goo blog サービス終了のお知らせ 

ちゃちゃ・ざ・わぁるど

日記と言うよりは”自分の中身”の記録です。
両親の闘病・介護顛末記、やめられないマンガのお話、創作小説などなど。

ブラックペアン シーズン2 プレイバックPART2

2024年10月22日 21時24分14秒 | 桜宮市を歩いてみたら
引き続き ドラマ ブラックペアン シーズン2の振り返りです。


<天城先生のフランス語講座>

私、数十年前に少しだけマジでフランス語を勉強したことがあるのですが
何しろ数十年前の話なので、今更全然自信がナイ・・・けど、聞き取れた範囲で拾ってみました。

フランス語は英語と違ってスペルが決まれば読み方も決まります。
それを覚えておけば、知らない単語でも読むだけなら読めるようになります、が
日本語にはない発音や発音記号に従ってカタカナ表記しきれないところもあります。
たとえばルパン、LUPINと書きますよね? 
日本人のローマ字読み感覚からすると「ルピン」じゃないの?となりますが
”IN”は”アン”に近い音に聞こえるわけです。

能書きが長くなってすみません
つまり、読み仮名は正確に書くことはムズイので
頑張ってみたけど実際はなんとなくこんな感じかな、とご理解いただきたいということで。
特に、”R”の発音は実際には日本人にはハ行に聞こえますが、なじみが薄いのでラ行で

ではなるべく放映で使われた順に・・・(間違いがあればゴメンナサイ)

Bien sûr ビアン シュール  もちろん
Chance simple シャンス サンプル  二者択一(単純なチャンス=神の決めることが由来)
Rouge ou noir ルージュ ウ ノワール  赤か黒か
C'est la vie セ ラ ヴィ それが人生だ
Très bien トレ ビアン  素晴らしい
L’operation est finie ロペラシオン エ フィニ 手術完了(直訳は手術は終わった)
Le coeur est si beau ルクレ シ ボー 心臓は美しい
Jeunot ジュノ 若造、青二才(元はjerne homme ジュンヌ オンム=若い男)
Oui, c'est ça ウイ、セ サ はい、その通り(直訳ははい、それはそうです=Tha't right)
D’accord ダコール わかった、OK
Monsieur ムッシュ 直訳すると閣下(元の意味は我が主)
Merci メルシ ありがとう
Cerisier スリジエ 桜
On ne jette des preres qu'a l'arbre chargé de fruits
オン ヌ ジェットゥ デ  プルレ キュア ラルブル シャルジェ ドゥ フリュイ
 出る杭は打たれる(直訳は人は果実の成った木にしか石を投げない)
A vos souhaits ア ヴォ スエ お大事に
Dos ou devant ド ウ デュヴォン 表か裏か
Tu as raison チュ ア レゾン その通り(直訳は君は正しい)
Ne m'oublie pas ヌ ムーブリエ パ(私を忘れないで)

ニノは劇中日本人に聞き取りやすく、聞きなれた発音で喋ってるようです。
天城先生はドラマではフランス育ちという設定ですが
原作ではモナコ公国在住で、モナコの公用語はフランス語。
長年フランス語圏で暮らしたためネイティブで、日本でフランス語を挟んでも気障に・・・
・・・聞こえますね、充分、気障だ・・・けど、それがハマっているって感じですね。
なお、更に原作によると元々天城先生はモナコで暮らす以前からフランス語は堪能だったようで
その辺の事情は海堂先生の作品群のどれかを読めばわかります


<渡海先生はどこにいるんですか?>

劇中で渡海先生は野戦病院みたいなところにいて負傷者の手当てをしていました。
これはいったいどこでしょうか? もちろん海外ですが・・・
これも、海堂先生の作品群のどれかを読めばほぼわかります。まあ、架空の国なんですが。
ほぼ、というのは明記されていないから。
でも、おそらくそれが渡海先生であろうことは
天城先生のフランス語ネイティブの理由がわかる前述の著作にもヒントがあります。
要するに海堂作品は全部読まないといけないということ・・・ですね
これ以上のネタバレも良くないかと思うのでこれくらいにしときます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブラックペアン シーズン2 プレイバック

2024年10月18日 16時06分49秒 | 桜宮市を歩いてみたら
ブラックペアン シーズン2が最終回を迎え無事放送終了しました
ロス状態に陥っている人多数 近年にない最高のメディカルエンターテインメント作品でした!!


