ちゃちゃ・ざ・わぁるど

日記と言うよりは”自分の中身”の記録です。
両親の闘病・介護顛末記、やめられないマンガのお話、創作小説などなど。

一生全力モラトリアム~おそ松さん②

2019年11月05日 12時20分30秒 | コミック・アニメ
アニメ・おそ松さん。


の続きというわけでは実はなくて。

タイトルの「一生全力モラトリアム」は一期オープニングの
「はなまるぴっぴはよいこだけ」と言う歌の一節です。

モラトリアムとは簡単に言えば猶予期間のこと。

何となく言葉は聞いたことがありましたがはっきりと意味を知ったのは
海堂尊先生のエッセーを読んだ時でした。
文庫本「ジェネラルルージュの伝説」に収録されている海堂先生の
自伝的エッセーの冒頭部分に記述があるのですが
要約すると、小説を10冊書けたら初めて作家を名乗ろうと、
それまでは「物書き」と自称しようと考えていた、と。
そしてその「物書き」時代を作家としてのモラトリアム時代と認識したと。
そこで初めてちゃんと意味を調べてモラトリアムという言葉を理解しました。

前口上はここまで。

「おそ松さん」は全員がニートの設定。
ニートとは「働く気がなく実際働いていない人」のこと。
引きこもっているかどうかは別として、とにかく働かないヒトビト。
世間的に、一般的には非難されるポジションでしょう。
でも実際ニートと言われるヒトビトが単純に甘ったれているとは限りません。
家庭の事情があって現実的に働くことができないのでニートにならざるを得ない人、
若い頃に才能を生かして一生分稼いだので働くことをやめた人(これはある種天才)、
そして障害があって働く気力を持つことができない人・・・
いろいろな事情があっていわゆるニートになってしまった人々も現実にはたくさんいるのです。
それを「甘ったれている」とか「依存している」「パラサイトである」と
全部ひとくくりにして非難する風潮には同意しかねます。と、個人的意見。

・・・が、この「おそ松さん」はマジで「早く就職しろ!」と言われる類の人々。
世間に背を向けいつまでもパラサイトしていたい怠け者たち。
でも、実際彼らは本心では「いつかはちゃんと就職して自立しなくちゃな」と
・・・まあ、ほんのちょっとではありますが思ってもいるのです。
そういう意味では完全なニートではありません。
つまりは、就職しなくちゃな、でももう少し待って、のモラトリアム人間。
それがオープニングの「一生全力モラトリアム」なわけです。


うーん・・・全力・・・なのかしらねえ。

でも確かに、彼らは正社員にはなれなくても、時々アルバイトで一生懸命働いて
誰かの為に結構な額のお金を稼ぐ時もあったし、
トド松はわりとフツーにバイトしてたりするし、
半分はポーズだけどチョロ松は就職情報誌を愛読してたりするし、
・・・イヤ、就活のフリをしているだけかも知れませんけど。



さて、いきなり現実の話。

ヒトはみんな結局「一生全力モラトリアム」なのかも知れません。
イヤでも問題は向こうからやってくる。
わかりやすい例を挙げると入学しかり受験しかり卒業しかり
それからおそ松さんたちのように就活しかり
誰かと恋愛すれば結婚するかどうか考えたり準備したりしなくちゃならないし
子どもが出来たら育てないといけないしより稼がなくちゃならないし
家を買うならローンや人生設定を考えなくてはならないし
子どもの成長にしたがって子どもの進路や自立を考えたり親の介護に直面したり
自分自身も年をとれば老後や終活を考えたり・・・

現実に乗っかかってくる問題はいつかは直面して解決しなければならない。
そのどれにも唯一絶対解はなく、だからどうしていいか最適解を求めて毎度悩みまくりますよね。
そして直面するまでにあれこれ考えて悩み倒しても
とうとう直面した時は全然違う行動をとって予想外のところに着地したりする。



結局直面するまで解決の糸口は見つからず結論もでません。結局思い通りにならない方が多いし。
その日が目の前に来るまでじたばたしつつついつい先延ばしに・・・
夏休みの宿題はさっさと済ませた方がいいのは頭ではわかっていても
ついつい先延ばしにして、結局8月末に追い詰められる。カツオくんか。

