?・・・必要ないからです。
「ジュリーのファンはマナーがいい。」
私がコンサートへ行っていた頃のファンの評判です。
アイドル時代の全盛期、コンサートといえば盛り上がり熱狂し、
ごく一部ではありますが、席の上に立ち上がったり、
後ろから前に押し寄せてステージにかじりつき、
中にはよじ登ろうとするファンや、歌手に抱きつこうとする人までいる・・・
そんな光景はザラでした。
盛り上がるのは大いに結構なのですが、こういったマナー違反の、
ジコチューでメイワクな人たちが一部にいたのも事実です。
ですから、警備のヒトがたくさん会場内にいるのもいたしかたないこと・・・
でも、ジュリーのコンサートには一切いらっしゃいません。
ジュリーのファンはそんなメイワク行為はしないと信用して貰えていたからです。
それ以前に・・・
マナー違反のファンを一番厳しく叱りつけたのは他でもないジュリー自身でした。
「後ろ下がってください!」
「自分の席でおおいに楽しんでくださいね。」
「他の人の迷惑になるような見方は俺も困るんや。」
・・・・
マナー違反を見ると、途中で歌うのをやめてでも注意しました。
でも逆に、ファンを無理矢理取り押さえようとした警備の人には
「俺がちゃんとするから手は出すな。」
と言ったことも・・・。
「ここ(大阪フェス)は、僕たちを信じて、会場警備の人を引き上げてくださっています。
この信用を続けるためにも、皆さんはマナーを守って見てくださいね。
自分の席では大いに盛り上がってくださって結構です。
でも、席の上に登ったり前に出てきたり、あぶないことは絶対しないでください。
でないと、せっかく信用してくださってるのに、信用をなくすのが一番怖いからね。」
ある年のお正月公演でのことat大阪フェス。
和やかに楽しくジュリーのおしゃべりを聞いていた時。
余談ですが、ジュリーのMC、しゃべりは面白いことで有名でした。
ベタベタの関西弁で、美しい衣装とお化粧で、めちゃめちゃアホな話をするのです。
紅白歌合戦の内幕、楽屋裏の話や、レコード大賞をとった時の心理、
他のアイドルタレントのジュリー的考察、
バンドメンバーやスタッフとのこぼれ話などなど、いつも抱腹絶倒で
20~30分喋くりっぱなし、下手な落語や漫談より面白いと定評がありました。
例えば「勝手にしやがれ」でレコ大取った時の話・・・
「コマーシャルの入る時間は僕らにとってもちょっとホッとする時間なんですが、
あと大賞の発表だけと言うときのCMタイムになった時にね、
・・・女の人がスタンドマイク持ってきたんですよ。
ええ?・・・スタンドマイクですよ~・・・。
・・・『勝手にしやがれ』はスタンドマイクやぞ・・・。
いやいや、そんなはずはない、あそこへ司会者が来て、
『それでは発表します』・・・
いやいやいや、リハーサルではそうはやらんかった。
審査の人からアシスタントの人が何か渡されて、それを司会席に持って行って
司会者の席で高島(司会の高島忠夫)さんが・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・スタンドマイク~~~~~~!!!(爆笑)」
そして大賞受賞が決まった時の話・・・
「『やった・・・!』と思って、ぐっと力が入るのとホッとしたのとが同時でね、
僕は思わず席にぐた~っと沈み込んだんですよ。
そしたら隣に座ってた加瀬さん(元ワイルドワンズ、ジュリーのプロデューサー)が
わあって両手挙げて立ち上がってね、で、ふと見たら自分だけ立ってるのよ、
僕はぐ~っと沈み込んでるし、大野さん(「勝手に・・」の作曲者、大野克夫さん)は
隣の井上さん(井上堯之さん)と握手してるし、
で、慌ててホッと僕を立たせて、大野さんも立たせてね(笑)・・・!」
と、その時の加瀬さんを再現して手を挙げたり、臨席の自分を立たせる身振りをしたりで
会場内は大爆笑の嵐・・・
とにかく面白かったんです、ジュリーのMC!!
ところがそういった楽しいおしゃべりのさなか、
1階のたぶんかなり後方からだと思われますが、
女性の罵声?と思しき声が飛んだのです。
突然で何を言ったのかは聞き取れませんでしたが、悪口だったのは確か。
会場を埋め尽くしたファンが一斉に声のほうを振り返り、走る緊張の中、
ジュリーが静かに答えました。
「何ですか?」
静まりかえる会場。その人はこう続けました・・・
「いつもカッコばかりつけて!!」
ざわめく会場・・・
うわわ~、周りがすべてジュリーのファンなのによくああいうこと言えるな、凄いな~
・・・じゃなくて!!
みんなの、その人への視線は当然ギラつきます。が、ジュリーは涼しい声で
「ええ、僕はいつもカッコばかりつけてますが?」
ソレが何か?的な・・・? そして続けて
「前へ出てきてください。何か言いたいことがあるんやったら出てきてゆうてください。
そんな、うしろのほうでごちゃごちゃゆわんと。聞きますよ、僕は。
あのね、ゆうときますけど僕は気ぃ強いですからね、ちょっとくらいなんか言われても平気ですよ。
せやから、言いたいことあったら、前へ出てきて堂々と、はっきりゆうてくださいね。
みんなもね、言いたいことあったら言おね。堂々と。
我慢したらアカンよ、言おね!」
会場からは割れんばかりの拍手喝采・・・
その人がその後どうしたかはわかりませんし・・・
そもそも何をしにきたのかもよくわかりませんが・・・
結局ジュリーの株を上げただけだったのかな??
いや、オトコマエですね~、ジュリーって、ホンマ!
ジュリーネタは尽きないのですが、も少しお付き合いを・・・。
次回は必見?「悪魔のようなあいつ」のお話を少々・・・。