ちゃちゃ・ざ・わぁるど

日記と言うよりは”自分の中身”の記録です。
両親の闘病・介護顛末記、やめられないマンガのお話、創作小説などなど。

なんでそんなにオトコマエ?!

2010年07月20日 09時40分48秒 | ジュリー・・・思い出雑記あれやこれや
いろいろ伝説の多いヒトではありますが・・・印象に残っているお話を少し。

通常、大きなコンサートホールの会場には警備のヒトがいらっしゃいます。
モロ警備員という格好はしていませんが、通路の要所要所に立って、
開演までは会場の案内や見回りを、
開演後は前に押しせようとするファンの防波堤として、
会場内の安全を見張っておられます。

が、ジュリーのコンサート、少なくとも大阪フェスティバルホールでのコンサートには
警備のヒトが一人もいらっしゃいませんでした。
開演まではいて、案内をしてくれます。
でも、開演のブザーとともに退場されるのです。
何故か?・・・必要ないからです。

「ジュリーのファンはマナーがいい。」
私がコンサートへ行っていた頃のファンの評判です。

アイドル時代の全盛期、コンサートといえば盛り上がり熱狂し、
ごく一部ではありますが、席の上に立ち上がったり、
後ろから前に押し寄せてステージにかじりつき、
中にはよじ登ろうとするファンや、歌手に抱きつこうとする人までいる・・・
そんな光景はザラでした。

盛り上がるのは大いに結構なのですが、こういったマナー違反の、
ジコチューでメイワクな人たちが一部にいたのも事実です。
ですから、警備のヒトがたくさん会場内にいるのもいたしかたないこと・・・

でも、ジュリーのコンサートには一切いらっしゃいません。
ジュリーのファンはそんなメイワク行為はしないと信用して貰えていたからです。

それ以前に・・・

マナー違反のファンを一番厳しく叱りつけたのは他でもないジュリー自身でした。
「後ろ下がってください!」
「自分の席でおおいに楽しんでくださいね。」
「他の人の迷惑になるような見方は俺も困るんや。」
・・・・
マナー違反を見ると、途中で歌うのをやめてでも注意しました。
でも逆に、ファンを無理矢理取り押さえようとした警備の人には
「俺がちゃんとするから手は出すな。」
と言ったことも・・・。

「ここ(大阪フェス)は、僕たちを信じて、会場警備の人を引き上げてくださっています。
この信用を続けるためにも、皆さんはマナーを守って見てくださいね。
自分の席では大いに盛り上がってくださって結構です。
でも、席の上に登ったり前に出てきたり、あぶないことは絶対しないでください。
でないと、せっかく信用してくださってるのに、信用をなくすのが一番怖いからね。」

ある年のお正月公演でのことat大阪フェス。

和やかに楽しくジュリーのおしゃべりを聞いていた時。

余談ですが、ジュリーのMC、しゃべりは面白いことで有名でした。
ベタベタの関西弁で、美しい衣装とお化粧で、めちゃめちゃアホな話をするのです。
紅白歌合戦の内幕、楽屋裏の話や、レコード大賞をとった時の心理、
他のアイドルタレントのジュリー的考察、
バンドメンバーやスタッフとのこぼれ話などなど、いつも抱腹絶倒で
20~30分喋くりっぱなし、下手な落語や漫談より面白いと定評がありました。

例えば「勝手にしやがれ」でレコ大取った時の話・・・

「コマーシャルの入る時間は僕らにとってもちょっとホッとする時間なんですが、
あと大賞の発表だけと言うときのCMタイムになった時にね、
・・・女の人がスタンドマイク持ってきたんですよ。
ええ?・・・スタンドマイクですよ~・・・。
・・・『勝手にしやがれ』はスタンドマイクやぞ・・・。
いやいや、そんなはずはない、あそこへ司会者が来て、
『それでは発表します』・・・
いやいやいや、リハーサルではそうはやらんかった。
審査の人からアシスタントの人が何か渡されて、それを司会席に持って行って
司会者の席で高島(司会の高島忠夫)さんが・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・スタンドマイク~~~~~~!!!(爆笑)」

