ちゃちゃ・ざ・わぁるど

日記と言うよりは”自分の中身”の記録です。
両親の闘病・介護顛末記、やめられないマンガのお話、創作小説などなど。

KAIGO.介護 巻の二十六 頭文字(イニシャル)D. 博士登場!

2010年07月10日 13時52分55秒 | 介護な日々
2008年6月30日(月)

4度目の傾眠のせいで予定より二日早くIC病院へ入院した母でしたが、
入院の午後には目を覚まし、例によって「ここどこや?!」
まあ・・・今回も大事無くてよかったのですが・・・
この日、つまり入院の翌日は私も駆けつけて、父と一緒に母を見舞いました。
結構元気そうで、まずは一安心。それからここでの主治医の先生のお話を・・・という段取りになりました。

両親二人で、突発的な外科や眼科・歯科などを除いた、長期的に見ていただく内科のドクターで、
主治医と名のつくドクターはこの先生で5人目になります。

まずかかりつけのUI医院のⅠ先生。
しかしⅠ先生はご自身も高齢で診療が難しくなり、
途中からは娘さんである跡継ぎのY先生(専門は皮膚科ですが)に主に診ていただいていました。
それから父の通院先Sセンターの循環器内科熱血T先生。
それから母の通院先OS病院消化器内科クールガイN先生。

Ⅰ先生は淡々とした、昔ながらの町のお医者さんで、
私も幼少の頃から結婚するまで(してからも里帰りの時などに)お世話になりましたが、
丁寧で物静かですが、叱られることもしばしばで、ちょ~っと苦手でした。
民○党の小○一郎氏に似ている気がするのは私だけでしょうか??
Y先生は私と同年代かな? 女医さんなので話しやすく、懇切丁寧ですが
お父様と一緒できちんとしないと叱られるので少しおっかなびっくりで診てもらってました。
後のお二人は先刻ご紹介の通り。

そして、5人目のドクターがいよいよお目見えというわけです。

大きな病院で若い先生にお世話になり、Y先生もまだ若手の方ですので、
今度の先生もなんとなく若い先生かなと思っていたら・・・
大ベテランの大先生が主治医になられました、その名もドクターD.医学博士。・・・ハカセやで?!
IC病院の副院長先生であらせられます。
そして、熱血でもなくクールガイでもなく、「足して2で割った」ちょうどいい感じの先生です。

おお・・・やっとふつうの先生や・・・イヤイヤイヤ!!!!

ホントにハカセという感じの先生で、おそらく60代のご年配ながら外来で現役、
この年配の方にしてはかなり長身ではないかと思います、スラリとなさってて
ロマンスグレーで颯爽と背筋を伸ばして歩かれる姿はちょっと英国紳士風??

とて、病状のお話もいたってわかりやすく、今後の説明も過不足なく、お任せ安心の先生のようです。
そのドクターDのお話によりますと・・・

母の病気である肝硬変は、肝臓の細胞が硬化して使い物にならなくなる病気です。
ウイルス(母の場合はC型)によって肝炎が起こり、だめになった肝細胞が硬化してなるものですが、
硬化した部分が徐々に増えてくると、肝臓に行く血管がそこで通せんぼされてしまうのだそうです。
そこで血管は仕方なく肝臓を回避する別ルートの新生血管を作ってしまいます。
本来は肝臓を経由していくはずの血液が、肝臓の横を通る門脈という大きな血管に、
その新ルートを通って直接流れ込むようになるのだそうです。(門脈シャントといいます。)

ここでマズイことが二つ起こります。
一つは、肝臓で処理されるべき有害物質が、肝臓を経由しないことで全身、特に脳にまわってしまうこと。
もう一つは直接門脈に血流が行くことで、大きな血圧がかかり、
結果として食道あたりに動脈瘤ができやすくなってしまうこと。

毒が脳に行くと、肝性脳症です。
そして動脈瘤ができ、これが破裂してしまうと・・・
あの石原裕次郎さんも一時瀕死になった食道動脈瘤破裂です。
前者は血中濃度を測定し、アミノレバンを投与することで、対症的とはいえ治療は出来ます。
が、後者に関してはこの年齢では予防的手術も危険ですし、もし起こったら・・・
「その時は大量の吐血があり、失血でほぼ即死です。」
ということでした・・・。

「おそらく、肝臓の今の状況をみるに動脈瘤もあっておかしくないでしょう。
肝癌もいつ再発してもおかしくありません。
が、肝性脳症や肝癌に関してはすぐにどうこうと言うことはありませんので、
そのつど必要な処置はさせていただきます。
ただ、動脈瘤破裂だけはいつ起こるかわかりませんし、
起こったらまず即死ですので、それだけは理解しておいてください。
ただ、本人は苦しくないと思います。苦しいと思う間もなく意識はなくなりますから。」

・・・そういうお話でした。

・・・深刻な話のはずですよね?・・・
でも、なぜか私はそれほどショックではありませんでした。
なんか、「どうしようと悩んだところでどうにかなるものではないな、これは・・・」と、
先生の話しぶりから即座に悟ってしまったのかな・・・と思います。
人事尽くして天命を待つ、とでもいうか、
今まで通り、普通の気持ちで普通に接して、出来ることを出来る様に、
出来る時にしていればいいんじゃないの、と思ったのでした。


ところで、この母のIC病院入院に際しては、
父の姉にあたる人の息子、すなわち私たち兄妹の従兄に当たるM・Kさんに大変お世話になりました。
父は、その姉の夫である方の一族が代々経営に携わっている会社に、若い頃から勤めていて、
長年役員もしており、退職後も相談役として70歳過ぎまで在籍しておりました。
M従兄(にい)さんは、ウチの父に大変お世話になったからと言って、
その会社がIC病院でいつも健康診断を受けている関係もあるからと、
快く口利きをしてくださいましたが、
カネもコネもない(?)うちら兄妹にとっては大変ありがたいことであり、
願ってもないご助力でありました。
この後も何かというと頼りにさせていただいております。その奥方にもお世話になっております
私からすればイトコとはいえ、軽く親子に近いほど年上でいらっしゃるのでことのほか頼りになります。
この場で改めて御礼申し上げます。

M従兄様奥様、本当にありがとうございました。&コレカラモヨロシク・・・
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少年ジャンプな日々~魔人探偵脳噛ネウロ

2010年07月10日 10時17分03秒 | コミック・アニメ
もうすでに連載も、はてまたアニメの放映もずっと前に終わっていますが・・・
だからこそ書ける、今、少々ネタバレしても。

好きな作品は数あれど・・・近年、いや、ここ数十年内に私が読んだマンガの中で、
もっとも好きな作品です。
・・・ただし連載中の「ONE PIECE」は除く。まだまだ終わりそうにないし、あれは別格。

で、今回紹介の作品・・松井優征さん作
「魔人探偵脳噛ネウロ」(まじんたんていのうがみねうろ)

(↑これはアニメ版)
初めて読んだのはまだ、ジャンプ本誌を毎週は見ていなかった数年前。
子供を連れて行った病院の待合室で暇つぶしに買ってやったのを見たとき。
もちろん連載途中で、しかも読みきり連載ではないので、そこだけ見ても何のことかわからない。
そういう場合は「わからないからいらん」作品と「わからないからわかりたい」作品がありますが、
これは間違いなく後者でした。絶対ここまでの経緯を知りたいと思わせた稀有なマンガでした。
読んだ回は、クライマックスでもなんでもなく、後から見れば敵の内情を探る的な地味なシーンだったのに。

この回です・・・。
(↑クリックで試し読みが出ます。)

この松井先生の特徴は何と言っても、何ともいえないデフォルメにあります。
魚眼レンズを使ったような場面、不可思議なカメラアングル、バランスの微妙に狂ったデッサン、
そして他の作家さんでは例をみない突拍子もない演出・・・。

「探偵」というからには、ちょっとは推理もありますが、基本推理モノではありません。
主人公のネウロ(語源はニューロン、神経細胞)は魔界からやって来た魔人。
それも、魔界でも相当の変わり者で、主食は「謎」。
犯罪者が犯行を隠すために張り巡らす「謎」が、真実を暴かれた瞬間に脳から解き放たれる、
そのエネルギーを食べて生きているのがネウロです。
魔人の正体を隠すため、父親を殺されたばかりの桂木弥子を女子高生探偵という傀儡にしたてあげ、
不気味な「魔界777ツ能力(どうぐ)」や「魔帝7ツ兵器(どうぐ)」を召喚(ローディング)して
謎を解き、犯人を「お仕置き」しながら「食事」をしていくのが基本的な流れです。
犯行がばれた犯人はそこで得意げに動機を語るのですが、その本性を表した姿がものすごい演出なのです。
グロテスクなまでに獣のような顔になったり、妖怪やモンスターのようになったり、
人間はみなその内側にバケモノを飼っているという基本コンセプトがあります。
説明のシーンになると、バックにとんでもないイメージ映像が描かれるのも特徴です。
これは実際見ていただかないと説明不可能なので、ゼヒ下のためし読みをご覧ください。

それと、キャラクターの描き方や性格描写が徹底的で容赦ありません。
ヒロインの弥子ちゃんでさえ・・・おそらくジャンプ史上もっともひどい扱いをされたヒロインです。
顔はメチャメチャに描かれるわ、ネウロに命にかかわるダークな嫌がらせは受けるわ、
おまけに超大食いの設定で、みかけは普通のかわいい女の子なのに、
食にたいするあくなき欲望を、ホテルバイキングを30分で壊滅させるシーンで表現されたり
「食い物を供えないとひどい目にあうらしい」とウワサされたり
とにかくひどい扱いを徹底的にされています。

松井先生は登場キャラを真に愛するがゆえに、
かわいいばかり、カッコイイばかりの描き方を断じてされないのではと思います。

CDブック化のあと、アニメ化もされましたが、松井先生は
犯人役の声優さんに「思い切り壊れてください」と注文したという話も伝わっています。


後半ラスボス的な恐ろしい敵キャラが出てきますが、その極悪さもハンパない。
描いてて気分が悪くならないだろうかと言うくらい、
よくもここまで徹底的な”悪”を描けるものだと感心するくらい、
とんでもない画面を読者に投げつけてきます。甘さがないというか、その点では読者に対しても一切容赦なし。
敵を倒さんとするネウロは、魔人であり、本来人間を「ウジ虫」程度にしか考えていませんが、
本当はその価値を認め、自分にはない力を持っていると尊敬もし、基本味方であると認識しています。
最後は弥子ちゃんはもちろん、かかわりあったすべての人々が複雑に関係しながら巨悪を滅ぼすのですが、
全23巻の終盤20巻あたりからは息をもつかせぬ展開で、しかも涙なくては読めないという、
読者を完璧に巻き込んで翻弄させる素晴しい結末に一気になだれ込んでいきます。

ひどい描写もグロテスクな場面もふんだんに出てくるにもかかわらず、こんなに完成度が高く、
読後感がすっきりしていて、満足の行く、納得のいく作品は少ないように思います。
とにかく、私は絶賛いたします。

また、CDブックやアニメでネウロを演じた声優の子安武人さん、
ハマリスギ、サイコー!!! 絶対ネウロはこんな声だと確信しました。
嫌味でタカビーで上から目線で傲慢な人間離れしたキャラを演じさせれば右に出る人は・・・
・・・イヤイヤイヤ!! 素晴しい演技です、ほんま!! 大ファンですよ~! 
弥子ちゃんの植田佳奈さんもぴったり、イメージどおり。
可愛いだけじゃない、普通の女の子なのに真の強さを秘めたいいキャラです。

ちなみにちゃちゃめがよく使う「イヤイヤイヤ!!」は、この弥子ちゃんの口癖がうつったものです。

ともかく・・・ネウロ、万歳!! イヤイヤイヤイヤ!!

こちら第1巻試し読み。
もひとつ。本文4頁目と8頁目の説明イメージに刮目!
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