というわけで・・・あちこちで拾って来た小ネタ集を順不同で
原作含め、ネタバレを含みますのでご注意ください


<ニノが凄い!!>

前シリーズ主人公の渡海征司郎役に続いて新主人公天城雪彦役を演じたニノこと二宮和也さん
二役の演じ分けが素晴らしかったですね
ニヒル、クールで寡黙、いつも不機嫌そうでぶっきら棒な渡海先生
海外育ちらしいエスプリの効いた、そしてストレートな物言いで饒舌、陽気な天城先生。
性格は全然違うし表情も全然異なる二人を完璧に演じ分け、しかも実は双子だからという点で
全然違うのにやっぱり同じDNAを持っていることを感じさせました。
・・・まあ、同じ人が演じてるんだからどこか同じなのは当たり前ですが

<手術シーンが凄い!!>

前シリーズで「手術シーンがリアルを想像して怖かった」という声があったのに応えて
クラシック音楽をBGMに細かいカットインを多用した美麗カメラワークが秀逸でした
怖いどころか、一番の見どころに昇華させた撮影・編集スタッフに尊敬の意を表します
天城先生の言葉通り、「オペは芸術だ」

<成長したな、世良先生>

研修医時代しょっちゅう日和ってすぐ泣いてビビり倒していた世良先生の見事な成長っぷり!
オペ室の悪魔・渡海先生の影響を良くも悪くも受けまくってますね~(笑)
でも、研修医相手に「一千万払えよ」という「嘘」はやり過ぎですよ
あと、今回もしっかりスパイしとる・・・そっちの素質もあるのか?!
TVドラマ版では最後、いっとき拗ねて東城大を出てったけど、最終的に戻って来ましたね。
しかし、原作では渡海先生と天城先生を追い出した東城大にとことん愛想を尽かして訣別し
後に「病院再建請負人」として日本中をかき回す、まさに二人の悪魔の後を継いだ新しい悪魔になって大活躍
「極北クレイマー」「極北ラプソディー」の極北シリーズでその姿が見られます

<回収された? この伏線・・・特に第9回>

①佐伯先生と渡海先生の二人が天城先生のオペを担当し九死に一生を得た天城先生だったはず・・・ですが
 この時佐伯先生はエルカノダーウィンでダイレクトアナストモーシスをやったのでは??
 でも天城先生の心臓は完治しなかったの? 再手術はできなかったの??? 最終回一番の「あれれ~?」
➁実際はダイレクトアナストモーシスを施術しなかったので問題にならなかったのですが
 繁野唯ちゃんの手術に行ったシャンスサンプルはどういうものだったの?
 黒崎先生に尋ねられた時冗談めかして躱してましたが・・・真相不明・・・
③第6回ラストで天城先生はフランス語で電話応対してましたが、あれは意味深に見えて何でもなかったの??
④天城先生と佐伯先生に、天城先生の心臓の画像を郵送したのは一体誰だったのかしら?
 差出人名がなかったし、それ以前に天城先生はいつどこで検査を受けたのでしょう?
 すぐに処置が必要とメモを書いたのはいったい誰だったのでしょう?? すごく謎・・・
⑤謎のままだけど何となくわかるのは、屋上ヘリポートで天城先生がやってたコイントス
 あれは自分が患者として自らにシャンスサンプルを行ったのでしょう
 結果、裏が出てて深刻な表情だったのは、表に賭けたカケに負けて死期を悟ったということだったのでしょう・・・
⑥前シリーズからのこれはミスか? 渡海家はどこにある?
 渡海先生に母親の春江さんがお米を送ってて、その伝票を見て世良先生が渡海先生の実家を訪ねますが
 伝票は島根県の住所で春江さんの名義で送られてます
 でも、渡海先生の実家ってそこまで遠くなさそうなんですが
 確かにお米の袋には出雲と書いてあるけど・・
「悪魔」と呼ばれる渡海&天城先生の故郷が神さまの国とは 皮肉?
 ちなみに原作での渡海先生は北海道の極北市(架空ですが夕張市のイメージ?)出身でした。
 天城先生は・・生まれが日本じゃなかったりする・・原作では他人ですしね