早く片付けるか、その時に備えてメドをつけておくべきだということはわかってはいるけれど
もしかしたら何もしなくても勝手に解決されることもあるかも知れないなんてキセキ?を待って
ついつい先延ばしにしてしまうのも人情でしょう。

一生全力モラトリアム。重い荷物を背負ってもがくしかない。

まあ、たまには・・・一杯やってちょっと荷物を下ろしましょう。


おそ松さんでも見て。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一生全力モラトリアム~おそ松さん①

2019年11月04日 10時18分56秒 | コミック・アニメ
投稿自体ほぼ3か月ぶりで、ずっと放置状態が続いておりました。
その辺の御託?は一切無視して
久しぶりのアニメのお話です。

もうすべての放映自体とっくに終わってますんで
多少のネタバレはご容赦ください。

おそ松さん・・・原作「おそ松くん」と言えば
リアルタイム知らなくても皆さんご存知の
故赤塚不二夫大先生の残した大傑作。
原作漫画はもとより、1966年モノクロ時代にアニメ化され
あの、一世を風靡した「シェー!」でおなじみの名作です。
主人公でないサブキャラのギャグなのに
日本じゃ知らない人はいない、
今の子どもたちでさえ知っていると言う「シェー」発祥作品。
そのイヤミにしろチビ太にしろダヨ~ン、デカパンなど
面白過ぎるキャラクターが目白押しの名作中の名作ギャグアニメ。

まあ、これは当時の画風と動きを再現して作った今の「おそ松さん」第二期第一話の冒頭ですが。

元々の「おそ松くん」は主人公の六つ子たちにはあまり個性がなく
顔も性格もほとんど同じ、声優さんも確か4~5人で6人分を適当に演じていたとか。
5人いたならもう一人つければいいのにね・・・大人の事情か?? サブキャラとの兼役もあったし。

その後1988年にもリメイクされて、この時は素直に原作の設定のまま
焼き直した感じで、従ってやはり顔も性格もほぼ同じ? 声優さんは6人ついたけれど全員女性でした。
まあ、子どもですからね、元々おそ松たちは・・・。こちらでも兼役あり。


それが50年の歳月を経て
成長して(ないけど)大人になった(とは思えないけど)姿でリメイクしたのが
本作「おそ松さん」でした。まあ、リメイクと言うよりパロディーですね、正確には。
もう赤塚先生も亡くなられて結構日も経ってたんですが
ご存命であられたらお怒りになったか・・・イヤイヤ、喜んでくださったのではないでしょうか?


ご存知の方にはお分かりの通り、50年目にして初めて
六つ子に個性がつけられました。声優さんも一人一人につきました。
それも豪華人気声優ばかりですよ! 全員男性で、もちろん兼役は一切なし!
服装も全く同じ学生服から、まあ一応学生ではなくなったので揃いのパーカーで色違い、
顔つきも少し特徴があって性格も結構違い、同い年だけど普通の兄弟のように軽い上下関係もつきました。

細かい話は公式サイトやウィキペディアでご確認ください、なんですが、
ざっくり紹介しますと・・・

長男 おそ松 CV:櫻井孝宏さん カラーは赤
暢気だけど長男らしいところを見せるときがあり、弟思いでリーダーシップらしきものも垣間見える。

次男 カラ松 CV:中村悠一さん カラーは青
何かとカッコをつけたがるがだいたいカラ回りし常に失敗し、しかも同情されない可哀想なヤツ。

三男 チョロ松 CV:神谷浩史さん カラーはグリーン
この中では一番常識人のツッコミ役で損するタイプ。でもボケ始めると際限がない。アイドルヲタク。

四男 一松 CV:福山潤さん カラーは紫
孤独と闇を抱えて自閉症気味。本当はシャイな寂しがり屋だが、みんなは理解していて結構優しくする。

五男 十四松 CV:小野大輔さん カラーは黄色
ひとことで言うとバカ。体力と運動神経だけは抜群で常にハイテンション。唯一彼女らしき者を持ったことがある。

六男 トド松 CV:入野自由(みゆ)さん カラーはピンク
ひとことで言うとあざとい。リア充目指して小器用、一番他人とのつきあいがうまく常識人に見えるが実は結構腹黒い。

そんな感じですか~。主観だけど。
全員にほぼ共通しているのはニートで頭の中は小学生の時からたいして変わっていないこと。
トド松だけはちょっとシャレオツなスタバっぽい店でバイトしていることもありますが。
まあ、厳密には時々みんなバイトらしきものをやることもありますが、基本ニートです。

好評につき第二期も放送されましたが、ハッキリ言って二期はちょっとだるめ。
一期で全力疾走して二期は多少ネタが尽きた感ありました。まあでも面白かったけど。


何しろ製作スタッフがあの「銀魂」の中盤以降の藤田陽一さん、宮脇千鶴さん・・・ですからね。
そりゃ、パロディー満載ギャグ満載、面白くなりますわ。

シリーズ構成の松原秀(しゅう)さんは、実はアニメの構成は本作が初めてだったそうです。
以下、松原さんの打ち明け話によりますと
当初、監督からシリーズ構成の依頼があった時、それぞれのキャラも考えてくれと言われたそうです。
つまり、6人の個性をつけようと、それを考えてくれと。
その時、すでにキャスティングは決まっていたそうなのですが
いかんせん、松原さんはアニメ初体験なのでその声優さんたちのキャラもよくわからない。
だって、ありますよね、このキャラはこの声優さんが合うだろうみたいな声優イメージ。
けれども、松原さんは、例えば櫻井さんなら生真面目でストイックで、どこか軟弱なキャラ(クラウド?)とか
そういう他で演じているキャラがどうもしっかりつかめていない。

そこで、それぞれの声優さんの演じた他作品を・・・見なかった!!・・・見なかったんですって。

何をしたかと言うと、それぞれの声優さんがやってるラジオ番組やイベントの映像、
即ち演じていない(ある意味演じていると言えなくもないけれど)素に近い姿を見て
おそ松兄弟それぞれのキャラクターを考えてったそうなのです。

確かに・・・少なくとも神谷さんはチョロ松だわ・・・。ツッコミ過ぎて最後は完全にボケる。

この話は神谷さんと小野大輔さんのラジオ番組「ディアガール・ストーリー」で
松原さんのゲスト回で打ち明け話として語られましたが
その際の小野さんの反応は「ええっ?! オレ十四松? オレって十四松なの?!」
・・・そうそう、「小野君は十四松だよ」神谷さんの返し・・・。
だって「斉木楠雄のφ難」の最バカキャラ・燃堂力を素でやれるんですよ。
後日他の放送回で神谷さん曰く
「燃堂は役作りいらないもんね。そくやれます。『お?』『お?』言ってればいいんですから。」
「ええーーーーっ? オレ十四松??」
あくまでも「意外、心外」をアピールする小野君でしたが・・・

ついでに「(福山)潤は闇抱えてるよね」「あるある!」
確かに、的確に声優さん自身のキャラを投影できていた・・・そうです!
・・・うん・・・確かに。
神谷さん自身も「すごいやりやすかった。あるもん、チョロ松みたいなね、
一見一番常識があるように見えてツッコミ役にまわっているけど実はボケてて、
最終的には完全にボケるというおいしい役ですよ。」
「あなたそうですよね。」(小野君の相槌)

ちなみに、6人ものニートとたぶん専業主婦のお母さんを扶養する、実は凄いのかも、なお父さんは
井上和彦さんが演じています。出番はそうないんですけれど。
夏目友人帳のニャンコ先生とも斑とも、NARUTOのはたけカカシ先生とも
はてまた銀魂の朧とも全く違う「お父さん」、さすが和彦さんです~。
ああ、これも和彦さん的には素に近いのかも知れませんが。

で、タイトルに冠した「一生全力モラトリアム」はOPの歌詞の一部ですが
そのお話はまた次の機会で・・・。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする