コキュートスの記憶

日々の出来事とか戦果(買い物)とか。
主にガンダムを中心にしています。

シャアの帰還 part8

2015年02月10日 | ゲームブック
東京湾に不時着したところから再開でございます。

066:
 やがて、我々は暗く鉛色に沈んだ海面下に達した。パラシュートが絡
みつかぬよう、非常用に切り離しスイッチを押す。直ぐ様、パラシュー
トは外れ、私はユカの姿を捜した。
「ここです!」
 見ると、30m程先にユカの姿が在った。
 私はクロールでそこまで泳ぎ着いた。ユカが前方を指差す。
「あそこにセイバーフィッシュが!」
 確かに落下した我々の機体だ。我々は何の苦もなく機体に取りついた。

221:
 旧トウキョウベイは真夜中だった。月も見えぬ。これも大気が汚れて
いる証拠か。
 海上のセイバーフィッシュはエンジンから黒煙を立ち上らせている。
私とユカは、機体上部に腰を降ろした。
 超硬化プラスチック製のため、この機体は水に浮くのだ。
「クワトロさん…」
 ユカがボソッと呟いた。
「どうします?これから…」
 翼端の灯りを浴び、東洋人特有の黒い髪が金色に光っている。
「エグムのアジトは、何処に在るのかね?」
「旧トウキョウの郊外です。多分、ここからだと…」
 ユカはコクピットのモニターにマップを呼び出した。
「30km以上はありますね」

054:
「ふむ…この寒さでは、海を泳いで渡る訳にも行くまい。ま、幸いなこ
とに機体の中にはサバイバルキットもあるし、ノーマルスーツもある。
気長に構えることだな」
 それから数時間後。サバイバルキットの固形食料を口にしながら救助
を待っていた私たちは、1隻の漁船が近くを航行しているのを発見した。
その船は、私たちのいる場所から数百mの所でピタリと停止し、強力な
サーチライトをこちらに向けて来た。一体何のつもりだ…?
・合図を送ってみる:072
・無視する:146

072:
 漁船の灯火を見ていた、ユカの眼が不意に輝いた。
「仲間よ!間違いないわ。エグムの船よ!」
「クワトロ=バジーナ氏かっ!?」
 外部スピーカーから声が流れる。サーチライトの光芒に照らされ、私
とユカは大きく手を振った。
 彼らはエグムのメンバーだった。私たちの機体が海上に墜落したのを
レーダーで確認し、捜索を行っていたのだ。私たちは船に収容され、エ
グムのアジトへと向かった。

218:
 エグムのアジトは、チョウフ近くの都市スリーホークにあった。
「エグムの地球圏責任者、アボリジニー=ストロマトライトです」
 アジトの一室で、私は長身で細面の男に握手を求められた。
「お会いできて光栄です」
「こちらこそ。クワトロ=バジーナです」
 私が握手を返すと、アボリジニーの目が鋭く光った。
「まやかしの名前を使うのはなしにしませんか、シャア=アズナブル」
「何故、私の名を?」
 私は微笑みを浮かべた。
「ルオ商会からの打電にそう書いてあっただけですよ」
「なるほど。ならば、お願いしたい。今の私は、動いていることを知ら
れては困る立場にある。公式には、クワトロ=バジーナということにし
て貰いたいのだ」
「判っています、組織としても、貴方に協力は惜しまないつもりです」
「で、どうやって私をダンジダンの元へ送り出してくれるのかね?」

365:
「そのことなのですが…既に組織の情報網を動員して彼の行方を捜して
います。どうやら、アクシズ戦役の最激戦地だったコア3付近に今も潜
伏しているらしいのですが…。つまり、貴方は再び宇宙に戻らねば。そ
の方法ですが」
「どうするというのだ?」
「ナリタの西30kmに、連邦軍の工業基地があるのはご存知ですか?」
「ああ…チバシティのことだな」
「そうです。チバシティに明後日、アウドムラが来ます」
「アウドムラ?あれは連邦軍が使っているのか?」
「そうです。カラバはロンドベルの下部組織として連邦軍に吸収され、
アウドムラも連邦の所有になったのです。アウドムラは月で発掘された
レアメタル類の積み降ろしに来るのですが、恐らく荷を降ろした後は護
衛のMSやシャトルを積み込み、ホンコンに回航される筈です。そこを
襲撃し、アウドムラからシャトルを射ち上げる」
「確かなのかね、その情報は?」
「間違いありません」
 アボリジニーは立ち上がった。
「今晩はゆっくりお休み下さい。詳しい打ち合わせは明日行いましょう」

ちゅーわけで、次回は打ち合わせからスタートいたします。
コメント
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