<知られざる?小ネタ>

①シーズン2及び原作においても垣谷先生の方が関川先生より先輩なんですが
 前シーズンでは垣谷先生が関川先生に敬語で話しかけてます。逆じゃん・・・
➁第4回、医局に白衣を着た原作者・海堂尊先生ご本人がいらっしゃいます。チェケラ!
③渡海先生と天城先生が双子なのはドラマのオリジナル設定ですが、実は発案者は海堂尊先生ご本人
 もともと、原作のバブル3部作をワンシーズンで制作したいと提案した西浦監督に対して
 海堂先生は「それはやめて」とお断りされ、それでシーズン1はブラックペアン1988のみになったそうです。
 だから最初からシーズン2の構想があったと思われ
 そして続編を制作するなら主役は引き続きぜひニノで、と、これも海堂先生がおっしゃったので
 海堂先生としてはその時から二人を双子にする案があったのかも知れません
 6年経っての構想回収!かも。・・・知らんけど
④新病院長・江尻先生は原作では男性。病院長にはなりますが、実は半年後業者との癒着が発覚し失脚します。
 ドラマはどうなったか知らんけど。原作はスリジエセンターも出来なかったしね・・・
 でも、天城先生を見殺しにするよう高階先生に持ちかけた人が病院長ってどうなん?
 手術失敗を願い、しかもヤバくなった場面で笑いがこぼれる菅井教授ってマジなんなん? 
 最後、自身がアドバイスして唯ちゃんの手術がうまく行った時「やったあ!」と小躍りしてたけど
 その後、江尻先生が新病院長に選ばれても手放しで喜びはしなかったけど、それで挽回にはならん気がしまっせ
⑤天城先生の生年月日はニノと同じ設定=1983年6月17日。メインストーリー上41歳ですね。
 42歳没なんて若すぎる・・涙


天城先生が時々口にするフランス語も列記してみたいと思いますが
長くなるので次回にします
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブラックペアン2

2024年08月28日 14時36分52秒 | 桜宮市を歩いてみたら
まさかまさかのブラックペアン2!



6年前、「ブラックペアン1988」のドラマ化に狂喜して
放映と同時に単純にニノこと二宮和也くんのファンと化した私でしたが

そしてその時の記事にこう書きました・・・・



続編やスピンオフを望む声も多いようですが
何故か渡海先生を慕う猫田看護師、この二人の関係がわかる物語を見たいとか
でも、だいたい二番煎じというのはコケることが多いからなあ~~~
キモチはわかるがちゃちゃはやらなくてええと思います。
むしろシリーズ三部作の完全ドラマ化はどんなもんでしょう?
続く「ブレイズメス1990」「スリジエセンター1991」では
世良先生が師事するのはモンテカルロのエトワールと称される天才外科医・天城雪彦。
でも、シリーズとしてドラマ化するには、やっぱりニノに主人公を演じて欲しいし、
すると天城先生を渡海先生に置き換えて「戻って来た渡海先生」にするワケには行かないし
かといって渡海先生と瓜二つの天城先生を出すワケにも行かないし・・・・
うーーーん・・・ムズイですねえ・・・。

もう、天城先生が渡海先生とソックリなのを完璧に無視してニノでやっちゃうか、だったりして。



マジでやってくれました「ブラックペアン2」
その時の願望(妄想)そのまま
本当に「ブレイズメス1990」「スリジエセンター1991」をドラマ化して
渡海先生と瓜二つの天城先生という設定でニノを主役に据えてくれるとは
TBSさん、やるやんか・・・

たぶん大人の事情で天城先生のホームはモンテカルロではなくゴールドコーストになってましたが
「シャンス・サンプル ノワール オ ルージュ?」をやってくれた!
そして、キャラは原作に結構近い、でもそっくりな渡海先生とは全然違う

渡海先生がクール、ニヒルでニノ本人も曰く「いつも不機嫌そう」
対して天城先生は基本いつもニコニコ(腹にイチモツある笑顔)
ところどころフランス語を混ぜる、これは原作がモンテカルロだからですが
・・・オーストラリアはオーストラリア英語の筈だけどそこはまあええやんか、で