そして大賞受賞が決まった時の話・・・
「『やった・・・!』と思って、ぐっと力が入るのとホッとしたのとが同時でね、
僕は思わず席にぐた~っと沈み込んだんですよ。
そしたら隣に座ってた加瀬さん(元ワイルドワンズ、ジュリーのプロデューサー)が
わあって両手挙げて立ち上がってね、で、ふと見たら自分だけ立ってるのよ、
僕はぐ~っと沈み込んでるし、大野さん(「勝手に・・」の作曲者、大野克夫さん)は
隣の井上さん(井上堯之さん)と握手してるし、
で、慌ててホッと僕を立たせて、大野さんも立たせてね(笑)・・・!」
と、その時の加瀬さんを再現して手を挙げたり、臨席の自分を立たせる身振りをしたりで
会場内は大爆笑の嵐・・・

とにかく面白かったんです、ジュリーのMC!!

ところがそういった楽しいおしゃべりのさなか、
1階のたぶんかなり後方からだと思われますが、
女性の罵声?と思しき声が飛んだのです。
突然で何を言ったのかは聞き取れませんでしたが、悪口だったのは確か。
会場を埋め尽くしたファンが一斉に声のほうを振り返り、走る緊張の中、
ジュリーが静かに答えました。
「何ですか?」
静まりかえる会場。その人はこう続けました・・・
「いつもカッコばかりつけて!!」
ざわめく会場・・・

うわわ~、周りがすべてジュリーのファンなのによくああいうこと言えるな、凄いな~
・・・じゃなくて!!

みんなの、その人への視線は当然ギラつきます。が、ジュリーは涼しい声で
「ええ、僕はいつもカッコばかりつけてますが?」
ソレが何か?的な・・・? そして続けて
「前へ出てきてください。何か言いたいことがあるんやったら出てきてゆうてください。
そんな、うしろのほうでごちゃごちゃゆわんと。聞きますよ、僕は。
あのね、ゆうときますけど僕は気ぃ強いですからね、ちょっとくらいなんか言われても平気ですよ。
せやから、言いたいことあったら、前へ出てきて堂々と、はっきりゆうてくださいね。
みんなもね、言いたいことあったら言おね。堂々と。
我慢したらアカンよ、言おね!」
会場からは割れんばかりの拍手喝采・・・

その人がその後どうしたかはわかりませんし・・・
そもそも何をしにきたのかもよくわかりませんが・・・
結局ジュリーの株を上げただけだったのかな??

いや、オトコマエですね~、ジュリーって、ホンマ!


ジュリーネタは尽きないのですが、も少しお付き合いを・・・。
次回は必見?「悪魔のようなあいつ」のお話を少々・・・。
コメント (2)
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創作小説 SUNSET CHAPTER 4  PART.3

2010年07月20日 09時38分11秒 | 創作小品
 それにしてもこの人が僕の兄さん? 間違いなくそうなんだろうけど、もちろん僕には実感がない。いままでその存在すら知らなかったんだもの、なんか、夢の中にいるような感覚だ。
 僕が呆然としているので、彼の相手は井上さんが引き取った。
「1年て…謄本取りにいったんなら、そこで住民票の転出届もみたんでしょ? なんで1年も…。」
「はあ、1年前に行った時はその本籍地の住所に住んでいることになってたんスよ。だからそこへ行ってみたら何と誰もいないでしょ? ていうか、謄本見たところで両親も姉も死亡により除籍ってなってたから、この…弟ひとりってわかってたんスけど、そこにはいなくって…。すぐ会えると思ってたもんだから、がっかりしちゃって。あと何も手掛かりなかったし…。」
「あれ…ついこの間甲府市にあった住民票ここへ移したぞ。なんでその…直江津か? 転出になってなかったんだ? 役所の怠慢か?」
「イヤそれがもっかい行ってみたら…つい先週のことッス、そしたら今度は転出なってて…。」
 「あ…それは…。」
それは心当たりあります…。
「僕が直江津を出たのは一年半ほど前です…。でも、住民票を甲府に移したのは半年前で…僕は住民票がどうとかって全然わからなくて気にもしてなかったから、半年前に住み込んだところの人が、移さなきゃだめだからって…。それまでほったらかしだったんです。すみません…。」
「なるほど、そういうことか! なるほど、納得した。」
それから井上さんが続けて聞いた。
「じゃあ、甲府にも行ったんだ。」
「はい! で、また転出なってたけど、一応その住所のところへ行ったら…めちゃめちゃびっくりされて…それ、今朝のことなんスけど。」
「びっくりされた? ああ、そっくりだから…。」
いいかけて井上さんはなぜか途中で切って視線だけ天井へ向けた。
「あ……もしかして生きてたのか的なこと言われた。」
「ええ、そうなんです。オレは兄弟だって言ったらホッとして、死んだって聞いたもんだからって言われて…オレ、真っ青になっちゃって…それで矢も立てもたまらずここまでイッキに来たんスよ!! ああ~よかった、なんかの間違いで!! 生きてて!!」
 どういうこと? あの宿舎の人が僕が死んだと思ってたって?? 僕は井上さんの方を見る…と、彼は手を額にかざして目をつぶっていた。そして
「悪い!! それは俺のせいだ。」
と謝った。
「井上さん? いったい…。」
「いやあ…こないだそこへお前が置いてきた荷物取りに行ったとき、あの男に――俺が話してた相手な、清司本人は来てないのかとか、どこへ移ったんだとか面倒なこと聞いてきたんで、俺はどうせ調べやしないからって思って『アイツは事故って死んだから遠縁の俺が荷物引取りに来たんだ』ってでまかせ言ったんだよ。」
「店長ひどっ…!」
涼香さんがジトっと見る…。
「いや!! ごめん!! 悪かった!! 勝手に殺して。その方があとくされないと思ったもんだから…。ホント申し訳ない!」
 井上さんは平身低頭して謝ってくれたけど、僕は連中との縁をそうして断ち切ってくれたんだと思った。感謝こそすれ、恨みなんかしない。
「いいですよ、井上さん、そんなの。おかげで僕はあのひとたちと切れたんでしょうから。」
 それを聞いて三上さん…兄さんはちょっと神妙に言った。
「よくはわからんけど、なんか苦労してたみたいだな。オレ、その連中――ヤクザかなんかか? 話するだけで超ビビったもん。でも、結果オーライだよ、こうして会えたんだし。ホント、マジよかったあ……。」
 「でも、確かにちょうどよかったな。ここに住民票移したのついこないだだ。キミがコイツ探すの、もっと後に再開してたらその分会えたのも後になってたね。」
「それなんスけどね…。あ、コーヒーいただくッス。ありがとうございます。」
彼はちょっと頭をさげて、コーヒーを口に運んだ。ようやく落ち着いてきたらしいけど、それにしても僕と似てるのに…なんか似てない…。『~ッス』という喋り方は体育会系なんだろうか? そういや僕より背が高いみたいだし、体格もなんか良さそうだ。色は…日焼けはしてないみたいだけど。
彼は続ける。
「うわ、めちゃめちゃうまい! お世辞じゃないッスよ、これはイケテます! いい豆使ってんですね。 ああ、オレんちの近くだったらいいのに~!」
に、なぜかテツさんが
「ほお、わかるかね! たいした舌じゃん。特製のブレンドだよ。この使用する豆の種類と割合が絶妙でね、企業秘密だけど。挽き方にもコツがあってね、微妙な荒挽き加減がまた難しいんだ。企業秘密だけど。」
「お前が言うな。店長は俺だ! ボケ!」
井上さんがテツさんの頭をはたいたので、皆笑って場がすっかり和んだ。まあ、三上…兄さんはなんだかすっかり入りこんでるけど…。人見知りしないタイプらしい。この辺も僕と全然違う…。顔はそっくりだけど…戸籍も見たけどこの人ホントに僕の双子の兄なんだろうか。なんか変。



 この少年は(コイツは青年ぽいかなとも思うが)、顔は確かに清司に瓜二つだが、涼香の言うとおりキャラはちょっとどころじゃない、だいぶ違うみたいだ。あっけらかんとしていて、人懐っこく、それからきっと多分にお調子者かもしれない。イマドキの大学生みたいだ。いや、きっとイマドキの大学生に違いない。明るくて苦労知らず、きっと両親(養父母)に愛されてのびのび育ったのだろう。
 今もうすでに常連客のごとくなじんでいる。
「あはは…。いいなあ、こういう店ってあるんだ。東京じゃ考えられない…地方ならではかなあ~。」
「褒め言葉と受け取っとくよ…。それで?」
「あ、そうでした。あの、ホラ、この店最近テレビに出たそうッスね?」
「あ? あ…まあ、出たって言うほどじゃないがね…。」
この前の小城みゆ希の突レポのことだ。
「あれがきっかけといえばきっかけなんスよ。」
彼はコーヒーをもうひと口飲んで続けた。
「オレは見てないんスけど、何人かの友達から『お前ナニ講義さぼってなんであんな遠くでバイトしてんの?』って言われましてね。まあ、そいつらも講義サボってテレビ見てたんだろうけど、オレじゃないって言ってもそっくりだったぞって言われて、それが一人じゃなかったもんだから、もしかしたらって思ったんス。でも、それがどこだったのかみんな記憶がいい加減で…。湘南のどっかだったってだけで。」
あの時、オンエアの時間はせいぜい5分くらいだったと思うけど、多分画面の端っこに清司がしばらく映ってたんだろう。それが三上君の友人たちを驚かせたということだ。
「湘南っつっても広いしサテンもいっぱいありますもんね。いっそ一軒ずつしらみつぶしにあたろうかなとも思ったんスけど、いくらなんでもそりゃ無茶だし、で、ダメモトでもっかい直江津まで行って住民票調べたら、今度は転出届が出てて…。あとはさっき話した通りッス。すぐにでも甲府へ向かいたかったんだけど、そうそう講義さぼってらんなくて、やっと今日来れました。あ、結局今日の講義はサボりましたけど。」
饒舌にしゃべくるところをみると、まだテンションが下がりきらないようだ。それともこれは素なのかな…。
 「あー、でも良かった! ちゃんとヒットして。長年の肩の荷が下りました。」
「キミはこのことをずっと前から知ってたのか?」
「ええ。中学入った時かな? 親に…、養父母になるんですけど、自分のルーツはちゃんと知っておくべきだからって言われて、お前は実は養子なんだって打ち明けられて。まあ、最初はやっぱちょっとショックだったけど、でも実子同様に育ててくれた今の親の愛情はホンモノだって思いましたから…。じゃあ、実の親はってんで、機会があれば会うことも出来るのかなって思って、気にはしてたんス。ちょうど1年前かな、高三の夏休みに、会う会わないは別として、オレ自身が生まれたところを見ておきたいからって直江津に行きました。そしたらさっきも言ったとおり、既に両親も姉貴もいなかった。ひとり残っているはずの弟も行方不明。…その方がオレが養子だったってことよりもずっとショックでした。だから、弟だけは絶対探し出して会おうって決めた。っつっても、気持ちでは探していても実際どうすりゃいいのかわかんなくて、結局時間が過ぎるばかりでしたけどね。」
「そうか…。そりゃ随分気をもんだろうな…。」

・・・TO BE CONNTINUED.
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