改めまして三浦しをん先生の「舟を編む」でっす。
ご存知の通り原作は小説ですが私はアニメから入りましたので
カテゴリー・アニメで行きたいと思いまっす~。
初出は2009年10月、光文社さん発行の女性ファッション誌「CLASSY.」11月号から
2011年6月発行の7月号まで、2年弱に渡って連載されました。
中型辞書「大渡海(だいとかい)」を十何年にもわたってイチから作り上げる人々の奮闘を描く感動の物語。
・・・まあ、現実としてはこんな少人数ではやんないと思いますが・・・(知らんけど)
当初から挿画は後のコミカライズで作画を担当された雲田はるこ先生によるもの。
2012年本屋大賞堂々1位のベストセラーですから読まれた方も多いでしょう。
その劇場版(実写映画)は2013年春公開。
主人公の馬締(まじめ)光也役を松田龍平さんが演じておられます。
あはは、原作の挿画キャラにソックリ・・・
そしてアニメ化は2016年10月。
ホント、おんなじ顔・・・・
更に原作とアニメを元に挿画の雲田先生でコミカライズされた作品は2017年発行。
・・・と、まあ、各メディアの流れをざざっと紹介いたしましたが、
私はもとよりアニメーションと言う表現方法が大好きでありますので
原作は別としてアニメが最も良い出来だったと思いました~あくまで個人の感想ですよ?
映画版は尺の関係でどうしても削らなければならないシーンがあり
また、リアルに人間が演じていますから極端なキャラクターが浮いて見える部分もあったりで
フィクションなんだ、ある種ファンタジーなんだとわかってはいても無理がある部分もあったりなかったり・・・
例を挙げますと・・・
馬締が悪夢にうなされている、その悪夢のシーンはちょっと表現が難しいなと思った・・・
ファンタジックな場面、心理描写を反映させる場面と言うのはマンガやアニメの最も得意とするところです。
同じ悪夢にうなされるシーンでもアニメは綺麗に決まる。ここらはアニメの独壇場でしょう。
馬締が波打ち際に立っていて、たくさんの言葉や文字が波に揺蕩う。
また、白い空間にいると突然地割れができて竜巻が起こり、たくさんの言葉が吸い込まれて行き
馬締も慌ててそれを追いかけるんだけど追いつけずもがき苦しむ・・・
映画では水面いっぱいに用例カードが浮かんでいてそれを拾いきれないシーンがあるのですが
セットがちょっと軽すぎて・・・本当の海でやるわけにはいかなかったんでしょうね。
かといってCG合成もなんか違くね?だったのでしょう。
でも、松田龍平さん演じる馬締はとても馬締らしい、とことん不器用で生真面目で、でもどっかぶっとんでて、
原作にその描写はなかったと思いますが、挿画のキャラクター設定で出てきたのでしょう、ひょろっとして猫背、
そのスタイル全身が馬締光也その人そのもので初見で笑っちゃいました。イメージ通りすぎて。
これはキャスティングの妙というか成功例だと思います。
原作と、同時に掲載されていたキャラクター画のイメージを壊さないキャスティングと言うのは難しいものですしね。
さてではアニメはと言うと・・・
先に挿画があってキャラクター原案があるので、その点アニメは有利ですね。
問題はここでもキャスティング。動いた時に如何にそれらしい声を乗せられるか。
で、アニメの馬締役はクールでどちらかというと苦悩する系キャラの多い櫻井孝宏さん!
これはピッタリはまりました。
櫻井さんの出演作は多岐多数に亘りますが、もう、いっちゃん櫻井さん!といえば
ゲーム「ファイナルファンタジーⅦ」の主人公クラウド・ストライフ役でしょう!
↑これはゲームではなくオリジナルCGアニメ版のクラウドですが。
(てか、オリジナルゲームには声はついてなくて、CGアニメで初めてキャストがついた)
あと、「おそ松さん」の長男、おそ松!!!(え? 櫻井さんが?! となったwww)
でも、この馬締役も櫻井さんどストライクの役だと思います。
コミカライズがアニメより後と言うのは少々驚きました。普通は先の気がするのですが、何しろ挿画をかいてらっしゃったし。
だので原作を少し変えたアニメオリジナルの部分をコミックで取り込んでもいるようです。
原作・映画・アニメ・コミックと全部見てみて、細かな違いはいくつもありますが
アニメの良かった点を挙げると、
まず、馬締の一人称が「僕」だったこと。原作とマンガは「俺」、映画は両方使い分け。
それから馬締が辞書編集部に入るきっかけとなる「出会い」のシーン。
馬締についての情報源は全部西岡という名の編集部員、という点は変わりないのですが
西岡が馬締のことを知る、その知り方がアニメだけオリジナル。
西岡が偶然町の書店でできの悪い営業である馬締を見かけて追いかけ、ひとくさり説教をします。
その他、原作とマンガでは馬締が思いつくある「強引ワザ」もアニメでは西岡が思いついたことに。
あー、でもこれは映画でも西岡が思いついたことになってましたね。
それからマンガの馬締はちょっぴりお茶目。にんまりしたりげっそりしたりの表情がアニメより豊か。
下宿のおばさん・タケさんもマンガはやや”いちびり”。ていうかちょっと”いやらしい”ww
てか、マンガはどのキャラも原作よりアニメよりずっと「腹に一物ありげ」なキャラになってます。
これは雲田先生のお好きなキャラの味付けなんでしょうか。みんなちょっと”やらしい”ww
それぞれのメディアで最も得意とする部分で変化を出し、時にはオリジナルのシーンも混ぜる。
映画では尺が短いにも関わらず原作にないシーンを足しているところもありました。
さて、本記事のタイトルに入れました「右・・・ですか?」という馬締のセリフ、
辞書編集部長の荒木に試しに「右をどう説明するか」と問われた時の馬締の第一声。
これは絶対アニメがきれいに決まってました。
そしてこの馬締の説明する「右」。
後々登場する若い女性社員・岸辺が自信を見いだせず悩むシーンで
西岡が彼女に同じ質問をします。これは完全にアニメオリジナルなのですが
ここで彼女は馬締と全く同じ答えを返し西岡が「君、辞書向いてるよ」と励ます。
さりげなく名シーンだと思います・・・どっちも。
さて、自分なら「右」をどう説明するだろう・・・
はい、ところで今更ですが西岡役は我らが??神谷浩史さんですよ~。チャラ系。ドンピシャwww
それにしても、このアニメ、協力が豪華絢爛と言うか、まあ・・・許可取らなきゃって部分もありましょうが
日本中のあまたの辞書辞典を発行しているそうそうたる出版社の面々が・・・
更にはサンリオさんと提携してイメージマスコットキャラクターも。
いろんなメディアで展開されたおかげで、思わず書店で探したくなりましたよ。
もしかしたら本当にあるかも知れない…なんて思わせられた「大渡海」。
みなさんも機会があればどれか一つでも見てみてください。
原作でも映画でもアニメでもコミックでも・・・「大渡海」違った「舟を編む」
どっかの出版社さん、出しませんか、「大渡海」。
ご存知の通り原作は小説ですが私はアニメから入りましたので
カテゴリー・アニメで行きたいと思いまっす~。
初出は2009年10月、光文社さん発行の女性ファッション誌「CLASSY.」11月号から
2011年6月発行の7月号まで、2年弱に渡って連載されました。
中型辞書「大渡海(だいとかい)」を十何年にもわたってイチから作り上げる人々の奮闘を描く感動の物語。
・・・まあ、現実としてはこんな少人数ではやんないと思いますが・・・(知らんけど)
当初から挿画は後のコミカライズで作画を担当された雲田はるこ先生によるもの。
2012年本屋大賞堂々1位のベストセラーですから読まれた方も多いでしょう。
その劇場版(実写映画)は2013年春公開。
主人公の馬締(まじめ)光也役を松田龍平さんが演じておられます。
あはは、原作の挿画キャラにソックリ・・・
そしてアニメ化は2016年10月。
ホント、おんなじ顔・・・・
更に原作とアニメを元に挿画の雲田先生でコミカライズされた作品は2017年発行。
・・・と、まあ、各メディアの流れをざざっと紹介いたしましたが、
私はもとよりアニメーションと言う表現方法が大好きでありますので
原作は別としてアニメが最も良い出来だったと思いました~あくまで個人の感想ですよ?
映画版は尺の関係でどうしても削らなければならないシーンがあり
また、リアルに人間が演じていますから極端なキャラクターが浮いて見える部分もあったりで
フィクションなんだ、ある種ファンタジーなんだとわかってはいても無理がある部分もあったりなかったり・・・
例を挙げますと・・・
馬締が悪夢にうなされている、その悪夢のシーンはちょっと表現が難しいなと思った・・・
ファンタジックな場面、心理描写を反映させる場面と言うのはマンガやアニメの最も得意とするところです。
同じ悪夢にうなされるシーンでもアニメは綺麗に決まる。ここらはアニメの独壇場でしょう。
馬締が波打ち際に立っていて、たくさんの言葉や文字が波に揺蕩う。
また、白い空間にいると突然地割れができて竜巻が起こり、たくさんの言葉が吸い込まれて行き
馬締も慌ててそれを追いかけるんだけど追いつけずもがき苦しむ・・・
映画では水面いっぱいに用例カードが浮かんでいてそれを拾いきれないシーンがあるのですが
セットがちょっと軽すぎて・・・本当の海でやるわけにはいかなかったんでしょうね。
かといってCG合成もなんか違くね?だったのでしょう。
でも、松田龍平さん演じる馬締はとても馬締らしい、とことん不器用で生真面目で、でもどっかぶっとんでて、
原作にその描写はなかったと思いますが、挿画のキャラクター設定で出てきたのでしょう、ひょろっとして猫背、
そのスタイル全身が馬締光也その人そのもので初見で笑っちゃいました。イメージ通りすぎて。
これはキャスティングの妙というか成功例だと思います。
原作と、同時に掲載されていたキャラクター画のイメージを壊さないキャスティングと言うのは難しいものですしね。
さてではアニメはと言うと・・・
先に挿画があってキャラクター原案があるので、その点アニメは有利ですね。
問題はここでもキャスティング。動いた時に如何にそれらしい声を乗せられるか。
で、アニメの馬締役はクールでどちらかというと苦悩する系キャラの多い櫻井孝宏さん!
これはピッタリはまりました。
櫻井さんの出演作は多岐多数に亘りますが、もう、いっちゃん櫻井さん!といえば
ゲーム「ファイナルファンタジーⅦ」の主人公クラウド・ストライフ役でしょう!
↑これはゲームではなくオリジナルCGアニメ版のクラウドですが。
(てか、オリジナルゲームには声はついてなくて、CGアニメで初めてキャストがついた)
あと、「おそ松さん」の長男、おそ松!!!(え? 櫻井さんが?! となったwww)
でも、この馬締役も櫻井さんどストライクの役だと思います。
コミカライズがアニメより後と言うのは少々驚きました。普通は先の気がするのですが、何しろ挿画をかいてらっしゃったし。
だので原作を少し変えたアニメオリジナルの部分をコミックで取り込んでもいるようです。
原作・映画・アニメ・コミックと全部見てみて、細かな違いはいくつもありますが
アニメの良かった点を挙げると、
まず、馬締の一人称が「僕」だったこと。原作とマンガは「俺」、映画は両方使い分け。
それから馬締が辞書編集部に入るきっかけとなる「出会い」のシーン。
馬締についての情報源は全部西岡という名の編集部員、という点は変わりないのですが
西岡が馬締のことを知る、その知り方がアニメだけオリジナル。
西岡が偶然町の書店でできの悪い営業である馬締を見かけて追いかけ、ひとくさり説教をします。
その他、原作とマンガでは馬締が思いつくある「強引ワザ」もアニメでは西岡が思いついたことに。
あー、でもこれは映画でも西岡が思いついたことになってましたね。
それからマンガの馬締はちょっぴりお茶目。にんまりしたりげっそりしたりの表情がアニメより豊か。
下宿のおばさん・タケさんもマンガはやや”いちびり”。ていうかちょっと”いやらしい”ww
てか、マンガはどのキャラも原作よりアニメよりずっと「腹に一物ありげ」なキャラになってます。
これは雲田先生のお好きなキャラの味付けなんでしょうか。みんなちょっと”やらしい”ww
それぞれのメディアで最も得意とする部分で変化を出し、時にはオリジナルのシーンも混ぜる。
映画では尺が短いにも関わらず原作にないシーンを足しているところもありました。
さて、本記事のタイトルに入れました「右・・・ですか?」という馬締のセリフ、
辞書編集部長の荒木に試しに「右をどう説明するか」と問われた時の馬締の第一声。
これは絶対アニメがきれいに決まってました。
そしてこの馬締の説明する「右」。
後々登場する若い女性社員・岸辺が自信を見いだせず悩むシーンで
西岡が彼女に同じ質問をします。これは完全にアニメオリジナルなのですが
ここで彼女は馬締と全く同じ答えを返し西岡が「君、辞書向いてるよ」と励ます。
さりげなく名シーンだと思います・・・どっちも。
さて、自分なら「右」をどう説明するだろう・・・
はい、ところで今更ですが西岡役は我らが??神谷浩史さんですよ~。チャラ系。ドンピシャwww
それにしても、このアニメ、協力が豪華絢爛と言うか、まあ・・・許可取らなきゃって部分もありましょうが
日本中のあまたの辞書辞典を発行しているそうそうたる出版社の面々が・・・
更にはサンリオさんと提携してイメージマスコットキャラクターも。
いろんなメディアで展開されたおかげで、思わず書店で探したくなりましたよ。
もしかしたら本当にあるかも知れない…なんて思わせられた「大渡海」。
みなさんも機会があればどれか一つでも見てみてください。
原作でも映画でもアニメでもコミックでも・・・「大渡海」違った「舟を編む」
どっかの出版社さん、出しませんか、「大渡海」。