これじゃ猫田看護師に嫌われるのは無理もない
渡海先生と瓜二つでなければそこまで嫌わんかっただろうけど
そして前作でみんなが気にした、渡海先生と猫ちゃんの関係性まででてきた・・・
これはドラマオリジナルで
海堂先生の最新作、リアタイ2023年の話では猫田さんは東城大の看護師長になってますが
まあ、そこはドラマならではのオリジナル展開でそれもアリだな、と

最終章に向かっている途中だしネタバレは慎みますが
どうやら”今の”渡海先生も出てきそうで
その辺は完全ドラマオリジナルのストーリー展開になりそうです

しかし・・・原作通りのラストであればぶっちゃけバッドエンドだからなあ・・・
どうするんやろ まあお楽しみってことですね

ドラマ化と同時に最新刊の単行本が出ました
「プラチナハーゲン1980」
渡海先生が佐伯教授に拾われたころの話・・・
ドラマ化に伴ってその辺の新作のオファーがあったのかな? とか勝手に思う

とにかくどんな風に展開するか原作既読者も楽しみです


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中学生医学生シリーズ 追記です

2023年10月09日 10時28分43秒 | 桜宮市を歩いてみたら
中学生医学生シリーズと銘打った
①医学のたまご
➁医学のひよこ
③医学のつばさ

別名東城大未来シリーズ

①が書かれたころは近未来のお話だったのですが
追いつきましたね。
➁~③の時代設定はまるっと今年、2023年です。

で、海堂尊先生作品、
一連の桜宮サーガ&医療小説は
ご存知の通りどこかで繋がっています。
同じ世界の中での出来事、
くわえてリアル現代日本とも繋がっていたりする。

最近立て続けにこれらの続編が出版されて
ファンとしては嬉しい限り・・・もう完全完了したと思ってたから!

で、改めてとりあえずこの中学生医学生シリーズに出て来たキャラクターが
他作品のどこにいるのかちょこっと探してみました。
ざっくりなので漏れもあるかも知れませんが
この三作品を読んで深掘りしたくなった方がいれば
ちょこっと参考になればなんて思います。
・・・勝手にシリーズ名着けちゃいましたすいません。

中学生医学生シリーズ 関連人物登場作品一覧

■ブラックペアンシリーズ
ブラックペアン1988
 高階権太、田口公平
ブレイズメス1990
スリジエセンター1991

■単発
ひかりの剣
 高階権太、清川吾郎、田口公平
夢見る黄金地球儀
 平沼平介、平沼豪介

■田口・白鳥シリーズ(東城大シリーズ)
チームバチスタの栄光
 田口公平、白鳥圭輔、高階権太
ナイチンゲールの沈黙
 浜田小夜、牧村瑞人、佐々木アツシ、如月翔子
ジェネラルルージュの凱旋
ジェネラルルージュの伝説
イノセントゲリラの祝祭
アリアドネの弾丸
ケルベロスの肖像
 東堂文昭
カレイドスコープの箱庭
 曾根崎伸一郎

■極北シリーズ
極北クレイマー
 三枝久広(後のセント・マリアクリニック院長)
 桃倉義治(医学生シリーズの桃倉とは別人)
極北ラプソディー
 
■桜宮碧翠院シリーズ
螺鈿迷宮
 白鳥圭輔
輝天炎上(ケルベロスの肖像の別視点)

■ジーンシリーズ
ジーン・ワルツ
 曾根崎理恵、清川吾郎
マドンナ・ヴェルテ
 山咲みどり、曾根崎理恵

■彦根新吾シリーズ
ナニワ・モンスター
 白鳥圭輔
スカラムーシュ・ムーン

■涼子&アツシシリーズ
モルフェウスの領域
 日比野涼子、佐々木アツシ、如月翔子、田口公平
アクアマリンの神殿

■中学生医学生シリーズ(東城大未来シリーズ)
医学のたまご
医学のひよこ
医学のつばさ

■短編集
玉村警部補の災難
ランクA病院の愉悦
氷極(チーム・バチスタ後日談)

■コロナシリーズ
コロナ黙示録 2020災厄の襲来
 田口公平、白鳥圭輔
コロナ狂騒録 2021五輪の饗宴
   
「氷極」と「コロナ」二作品は実は未読なので
これから読んで、また紹介できればと思います。

こうしてみると、やっぱり全体通して
最初の主人公、田口先生が一番露出多いのかな?
思い入れもひと際・・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

帰って来た桜宮市~中学生医学生 青春医療小説シリーズ!

2021年07月19日 13時33分20秒 | 桜宮市を歩いてみたら
お帰りなさい! 海堂尊先生!
いや~、ここ数年キューバ革命のお話に傾倒されて
そちら方面の作品を書きまくっていらした(たぶん)海堂先生でしたが
久々に医療小説界に帰って来られましたね。

想えば・・・いわゆる桜宮サーガ一連の作品群は
「スカラムーシュムーン」で一応の完結を見ました。
が、医療小説も書きたくてうずうずしてらっしゃったのでしょうか。

作品群中結構初期に書かれた「医学のたまご」
その続編が次々に発表、刊行されました。
最初の「医学のたまご」は医療関係の雑誌に連載されたものの
その出版社が倒産したため、本書の増版は無理やろなあ~と言われていたあの頃。
ところがさすが天下の角川書店! 
出版権を買い取って文庫本化してくれてるじゃないですか!

随分と前に書きましたが、この作品はノリで各キャラの成長した姿を出したものの
決定的なミスをやらかしてたことがスタッフさんの調査により発覚し
そのミスを挽回してつじつまを合わせるため「モルフェウスの領域」と言う
半ばSF混じりの作品を書いた、と言うエピソードがあります。
いや、これはホンマの話、自称「つじつま合わせの天才」。

そしてこの度、その続編が「野生時代」に連載され、晴れて単行本化されました。
「医学のたまご」に続いて「医学のひよこ」そして「医学のつばさ」で堂々完結!!

内容はと言うと・・・ネタバレにならない程度に紹介しますと
元々のルーツは海堂先生の2作目「ナイチンゲールの沈黙」でしょうか。
この作品のメインキャラがのちのちこの
「中学生医学生 青春医療小説(そんなジャンル初めて聞いたけど)シリーズ」の
重要なファクターとなって再登場。
・・・ま、他作品でもみなさんちょくちょく登場し
サラリと重要なオシゴトをこなしてはくれてますが。
そして「ナイチンゲール」は結構・・・SF的だったりする。
「モルフェウス」はつじつま合わせの為に大胆に?SFシフトしていますが
その流れも汲んでいますからこのシリーズもハッキリ言ってSFです。
ていうか、ラノベだね。
「モルフェウス」の続編の「アクアマリンの神殿」ももはやラノベでしたもん。
それは「ナイチンゲール」で登場した佐々木アツシが主人公の青春物語でした。
今回は3作品通しての主人公:曾根崎薫の青春物語ですが完全にファンタジー。
もともと中高生向けに書かれたものだったので続編もそんなノリになってるのかしら。

そして、久しぶりの桜宮シリーズということもあってか、
これまでの作品群に関連した人物がガンガン出てきました。
田口先生はもちろん、白鳥さんや高階病院長と言ったお馴染みのレギュラーメンバーも登場。
が、それなりに完結してしまったキャラは出てきませんでした。
・・・例えば速水先生、世良先生、彦根先生など、
残念だけどあまりオールスター過ぎてもしんどいので、まあ、いい感じで収めたのでしょうか。
あと、時代設定が2023年だから、今の新型コロナ騒ぎもキッチリネタになさっている。

これまで隠されてきた・・・ていうか、作品群を読んで来た読者にはわかっているけど
登場人物、特に主人公たるカオルの出生の秘密が明らかになっていきます。
当人もそれを知ってしまうことになるのかどうか・・・は読んでみてのお楽しみ。

メインキャラの周りの人物のルーツ作品をちょこっと紹介。

カオルの親友の一人、
平沼くんのパパ・平介とお祖父ちゃん・豪介が活躍するのは「夢見る黄金地球儀」。
これは異色作といっていいでしょう、というのもこれは医療ミステリーではない。
愉快痛快コンゲーム、コミカルな冒険ちょっぴりサスペンスもの。
カオルが尊敬し頼りにする佐々木アツシは前述の通り初出は「ナイチンゲールの沈黙」。
それから「モルフェウスの領域」で辻褄合わせのために?再登場し、続編「アクアマリンの神殿」へ。
読者にとっていきなり登場といえる山咲忍は実は再登場・・・といっていいかどうか。
カオルのシッターの山咲みどりさんと同じく、元は「ジーン・ワルツ」「マドンナ・ヴェルテ」が初出・・・かな。
忍の母・理恵先生が同作品で主人公をつとめています。
オマケ情報、その理恵先生の務めるセント・マリアクリニックの院長・三枝先生、本人はほぼ出て来ないけど
すべての作品群を読んで来た読者には凄く嬉しい人物のはず!! 
この三枝先生はあの、極北シリーズ「極北クレイマー」「極北ラプソディー」で少し登場した
あの、極北市民病院の良心と言われた、あの先生に違いない! 良かった! 海堂先生ありがとう!
・・・意味がわからないという方はぜひそのシリーズお読みください。
謎のスナック「ブラック・ドア」のバーテンダー:牧村瑞人、そして歌手のSAYO
二人は4Sエージェンシーという裏の便利屋やっててちょくちょく他作品にも出て来てましたが
初出はやはり「ナイチンゲールの沈黙」。瑞人はアツシの兄貴分ですからね。
そしてカオルもアツシも・・・もしかしたら瑞人も頭が上がらない
東城大学医学部附属病院の看護師長のショコちゃんこと如月翔子も
もちろん「ナイチンゲールの沈黙」から出てくる長~いおつきあい。
・・・ショコちゃんと言えば、速水先生もアタマ上がらないんだっけ。・・・
教授になっちゃったよ、な田口公平先生は言わずもがなデビュー作「チーム・バチスタの栄光」。
一番最初の主人公、そして最後までなんとなく活躍する(のか?)重要人物。
イヤでもまさかここに至ってコンビの白鳥さんまで出てくるとはね~。
一瞬だけ出て来た三船事務長や垣谷教授も懐かしいお名前です。
今回は完全に敵キャラ?のHAHAHAことマサチューセッツ工科大の東堂教授、
カオルのパパである曾根崎伸一郎教授の同僚・・・みたいなもんですが
このカウボーイハットの似非ヤンキー教授は田口・白鳥コンビ作品の集大成「ケルベロスの肖像」で
物語全般をシッチャカメッチャカ(死語)にしてくれた偉大なる人物。まさかの再登場だよ。

物語の主人公はカオル達中学生チームではありますが
重要なファクターであるアツシの物語でもあるのかな、と思います。
そのアツシ、後半で兄貴分の瑞人と対峙しますが
その時、ずーっと読んで来た、全編読んだ読者はこう思ったのでありました。
「ああ、アツシはやっぱりアツシだったんだ~~~!!」と。
スーパー高校生医学生から、高卒後飛び級でいきなり東城大医学部4年生になったアツシは
何から何まで凄すぎて、クールでカッコよくてついでにすごい美青年になってて
コイツは化けたな~、だったのですが(何故化けたかはやっぱり「モルフェウス」必読!)
相手が瑞人だとね、たちまちあの、小児科愚痴外来で田口先生を困らせた?お子様に戻っちゃうのであります!
なんか、読者としてほっとしました。

とまあ、ざっくりご紹介いたしましたが、相変わらずの海堂節が堪能できました。

こっからは私見ですが、コロナ禍・・・というよりコロナ騒動の現在
先生の著書「ナニワ・モンスター」を今こそ読むべし、と私は思います。
10年前、新型インフルの大騒動は結局世間がから回りして
そのために罹患した患者が差別にあうという今とよく似た事態が起こりました。
この時はワクチンうんぬんや非常事態宣言などはなく1年ほどで収まりましたが
その後ではなく、騒動が起きる直前に書かれたのが本作で
架空の病気「インフルエンザ・キャメル」による騒動や利権まみれの社会の歪みを描いています。
掲載中に新型インフル騒ぎが起きたことについて海堂先生は
「書いたことが現実になった」とご自分でも驚いておられましたが
これはフィクションだけど今のリアル社会にも通じるような内容で
真理を的確についているのではないかと個人的に思うのです。

さて、海堂先生ご自身は今この新型コロナをどう見ていらっしゃるのか?
ちょっと意見をお伺いしたいな・・・なんて思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする